Excelではデータ範囲で指定するだけで任意のデザインのグラフを自動生成することができ、資料作成やデータの可視化に役立ちます。ただし、自動生成するだけでは単位まで表示されないことがあり、「〇万円なのか〇千円なのかわからない」「右軸と左軸とで何の数値を表しているのか読み取れない」という可能性があるので注意しましょう。
本記事では、Excelでグラフの単位を設定・変更する方法を解説します。基本のグラフの作り方から応用まで幅広く解説するのでお役立てください。
基本のグラフ作成方法
まずは、Excelで基本のグラフを作る方法を解説します。グラフの種類問わず幅広く応用できる技術なので、初級レベルで必須の知識として押さえておきましょう。
グラフの挿入方法
【1】グラフにしたいデータを選択します。
【2】「挿入」タブ内にある「グラフ」から、グラフデザインを選択します。今回は折れ線グラフにしていますが、他にも円グラフや棒グラフなど多数のグラフデザインがあるので、目的に合ったものを選定しましょう。希望するグラフデザインをクリックすると、基本のグラフが自動生成されます。
【3】グラフタイトルは、タイトル部分のテキストボックスをダブルクリックすることで編集できます。
基本的なグラフの種類
Excelで作成できるグラフの種類は、以下の通りです。
種類 | 説明 |
縦棒 | 横軸に沿って項目が、縦軸に沿って数値が表示される棒型のグラフ。 |
折れ線 | 項目データが横軸に沿って等間隔に配置され、数値データが縦軸に沿って等間隔に配置されるグラフ。 |
円 | 1つのデータ系列における各項目について、全項目の総和に対する比率に応じたサイズで表示するグラフ。 |
横棒 | 項目を縦軸に表示し、数値を横軸に表示する横型の棒グラフ。 |
面 | 時間に関する変動をプロットし、傾向全体の合計値を強調する際に使用するグラフ。 |
散布図 | x値とy値の組み合わせを1つのデータ要素とし、それらを不規則な間隔でクラスターとして表示する図形。 |
マップ | 地理的領域全体の値を比較したり、分類項目を表示したりする際に使う地図上のグラフ。 |
株価 | ワークシートの列または行に特定の順序で配列されたデータをプロットするグラフで、株価の変動を表記する際に便利。 |
等高線 | 値が同一の範囲にある各領域を色やパターンで表す立体的なグラフ。 |
レーダー | 複数のデータ系列の集計値を比較するときに役立つグラフで、ワークシートの列または行に配列されたデータをプロットする。 |
ツリーマップ | 色と近接性によってカテゴリを表示し、他のグラフでは表現することが難しい大量のデータをまとめて表示する図形。 |
サンバースト | 階層の各レベルを1つのリング(円)で示すグラフ。 |
ヒストグラム | 分布内での頻度を示すグラフで、縦棒を変更して頻度を分析する。 |
箱ひげ図 | 平均と特異ポイントを強調するグラフ。 |
ウォーターフォール | 値の増減が示される金融データの累計を表示するグラフ。 |
じょうご | プロセス内の複数のステージ間で値を表示するグラフ。 |
組み合わせ | 「折れ線グラフと棒グラフ」など複数のデザインをひとつのグラフ上で複合的に表示するグラフ。 |
特定のグラフを作成することも、「17.組み合わせ」を使って折れ線グラフと棒グラフを同じグラフ上で作成することも可能です。用途に合っていて、かつわかりやすいと思えるものを選定しましょう。
グラフの単位を設定・変更する方法
ここでは、グラフの単位を設定・変更する方法を解説します。縦軸・横軸それぞれの設定方法を押さえましょう。
縦軸の単位を設定する方法
【1】縦軸をダブルクリックし、「軸の書式設定」ウインドウを開きます。
【2】「軸のオプション」内にある「表示単位」から希望の単位を選択する。
【3】単位が表示されるとともに、自動で桁が調整される。
【4】単位の文字列が横になっているなど見づらいときは、単位の部分をダブルクリックして「表示単位ラベルの書式設定」を開き、「ラベルオプション」→「文字列の方向」から調整する。
横軸の単位を設定する方法
