Excelで「置換関数」を使うと、特定の文字列や数値を任意の内容に置き換えられます。置換機能として使えるだけでなく、同じデータを一括入力したり指定範囲内だけのデータを書き換えたりもできるので、利便性の高い機能と言えます。

この記事では、Excelのデータ整理を楽にする置換関数について解説します。面倒な手作業での修正を避け、ミスを予防するために活用しましょう。

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Excelで文字列を簡単に置き換える方法

excel 置換関数

Excelで文字列を簡単に置き換えられる関数として、「REPLACE関数」と「SUBSTITUTE関数」とが挙げられます。ここでは2つの関数の利用法を解説しながら、便利な置換法を紹介します。

REPLACE関数とSUBSTITUTE関数の基本

「REPLACE関数」とは、セル内における指定された文字数から指定された文字数までを範囲指定して置換できる関数です。SUBSTITUTE関数とは、文字列を他の文字列に置き換える関数です。

一見似ている関数ですが、REPLACE関数が置換対象の開始位置と何文字変換するかを数字で指定するのに対し、SUBSTITUTE関数は任意の文字列を指定します。どちらも置換に便利な関数なので、用途に合わせて使い分けましょう。

REPLACE関数で指定位置から文字列置換を行う

excel 置換関数

【1】プライバシー保護のため電話番号の一部を変換したい場合、もとの電話番号と置換後の情報を入力する欄を用意します。

excel 置換関数


【2】REPLACE関数を使い、電話番号の一部を「*」に変換します。「=REPLACE(C3,5,4,”****”)」で、「C3セルの左から5文字目から4桁分を*に変換する」という意味になります。

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【3】EnterキーでREPLACE関数を反映させます。同様の関数を他のセルにもコピーすると、電話番号の一部を全て置換できます。

SUBSTITUTE関数で特定の文字を一括置換する

excel 置換関数

【1】特定の文字列だけを抽出し、指定の置換文字に変換したいときはSUBSTITUTE関数が便利です。元データ、検索文字、置換文字と、結果を入力する欄(SUBSTITUTE関数を入力する欄)を作成します。

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【2】結果欄にSUBSTITUTE関数を入力します。「=SUBSTITUTE(B3,C3,D3,1)」で、「B3セルに含まれるC3の文字列をD3の内容に置き換える」という意味になります。

excel 置換関数

【3】EnterキーでSUBSTITUTE関数を反映させます。同様の関数を他のセルにもコピーすると、指定した内容にセルの文字列が置き換わります。

関連記事:知っておきたい!Excel関数で時短&効率化

Excel置換関数の便利な使い方

excel 置換関数

ここでは、Excel置換関数の便利な使い方を解説します。基本的な使い方以外も知りたいときに活用しましょう。

指定した文字列を消す

excel 置換関数

【1】置換関数を使って、指定した文字列を消すことも可能です。「=SUBSTITUTE(B3,”様”,””)」で、「B3セルに含まれる『様』の字を消す」という意味になります。「””」の部分が空白(消去)を表します。

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【2】EnterキーでSUBSTITUTE関数を反映させます。同様の関数を他のセルにもコピーすると、「様」を消すことができます。ひとつずつセルをクリックしながら「様」を消すより、効率的でミスも防げます。

名前や商品名を後から置換する

excel 置換関数

【1】置換関数を使えば、名前や商品名を自動入力・置換することも可能です。まずはひな型となる文章を用意し、シーンごとに変更したい名前や商品名の部分を「<name>」「<item>」等にしておきます。

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【2】任意の欄に、「<name>」「<item>」を置換する文字を入力します。

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【3】置換関数を使って、「<name>」「<item>」を指定の文字に置換します。「=SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(B16,”<name>”,C17),”<item>”,C18)」で、「B16に含まれている<name>をC17の文字列に、<item>をC18の文字列に置換する」という意味になります。

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【4】EnterキーでSUBSTITUTE関数を反映させます。文章内における未定の部分を後から置換するときに便利な手法であり、名簿に合わせて名前を入れ替えた文章を作り体と気にも役立ちます。

改行を削除する

excel 置換関数

【1】置換関数は、セル内の改行を削除するときにも使えます。ひとつずつ削除するのが手間なときは、元データとは別に結果を入力する欄(SUBSTITUTE関数を入力する欄)を作成して準備します。

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【2】結果欄にSUBSTITUTE関数を入力します。「=SUBSTITUTE(B3,(CHAR(10)),””)」で「B3セルにある改行を削除する」という意味になります。SUBSTITUTE関数内でCHAR関数も使われています。

CHAR関数とは、引数に指定した文字コードが表す文字を取得する関数です。「CHAR(10)」がCHAR関数における改行を表すコードであり、「CHAR(10)」を「””(空白)」に置換できます。

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【3】EnterキーでSUBSTITUTE関数を反映させます。同様の関数を他のセルにもコピーすると、改行を消すことができます。

関連記事:IF関数でエクセル作業を効率化!全手法解説

よくある質問

Excelの置換関数に関して「よくある質問」を紹介します。

Excelで文字列を置換するには?

Excelで文字列を置換するには、REPLACE関数またはSUBSTITUTE関数が便利です。

どの文字を変更したいのか明確に決まっているときは、SUBSTITUTE関数をつかいましょう。SUBSTITUTE関数は任意の文字列を指定して置換できる関数なので、セル内に含まれている特定の文字列を変更したいときに便利です。

反対に、セルごとにどの文字列を変更したいか変わる場合、REPLACE関数を使います。REPLACE関数は「セル内における何番目から何番目までの文字を置換する」と指定できる関数であり、範囲が決まっているときに役立ちます。

その他、Excelの置換機能を使って文字列を変える方法もあります。

Excelの置換機能とは?

Excelには、関数を使わずに文字列を置換できる「置換」機能が搭載されています。

excel 置換関数

【1】ショートカットキー「Ctrl」+「F」で「検索と置換」ウインドウを開きます。

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【2】「検索と置換」ウインドウは、ホームタブ内右側にある「検索と選択」から開くこともできます。

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【3】「あ」の文字を「★」に変換します。「検索する文字列」の欄に変換元の文字列である「あ」を、「置換後の文字列」に「★」を入力します。

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【4】「すべて置換」をクリックすると、シート内に含まれる全ての「あ」が「★」に置換されます。何件置換したかも小さなウインドウで表示されます。

まとめ

Excelでは置換に便利な関数を使うことができ、手作業でひとつずつ修正・変更するより効率を良くできます。特定の文字列を置換したいときはSUBSTITUTE関数、指定された文字数分を置換したいときはREPLACE関数、と使い分けるのがポイントです。

Excel置換関数に関する重要用語

用語説明
REPLACE関数セル内における指定された文字数から指定された文字数までを範囲指定して置換できる関数。置換対象の開始位置と何文字変換するかを数字で指定する。
SUBSTITUTE関数文字列を他の文字列に置き換える関数。置換対象の文字列を直接指定する。
置換機能Excelに搭載されている置換機能。「検索する文字列」と「置換後の文字列」を直接指定できる他、検索対象をシートだけでなくExcelブック全体にすることも可能。