エクセルとは、Microsoft社が開発・販売している数値データを扱った「表計算ソフト」です。方眼紙のような見た目をしていて、入力された数値をもとに計算や表の作成を自動化できます。手計算によるミスや手作業での表作成を避けたいときに使える他、膨大なデータの管理や社内メンバーとの共有にも役立ちます。
この記事では、Excelの基本操作を解説します。応用スキルや実際のビジネスシーンにおける活用術も紹介します。
Excel(エクセル)の基本操作
Excelの基本となる操作を解説します。Excelではデータの入力・編集・計算・グラフ作成をすることが多いので、マスターしておきましょう。
セルの入力・編集方法
【1】Excel上で文字や数値を入力したいときは、まず入力先のセルを選択します。セルとは、数字や文字が記入された「ひとつひとつのマス目」のことです。マウスでクリックしたセルは「アクティブセル」と呼ばれ、文字や数値を入力できるようになります。
【2】入力先をアクティブセルにした状態で、赤枠のなかに任意の文字・数値を入力します。またはアクティブセル内への入力でも可能です。
【3】一度入力した文字・数値を編集したいときは、該当するセルをクリックします。編集可能な状態になるので、「Back space」や「Delete」キーで消去し、新たな内容を書き加えます。
数式と関数を駆使した計算テクニック
【1】Excelでは、入力された数値をもとに計算を自動化できます。例えば売上個数の合計値を算出したい場合、SUM関数を使います。SUM関数とは、個々の値・セル参照・セル範囲などの組み合わせに基づいてセル内の数値を合算するための関数です。
合計欄に「=SUM(D3:D8)」と入力すると、「D3からD8に記載されている数値を合算する」という意味になります。エンターキーを押すと「599」と合計値が表示されます。
【2】生年月日と今日の日付をもとに、DATEID関数を使って現在の年齢を自動算出することも可能です。DATEID関数とは、2つの日付のシリアル値から「年数」「月数」「日数」などを求める関数です。
「=DATEDIF(C3,$E$1,”Y”)」で「C3(生年月日)からE1(現在の日付)までの日数を計算してY(年数)で示す」という意味になります。結果、年齢が表示できます。
他にも、代表的な関数として下記が挙げられます。
関数 | 主な用途 |
AVERAGE関数 | 数値の平均を求める |
MAX関数 | 与えられた数値のリストや範囲内から最大値を求める |
MIN関数 | 与えられた数値のリストや範囲内から最小値を求める |
ROUND関数 | 指定した数値を四捨五入する |
IF関数 | 条件に基づいて異なる値や結果を返す |
IFS関数 | 複数の条件を順に調べ、条件に応じて異なる値を返す |
SUMIF関数 | 特定の条件に一致するセルだけの値を合計する |
COUNTIF関数 | 特定の条件に一致するセルの個数をカウントする |
IFERROR関数 | 数式を処理する中でエラーが発生した場合、指定した値を返す |
Excelでよく使う関数を覚えておくと、面倒な手計算をすることなく自動化できます。
表示設定・書式のカスタマイズ術
【1】セル内の表示形式を変更したいときは、該当セルまたは範囲を選択して右クリックします。「セルの書式設定」から詳細な表示形式を変更できます。
【2】生年月日など日付を示すセルの場合、「1989/8/27」「1989年8月27日」「1989-08-27」などさまざまな表記に変更できます。基本的な表示形式は「種類」のなかに記載されているので、選択して「OK」をクリックするだけで変更できます。
その他、下記のような分類についても表示形式を変更できます。
分類 | 種類 |
数値 | 「1000」「1,000」「△1,000」など |
通貨 | 「¥1,000」「1,000円」など |
会計 | 「¥1,000」「$1,000」など |
日付 | 「2024/01/01」「2024年1月1日」など |
時刻 | 「13:00」「PM1時」など |
パーセンテージ | 「130」「130.0」など |
分数 | 「1/4」「21/25など」 |
その他、自由に単位や数値の後に続く言葉を設定する「ユーザー定義」をすることも可能です。
グラフ作成のポイントと種類一覧
【1】Excelにはグラフを自動作成する機能も搭載されています。グラフにしたいデータの範囲を選択し、「挿入」タブ内にある「グラフ」から好きなグラフ形式を選択します。迷ったときは「おすすめグラフ」を選択してみましょう。
【2】「おすすめグラフ」を選択した場合、Excelが自動でグラフ候補をいくつか提示してくれます。グラフ形式は、主に下記に対応しています。
- 縦棒
- 折れ線
- 円
- 横棒
- 面
- 散布図
- マップ
- 株価
- 等高線
- レーダー
- ツリーマップ
- サンバースト
- ヒストグラム
- 箱ひげ図
- ウォーターフォール
- じょうご
- 組み合わせ
どのようなグラフになるか見てから決めたいときは、「すべてのグラフ」からグラフ例をチェックして選択します。
よくある質問
Excelの基本操作に関して「よくある質問」を紹介します。
スマホで無料のExcelはありますか?