【1】横軸をダブルクリックし、「軸の書式設定」ウインドウを開きます。
【2】【2】「軸のオプション」内にある「表示形式」から希望のカテゴリを選択する。
【3】選択した表示形式に合わせて表記が変更される。
データラベルを追加してさらにわかりやすく
【1】データラベルとは、グラフに表示される値や割合などを示す数値のことです。詳細な情報をわかりやすく読み取りたいときに使いやすく、折れ線グラフにおいては各時系列ごとのマーク上に具体的な数値を表記できます。
データラベルを追加したいグラフに表示される「+」マークをクリックすると、追加したい項目がリスト化されて表示されます。
【2】このなかから「データラベル」のチェックボックスを入れると、各時点における数値がデータラベルとして追加されます。
【3】設定していた単位次第では、データラベルを追加しても同じ数値になってしまうことがあります。同じ設定単位のままわかりやすいデータラベルにしたいときは、小数点以下の表示機能を使います。
作成されたデータラベルをダブルクリックすると「データラベルの書式設定」ウインドウが開くので、「カテゴリ」を「数値」に、「小数点以下の桁数」を「2」に設定します。データラベル上の数値が小数点第2位まで表示されるようになったため、マークごとの数値の違いがわかりやすくなりました。
よくある質問
最後に、Excelのグラフの単位設定に関して「よくある質問」を紹介します。
Excelのグラフの単位を変更するには?
Excelのグラフの単位を変更する方法は、以下の通りです。
- 単位を変更したい軸をダブルクリックして「軸の書式設定」ウインドウを開く
- 「軸のオプション」内にある「表示単位」から希望の単位を選択する
- 単位が表示されるとともに、自動で桁が調整される
もし単位の文字列が横になっているなど見づらいときは、単位の部分をダブルクリックして「表示単位ラベルの書式設定」を開き、「ラベルオプション」→「文字列の方向」から調整しましょう。
また、データラベルの単位がおかしいときは以下の手順で再設定します。
- データラベルを追加したいグラフに表示される「+」マークをクリックして、データラベルを表示させる
- 作成されたデータラベルをダブルクリックして「データラベルの書式設定」ウインドウが開く。
- 「データラベルの書式設定」ウインドウ内にある「カテゴリ」を「数値」に、「小数点以下の桁数」を「2(または任意の数値)」に設定する
- データラベル上の単位が変更される
単位があると、どのデータがどの程度のボリューム感なのかひとめでわかりやすくなります。
Excelの表に単位をつけるにはどうすればいいですか?
【1】グラフではなく表に単位をつけたいときは、単位をつけたいデータの部分を選択します。
【2】右クリックして「セルの書式設定」を選択します。
【3】表示させたい単位や表記に合わせて、「分類」から選択します。なお、選択できる「分類」は以下の通りです。
- 標準
- 数値
- 通貨
- 会計
- 日付
- 時刻
- パーセンテージ
- 分数
- 指数
- 文字列
- その他
- ユーザー定義
今回は売上額を示す表であるため、「通貨」の「¥」を選択します。
【4】表に「¥」マークが表示されます。今回は通貨で「¥」にしましたが、それ以外に「$」や「円」にできる他、人数を示す「人」、割合を示す「%」を追加することもできます。
まとめ
Excelでは手軽にグラフを自動生成することができ、面倒な設定もなく最短2ステップでわかりやすいグラフをまとめてくれます。ただし、細かな単位や装飾は用途に合わせて自分で設定しなくてはいけないこともあるので、今回紹介した内容を確実に押さえておきましょう。
自動生成されたグラフのまま使うのではなく、見る側の視点に立ったわかりやすい単位表記・凡例表記があれば、内容理解も一層深まります。
Excelグラフ単位に関する重要用語
用語 | 説明 |
データラベル | グラフに表示される値や割合などを示す数値のこと。 |
グラフの書式設定 | 軸、データラベル、データ系列、グラフタイトルなどグラフを構成する各種項目について個別に設定できるウインドウ。 |