新たなサービスやWebサイトなどでユーザー登録をすると、その都度IDやパスワードが増えていきます。これらを適切に管理しておかないと、必要な時に「IDがわからない」「ログインできなくなった」といった事態になりかねません。IDやパスワードの管理には、手書きで記録しておいたりメモアプリに保存しておいたりするなど、いくつかの方法が考えられるでしょう。
外出先で必要になった場合を考慮すると、常に持ち歩く必要があります。しかしこれは現実的ではありません。このような場合、Notionでパスワードを管理する方法が便利です。Notionではパスワードをクラウド上で保管するため、インターネットに接続できる環境があればいつでもどこでも閲覧することができます。またパスワードの追加や編集も可能です。Notionを利用することで、効率的なパスワード管理が実現できると言えるでしょう。
この記事では、Notionのパスワード管理に関しての基本情報、管理方法、Notionに関しての質疑応答などを紹介します。
チャット一括管理アプリ「OneChat」が今なら初月無料!!
OneChatのダウンロードはこちらから
Notionを使ったパスワード管理の概要
Webサイトや新たなサービスなどでユーザー登録すると、管理すべきIDやパスワードが増えていくのが現実です。メモアプリや手書き、記憶など、管理方法は人によってさまざまでしょう。このような場合、パスワード管理にNotionが利用できるので紹介します。
未経験から人気の事務に転職するなら【WORXデジタルウーマン】
パスワード管理の課題とNotionの魅力
管理すべきIDやパスワードが増えてくると、「簡素化」「単純化」「同じパスワードの使いまわし」などを行い、手間を省いてしまう人も多いでしょう。しかしIDやパスワードを簡素化、単純化した場合、セキュリティ面に問題が出てきます。それは悪意のある攻撃者にとって予測しやすい文字の組み合わせとなり、不正にログインされる可能性が高まるためです。実際に次のような事例があります。
事例タイトル | 覚えやすいIDとパスワードを使った場合のリスク |
被害の内容 | AくんはSNSのログインIDを「名前+出席番号」、パスワードを「生年月日」に設定していました。ある日突然SNSに、Aくんの名前を使って友達の悪口が書き込まれています。それを見た友達はAくんに激怒し、絶交することになりました。Aくんは身に覚えのない悪口の書き込みによって、周りから白い目で見られている状況です。原因を探っていくと、覚えやすいIDとパスワードを使用していることで、アカウントを他人に乗っ取られていることが分かりました。悪意のある攻撃者が、乗っ取ったAくんのアカウントを使用して悪口を書き込んだのでしょう。 |
参考記事:総務省「覚えやすいIDとパスワードを設定したら」
また、同じパスワードを使いまわしている場合も問題があります。一箇所で漏洩してしまうとすべてのWebサイトやサービスのログイン情報が漏れてしまうためです。
このようなリスクを考慮すると、IDやパスワードはWebサイトごとに異なった強固なものにする必要があると言えるでしょう。
それぞれに設定したIDやパスワードを管理する場合、Notionが利用できます。Notionのメリットとしては、次の内容が挙げられるでしょう。
- IDやパスワード以外の情報も一緒に管理できる
- パソコン、タブレット、スマホなどデバイスを選ばずに利用可能
- 並び替え、フィルター、検索などが使用できる
関連記事:【初心者向け】Notionを複数アカウントで利用する方法!ログインの切り替えや削除もまとめて解説
Notionでのパスワード管理の基本設定
ここでは、Notionでパスワード管理をする場合の基本設定について紹介します。
個人用ページとチーム用ページの違い
Notionでは選択するプランによって、ページの利用制限が異なります。個人用ページとして利用する場合は、フリープランがおすすめです。個人のみがページにアクセスできる権限を持ちます。
一方チーム用ページとして利用する場合は、プラスプランがおすすめです。プラスプランでは、個人だけでなくチームメンバーがページにアクセスすることが可能となります。
IDやパスワードを個人だけで管理する場合は「個人用ページ」、チームメンバーで共有する場合は「チーム用ページ」で管理する方法が良いでしょう。
データベースの作成と活用方法
データベースとは、整理された情報の集まりのことを言います。膨大な情報から目的のデータを抽出したり、データを追加したり編集したりすることが可能なものです。このデータベースをパスワード管理に活用することで、管理がしやすくなります。
Notionでは情報を整理するため「プロパティ」と呼ばれる属性を設定する方法です。プロパティには「項目名」「登録日付」「カテゴリー」「重要度」「メモ」など、整理する情報に必要なものを独自に設定することができます。例えば次のようなイメージです。
項目名 | 登録日付 | カテゴリー | 重要度 | メモ |
VISAカード | 2023/09/01 | カード | 高 | ID、パスワードなど |
MASTERカード | 2021/03/01 | カード | 高 | ID、パスワードなど |
マイナンバー | 2023/02/10 | カード | 高 | ID、パスワードなど |
Gmail | 2020/08/25 | メール | 中 | ID、パスワードなど |
Hotmail | 2020/03/10 | メール | 中 | ID、パスワードなど |
データベースには「ビュー」と呼ばれる情報の表示機能があります。例えば上記のデータベースの場合「カテゴリー=カード」で絞り込んで表示したり、「登録日付=2023年」を表示したりすることが可能です。
関連記事:【2023年最新】Notionでおすすめの使い方(活用術)!業務を効率化できる使い方を徹底解説!
