Excelでは、棒グラフや円グラフだけでなく折れ線グラフを作ることができ、数値の推移を時系列順に追いたいとき非常に便利です。ただデータを表で示すよりも視覚的な要素を加えられるため、見た目やわかりやすさも追及できます。
今回は、Excelで折れ線グラフを作る方法を解説します。基本の作り方から応用的な作成法・使い方まで解説するのでご参考ください。
折れ線グラフとは?
まずは折れ線グラフの基礎を解説します。そもそも折れ線グラフとは何か、理解していきましょう。
折れ線グラフの基本的な定義と用途
折れ線グラフとは、時系列などの連続的な変化を視覚化するために使われるグラフです。基本的には横軸に時間(年月日)を、縦軸にデータ量を取ることが多く、それぞれの時点におけるデータ量を線で結んで経過を見やすくします。
つまり、線が右上がりであればデータ量が増加しており、線が右下がりであればデータ量が減少しているとわかります。折れ線の傾きから変化の大小を読み取ることもでき、データの上昇・下降やトレンドを瞬時に理解できるのが強みとされています。
折れ線グラフを使うと便利なケース
折れ線グラフは、数値の推移を見るときに便利です。主に以下のような指標の推移を可視化したいときに役立ちます。
- 売上額・経費割合
- 気温・湿度
- Webサイト訪問者数・コンバージョン数
- プロジェクトや業務の進捗割合
- 体重・身長・血糖値などヘルスデータ
- 経済指標予測
株価を示すグラフなども、折れ線グラフの応用と言えます。データの時間的変化やパターンを明確に示したいときは、折れ線グラフを活用していきましょう。
Excelで折れ線グラフを作成する手順
【1】折れ線グラフにしたいデータを選択します。
【2】「挿入」タブ内にある「グラフ」から、折れ線グラフを選択します。その他、円グラフや棒グラフなど多数のグラフデザインがあるので、目的に合ったものを選定しましょう。希望するグラフデザインをクリックすると、基本のグラフが自動生成されます。
【3】グラフタイトルは、タイトル部分のテキストボックスをダブルクリックすることで編集できます。
グラフのカスタマイズ
ここからは、折れ線グラフをカスタマイズする方法を解説します。
タイトルの追加
【1】タイトルがない状態で折れ線グラフが生成されてしまった場合、生成された折れ線グラフの横にある「+」マークをクリックします。グラフ要素を示すウインドウが開くので、「グラフタイトル」のチェックボックスを入れます。
【2】指定した元データ内にある項目名がそのままタイトルになるので、必要に応じて書き換えます。
軸ラベルの設定
【1】軸のラベルを編集したいときは、編集したい部分をダブルクリックすることで開く「軸の書式設定」からおこないます。
【2】特に最少目盛りを適切に設定すると、数値の推移が見やすくなります。
色やデザインの変更
【1】グラフをダブルクリックして現れる「グラフのデザイン」タブから、「グラフの種類の変更」をクリックします。
【2】グラフデザインが以下の通り細分化されているので、見やすいものを選択しましょう。
- 縦棒
- 折れ線
- 円
- 横棒
- 面
- 散布図
- マップ
- 株価
- 等高線
- レーダー
- ツリーマップ
- サンバースト
- ヒストグラム
- 箱ひげ図
- ウォーターフォール
- じょうご
- 組み合わせ
今回は「折れ線」に設定していますが、同じ折れ線グラフのなかにも種類が多数あるのでチェックしておきましょう。折れ線グラフの主な種類は、以下の通りです。
種類 | 説明 |
折れ線グラフ | データの変化や傾向を視覚的に示すための基本的な折れ線グラフ。 |
積み上げ折れ線グラフ | 基本的な折れ線グラフの変形。異なるデータ系列をつみあげることで、全体のトレンドと各部分の割合を示す。 |