スマホ用アプリを使えば、Excelをモバイル端末で利用できます。Microsoft社公式のアプリが無料で使えるので、出先で手軽に編集・入力したいとき等に活用しましょう。
無料版でも、下記のようなExcelの基本機能は全て利用できます。
- ファイルの閲覧、編集、新規作成
- 数式や関数
- フィルタ、並べ替え
- ハイライト、フォントサイズ変更、色変更
- シートの利用
一方、有料版でないと下記の機能は使えないので注意しましょう。
- ワードアートの挿入や編集
- グラフ要素の追加と編集
- カスタムカラーを作成して図形に追加
- ピボットテーブルのスタイルやレイアウトの編集 など
用途や使用頻度に合わせてプランを選択するのがおすすめです。
Excelは無料で使えますか?
サブスクリプション版やパッケージ版で有料で使用するExcelと、無料で使用できるExcelとがあります。無料で使う方法は、主に下記の通りです。
- Microsoft 365の体験版を利用する
- Excel for the webを利用する
- Excelの無料アプリを利用する
「Microsoft 365」とは、年または月単位契約のサブスクリプションサービスです。ExcelだけでなくWordやPowerPointなどMicrosoft社ソフトを使い放題にできるサービスであり、1ヶ月間は無料で体験できます。ただし1ヶ月を超えて使用する場合は利用料がかかるので、短期間だけピンポイントで使いたいときに活用しましょう。
「Excel for the web」はオンライン版Excelであり、一部機能や関数に制限はありますが基本機能であれば漏れなく使えます。ただしオンライン接続しながら使うタイプなので、インターネット環境のない場所では使用できません。
スマートフォンやタブレットでExcelを使いたいときは、Excelの無料アプリがおすすめです。機能を拡張したいときは有料版に切り替えることもできるので、用途や使用頻度に合わせて選択しましょう。
まとめ
Excelは数値計算やグラフ作成の自動化に便利なツールであり、膨大なデータ分析をしたいときに役立ちます。メンバー間での共有も楽にできるので、手計算から解放されたいときは積極的に活用しましょう。
まずは基本的な操作を学び、次に関数やマクロ等を学ぶのがおすすめです。
Excelに関する重要用語
用語 | 説明 |
Excel | Microsoft社が開発・販売している数値データを扱った表計算ソフト。 |
セル | 数字や文字が記入されたひとつひとつのマス目のこと。 |
SUM関数 | 個々の値・セル参照・セル範囲などの組み合わせに基づいてセル内の数値を合算するための関数。 |
DATEID関数 | 2つの日付のシリアル値から「年数」「月数」「日数」などを求める関数。 |
AVERAGE関数 | 数値の平均を求める関数。 |
MAX関数 | 与えられた数値のリストや範囲内から最大値を求める関数。 |
MIN関数 | 与えられた数値のリストや範囲内から最小値を求める関数。 |
ROUND関数 | 指定した数値を四捨五入する関数。 |
IF関数 | 条件に基づいて異なる値や結果を返す関数。 |
IFS関数 | 複数の条件を順に調べ、条件に応じて異なる値を返す関数。 |
SUMIF関数 | 特定の条件に一致するセルだけの値を合計する関数。 |
COUNTIF関数 | 特定の条件に一致するセルの個数をカウントする関数。 |
IFERROR関数 | 数式を処理する中でエラーが発生した場合、指定した値を返す関数。 |
セルの書式設定 | 事前に定義された書式スタイルと罫線や塗りつぶしの色などを追加することで、セルを書式設定する機能。 |
Microsoft 365 | 年または月単位契約のサブスクリプションサービス。。ExcelだけでなくWordやPowerPointなどMicrosoft社ソフトを使い放題にできる。 |
Excel for the web | オンライン版のExcelで、オンライン接続しながら使う。 |