セキュリティ対策で安全なパスワード管理を実現
Notionでは、セキュリティ上安全なパスワード管理を行うことが可能です。
パスワード生成機能で強固なパスワードを作成
強固で安全なパスワードに使用するには、パスワード生成機能のあるアプリでパスワードを自動生成するのが良いでしょう。アルファベットや数字、記号などが組み込まれて、長めの文字列でパスワードが生成されます。この場合、第三者に破られる可能性はほとんどないと言えるでしょう。
インターネットの普及に伴い、Webサイトや各種サービスでIDやパスワードを利用する機会が増えています。セキュリティ面を考慮すると、その度に生成するのが良い方法です。ただし簡単なパスワードであったり、使いまわしていたりすると漏洩や不正アクセスにつながります。パスワードを自動生成するツールを使用するのが良いでしょう。
Notionの暗号化によるデータ保護
Notionでは、保存しているデータすべてを暗号化しています。バックアップやデータベース、クラウドストレージ、内部ネットワークすべてが対象となっており、安全を確保している状態です。
そのためNotionでパスワードを管理する場合、セキュリティ上安全と言えます。
便利な機能で簡単にパスワードを管理
Notionでは、簡単な操作でパスワード管理が可能です。また管理しているパスワードを検索したり、カテゴリーで絞り込んで表示したりすることもできます。
パスワード一覧表の表示と検索機能
Notionでパスワードを管理する場合、データベースを使用します。例えば「Gmail」のIDとパスワードを管理する場合「ID(メールアドレス)」「パスワード」だけでなく、「登録日付」「カテゴリー」「重要度」といった付属情報も記録しておくことが可能です。付属情報を「プロパティ」と呼んでいます。プロパティは任意のものを追加することが可能です。
データベースの機能である「ビュー」を使用すれば、さまざまな表示ができます。例えばカテゴリーごとに記録している情報を表示したり、日付順に表示したりする方法です。
また記録している情報を検索することもできます。文字列の部分だけ一致する場合でも、検索結果として表示されるため、目的のものを見つけやすいと言えるでしょう。またカテゴリーなどでフィルターを設定し、表示/非表示を選択することも可能です。
定期的なパスワード変更を促すリマインダー
セキュリティを考慮した場合、パスワードは定期的に変更することが必要と言えるでしょう。Notionでは管理しているパスワードの期限を設定し、期限が来たら通知を出すことが可能です。この機能により、パスワードを強化することができます。
パスワードを管理する際、パスワードごとに「更新日付」を記録するようにしておきます。更新日付と現在時刻との差を算出することで、通知を出す仕組みです。
例えばデータベースのプロパティに「経過日数」を追加し、種類に「関数」を選択します。関数は「dateBetween」を使用する方法です。この関数は2つの日付の差を算出します。現在時刻は「now()」で取得可能です。
フィルター機能で「経過日数」が一定数を超えているものを表示するように設定します。こうすることで、更新すべきパスワードが一目で分かるようになります。
モバイルアプリでいつでもパスワード情報にアクセス
Notionは、あらゆるデバイスに対応しているアプリです。外出中でもデータにアクセスすることができ、閲覧や編集することが可能となります。パスワード情報にもアクセスが可能です。
モバイル機器でNotionを使用する場合、モバイルアプリをインストールします。モバイルアプリではNotionのすべての機能が操作可能です。
スマホでも安全なログイン方法
Notionにはパスワードや個人情報、顧客情報など、機密性の高いデータを保存することも少なくないでしょう。情報が漏れてしまうと大きな損害や被害を招く可能性があります。そのため、セキュリティ対策は重要です。
スマホでNotionにログインする場合、安全な方法を設定することが大切となります。二段階認証によるログインが有効な方法です。二段階認証とは、ユーザーIDやパスワードの認証に追加し、あらかじめ登録しているメールアドレスや電話番号に「認証用コード」を送ってもらうことで本人を確認します。
IDやパスワードを他人に知られた場合でも、メールアドレスや電話番号を利用することで不正ログインやなりすましを防ぐことが可能です。
二段階認証はNotionの「設定」-「マイアカウント」から「二段階認証」を選択して、設定します。二段階認証には2つの方法があり、どちらか一方を選択する形です。
二段階認証の方法 | 説明 |
認証システムからのコード | 認証アプリが認証コードを生成する方法です。 |
コードをSMSで送信 | 電話番号宛に認証コードが送られる方法です。 |
クリックで簡単にパスワード情報をコピー
Notionのデータベースでパスワードを管理している場合、簡単にコピーすることが可能です。データベースにカーソルをあてると「::」のようなアイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると「複製」「削除」「移動」などを選択することが可能です。複製を選ぶことで、コピーすることができます。
よくある質問
ここでは、Notionのパスワード関連でよくある質問と回答をまとめています。
Notionでパスワードを忘れた場合はどうすればよいですか?