100%積み上げ折れ線グラフ | 積み上げ折れ線グラフの変形。各データ系列の割合を時間的に追跡し、全体の構成の変化を視覚化する。 |
マーカー付きの折れ線グラフ | データポイントを示すために各折れ線上にマーカー(点)を追加した折れ線グラフ。 |
マーカー付きの積み上げ折れ線グラフ | データポイントを示すために各折れ線上にマーカー(点)を追加した積み上げ折れ線グラフ。 |
マーカー付き100%積み上げ折れ線グラフ | データポイントを示すために各折れ線上にマーカー(点)を追加した100%積み上げ折れ線グラフ。 |
最もイメージしやすいのはシンプルな折れ線グラフですが、使い方をアレンジすることでさまざまなデータをわかりやすく示せます。
応用編:複数の折れ線グラフを作成する
【1】最初に選択するデータの範囲を変更するだけで、複数のデータを同一の折れ線グラフ上に表示できます。
【2】異なる単位の指標を同一折れ線グラフ上に表示することも可能です。上記は、青線(左軸)がA店の売上を示しており、オレンジ線(右軸)が顧客数を示しています。
よくある質問
最後に、Excelの折れ線グラフに関して「よくある質問」を紹介します。
Excelで表を折れ線グラフにするには?
Excelで折れ線グラフを作る方法は、以下の通りです。
- グラフにしたいデータの範囲をドラッグで指定する
- 「挿入」タブ内にある「グラフ」から折れ線グラフを選択する
- 自動生成されたグラフに対し、必要に応じて調整や装飾をおこなう
最短2ステップで折れ線グラフを自動生成できるので、ぜひ活用していきましょう。
エクセルの折れ線グラフの凡例を編集するには?
【1】凡例を編集したいときは、凡例をダブルクリックして「凡例の書式設定」ウインドウを開きます。
【2】特によく使うのが「凡例の位置」で、折れ線グラフの右や上に凡例を設置することも可能です。
【3】「凡例をグラフに重ねずに表示する」のチェックボックスを外すことで、折れ線グラフ内に凡例を含められます。
マーカー付きの折れ線グラフとは?
マーカー付きの折れ線グラフとは、データポイントを示すために各折れ線上にマーカー(点)を追加した折れ線グラフのことです。各ポイントに丸や四角のマークがつけられるので、ピンポイントで特定時期の数値をチェックしたいときに役立ちます。
まとめ
Excelでは最短2ステップで折れ線グラフを自動生成することができ、簡単なグラフであれば自動生成したものをそのまま資料上で使えます。こだわりがあるときや細かな修正をしたいときは編集しながら使用し、目的に合ったアプローチができるよう工夫していきましょう。
なお、Excelでは折れ線グラフだけでなく円グラフや棒グラフも作成できます。用途に合ったグラフデザインを使い分けながら、複数のデータをわかりやすくひとつのグラフ上で示せるよう意識することで、資料の見やすさは各段に上がります。
Excel折れ線グラフに関しての重要用語
用語 | 説明 |
折れ線グラフ | データの変化や傾向を視覚的に示すための基本的な折れ線グラフ。 |
積み上げ折れ線グラフ | 基本的な折れ線グラフの変形。異なるデータ系列をつみあげることで、全体のトレンドと各部分の割合を示す。 |
100%積み上げ折れ線グラフ | 積み上げ折れ線グラフの変形。各データ系列の割合を時間的に追跡し、全体の構成の変化を視覚化する。 |
マーカー付きの折れ線グラフ | データポイントを示すために各折れ線上にマーカー(点)を追加した折れ線グラフ。 |
マーカー付きの積み上げ折れ線グラフ | データポイントを示すために各折れ線上にマーカー(点)を追加した積み上げ折れ線グラフ。 |
マーカー付き100%積み上げ折れ線グラフ | データポイントを示すために各折れ線上にマーカー(点)を追加した100%積み上げ折れ線グラフ。 |