Notionにログインする際、パスワードを忘れてしまった場合はログイン画面の「パスワードを忘れた場合はこちら」をクリックします。メールアドレスを入力すると、パスワード再設定用のメールが送られてくるので、ログインしてパスワードを再設定してください。
Notionでパスワードが漏洩することはありませんか?
Notionでは、保存データに関してセキュリティ対策が施されています。そのため、管理しているパスワード情報は、漏洩するリスクはほとんどないと言えるでしょう。Notionでは次のセキュリティ対策を実施しています。
セキュリティ対策 | 説明 |
データセキュリティ | すべてのアクセスを監視したりデータを復元するためのバックアップを保存したりしています。データはAES-256を使用した暗号化を採用しています。 |
アプリケーションセキュリティ | Notionではソフト開発時にセキュリティを考慮した手順で実施しています。また各種資格情報を自動的に管理するサービスを使用し、安全を確保する仕組みです。 |
セキュリティプロファイル | データへのアクセスレベルを設定し、不正な漏洩を防ぎます。AWSが提供するクラウドサービスを利用しており、強固なセキュリティ対策が施されている状況です。 |
企業セキュリティ | 従業員に対してのセキュリティ教育、内部監査、インシデント対応を実施しています。 |
アクセス管理 | データへのアクセス制限を設けることで、不必要なアクセスを防止しています。ログ機能により不正が確認された場合はセキュリティ警告が出るような仕組みです。システムへのログインは多要素認証を基本としています。 |
インフラストラクチャ | 外部からの攻撃に対応するアプリケーションを常駐しています。またデータセンターはAWSの強固なセキュリティに守られた状態です。 |
エンドポイントセキュリティ | 従業員のノートPC内のデータは、ディスク暗号化で保護され、万が一の漏洩に備えています。モバイルデバイスはリモートで管理されており、安全な状態を確保しています。 |
ネットワークセキュリティ | ファイアウォールによって外部からの不正アクセスを遮断します。またネットワークを常に監視し、不正な動きがないかチェックする方法です。 |
プロダクトのセキュリティ機能 | Notionではログインユーザーのドメインを監視し、不正ログインを防止しています。また監視ログにより、セキュリティ上問題となる行動を特定することが可能です。二段階認証の設定も可能となっています。 |
Notionでパスワード変更は簡単にできますか?
Notionのパスワードは、簡単に変更ができます。画面の右にあるアイコンから「アカウント設定」を選択する方法です。変更後のパスワード、現在のパスワードを入力し「上記内容で変更」を押すことで対応ができます。
まとめ
今回は、Notionのパスワード管理に関しての基本情報、管理方法、Notionに関しての質疑応答などを紹介しました。Webサイトや各種サービスなどに登録するたびに、IDとパスワードは増えていきます。同じものを使いまわすと管理が楽になりますが、セキュリティ上問題が発生する可能性が高まるでしょう。
個々に強固なパスワードを設定し、簡単に管理できるようにする方法としてNotionがおすすめです。Notionでは複数のパスワードを簡単に管理することができ、セキュリティ対策も施されています。またモバイル版アプリも用意されているため、どのデバイスでも操作が可能です。パスワード管理にNotionを活用してみてはいかがでしょうか。
Notionパスワード管理に関する重要用語
Notonのパスワード管理に関して重要用語を紹介します。
用語 | 説明 |
Notion | ドキュメントやメモ、タスク、データベース管理など、業務で使用するあらゆることを1つのツールにまとめたアプリケーションです。 |
データベース | 整理された情報の集まりで、データ検索、追加、編集、削除などを行うことができるものです。 |
プロパティ | データの属性を指します。 |
ビュー | Notionで作成したデータベースの表示方法を指します。 |
暗号化 | データの内容を他人が理解できないように別の文字列に変換することです。 |
二段階認証 | IDやパスワードの認証に追加し、メールアドレスや電話番号などを利用して認証する仕組みです。 |