Canvaでデザインをしていると、「図形にもぼかし効果をかけたい」と思うことがありますよね。
しかし、Canvaでは図形に直接ぼかしエフェクトをかけることはできません。そのため、一工夫が必要になります。
本記事では、図形を画像化してからぼかす方法や、ぼかし背景の重ね技、外部ツールの併用など、初心者でも実践しやすいテクニックを丁寧に解説しています。
Canvaで図形にぼかしはできる?できない?
Canvaでは、画像には「ぼかし」エフェクトを直接かけることができますが、図形には直接ぼかし効果を適用する機能はありません。この仕様は無料プラン・Proプランどちらでも同様で、図形そのものにエフェクト一覧が表示されず、ぼかしボタンが利用できないためです。
そのため、Canvaで図形にぼかしを加えたい場合には、少し工夫が必要になります。たとえば、図形を画像として書き出し、その画像に対してぼかしエフェクトをかけることで、擬似的に図形をぼかすことが可能です。
あるいは、ぼかし背景や半透明のオーバーレイ素材を活用することで、図形の輪郭や周囲に柔らかさを出す方法もあります。このように、「ぼかし不可」と諦めるのではなく、間接的な手法を使えば実現可能です。
Canvaの制限を理解した上で、柔軟に対応することがスムーズなデザイン制作につながります。
Canvaで図形にぼかし効果をかける基本手順
Canvaで図形にぼかしを加えたい場合、直接的なエフェクト機能がないため、図形を画像化してから加工するのが基本的な流れになります。この方法はやや手順が増えますが、初心者でも十分に実践可能です。
おおまかな流れは以下のとおりです。
- デザイン上に図形を作成し、色やサイズを調整します
- その図形だけが表示されるようにページを整えます(背景はなしでもOK)
- PNG形式などでページ全体を画像としてダウンロードします
- その画像を再びCanvaにアップロードし、挿入します
- アップロードした画像を選択すると、「編集」メニューに「ぼかし」エフェクトが表示されます
- ぼかしの強度をスライダーで調整して仕上げます
この方法を使えば、図形の色味や形を活かしながら、柔らかい印象を持たせることができます。デザインのアクセントや背景素材としても応用しやすいため、知っておくと便利です。
図形を選択する
ぼかしを適用する前提として、まず正確に「図形」を選択することが重要です。Canvaでは図形と似た見た目の素材が多数あり、実は「図形ではなく画像」や「ステッカー」として扱われていることがあります。ぼかしをかけたい場合、この区別をきちんと理解しておく必要があります。
図形を選択するには、左側の「素材」パネルを開き、「図形」カテゴリーから対象を追加します。
挿入した図形をクリックすると、上部に「塗りつぶしカラー」「サイズ」「配置」などの編集項目が表示されます。このような素材がCanvaでいう「図形」として扱われています。
ただし、ここで選んだ図形には直接「ぼかし」をかけることができません。あくまでも、後から画像として変換し、別の手段でエフェクトを適用する必要があります。
まずは図形を正しく認識・選択することで、後工程の処理がスムーズになります。
透過性を調整する
Canvaでは図形に直接ぼかしエフェクトをかけることはできませんが、透過性を調整することで視覚的に“ぼかしたような印象”を作ることが可能です。特に背景に馴染ませたいときや、柔らかなデザインを演出したいときに有効なテクニックです。
操作はとても簡単で、以下の手順で行えます。
- 対象の図形をクリックして選択します
- 上部のツールバーにある「透明度」(水玉模様のアイコン)をクリックします
- スライダーで数値を調整し、希望の薄さに設定します
透過性を下げることで、背景がうっすら透けて見えるため、図形の輪郭が和らぎ、ぼかしに似た視覚効果を生み出せます。ただし、本物のぼかしとは異なり、形状の縁が完全にぼやけるわけではないので、用途に応じて使い分けることが重要です。
透過+重ねがけによるアレンジも可能で、組み合わせ次第で多彩な表現ができます。
画像化してから「ぼかし」エフェクトをかける裏技
Canvaで図形にぼかしをかける際、最も確実で視覚的に美しい仕上がりを得たい場合は、図形を画像化してから「ぼかし」エフェクトを適用する方法がおすすめです。これは公式には図形へのぼかし機能がないことを逆手に取った裏技的アプローチです。
手順は以下の通りです。
- まず、ぼかしたい図形を1ページの中央に配置します
- 背景を透明に設定し、そのページのみをPNG(背景透過)で書き出します(Pro限定)
- 書き出した画像を再度Canvaにアップロードし、デザインに挿入します
- 挿入した画像をクリックし、「画像を編集」→「ぼかし」からエフェクトを適用します
- スライダーでぼかし具合を調整すれば完成です
この方法を使えば、図形の輪郭をソフトにぼかしながら、視認性やデザインのバランスを整えることができます。背景に馴染ませるときや、奥行きを演出したいときにも効果的です。Canva Proを利用していれば透過保存も可能なので、表現の幅がさらに広がります。
Canvaで図形に直接ぼかしができないときの代替案
Canvaでは図形に直接ぼかしエフェクトをかける機能が用意されていないため、代替案としていくつかの方法を活用する必要があります。工夫次第で、ぼかしのような柔らかい表現を実現することは十分可能です。
画像としてエクスポート→再インポート
図形にぼかし効果を加えたいとき、Canvaで直接ぼかすことはできませんが、画像として一度エクスポートしてから再インポートする方法で対処できます。これは最も手軽で効果の高い代替手段のひとつです。
操作手順は以下の通りです。
- デザイン内に配置した図形を、1ページにまとめて配置します
- 背景を白または透明に設定します(透明にしたい場合はCanva Proが必要です)
- PNG形式でページ全体をダウンロードします
- ダウンロードした画像を再度Canvaにアップロードして挿入します
- 挿入画像をクリックし、「画像を編集」→「ぼかし」エフェクトを使用します
この方法のメリットは、画像として扱うことで、Canvaのエフェクト機能をそのまま活用できる点です。スライダーを使ってぼかし具合を自由に調整できるため、意図した見た目に仕上げやすくなります。
少し手順は増えますが、完成度の高いデザインを目指すなら非常に有効な方法です。
ぼかし背景を重ねる手法
図形自体にぼかしをかけられない場合でも、ぼかし加工された背景や半透明のレイヤーを上手に重ねることで、擬似的にぼかし効果を演出する方法があります。この方法は無料プランでも実行できるため、手軽で応用範囲も広いのが特長です。
例えば、以下のような素材を重ねることで自然なぼかし表現を作ることができます。
- 「背景」タブから「ぼかし」や「グラデーション」と検索して表示される素材
- 透過性を調整した白や黒の図形を、対象の図形の上に重ねる
- Canva内の写真やテクスチャ素材をぼかして背景として配置する
このように、図形そのものではなく周囲や背景にぼかしを加えることで、全体の印象を柔らかく見せることが可能です。
特に、文字や写真の後ろに図形を置いている場合、背景側をぼかすことで視線を誘導しつつ、デザイン全体の調和も高まります。
外部ツール(例:PhotopeaやFotor)との併用
Canvaだけでは表現に限界を感じたとき、外部のグラフィックツールを併用することも非常に有効な選択肢です。特にぼかし効果に関しては、PhotopeaやFotorなどの無料ツールを活用することで、より自由度の高いデザインが可能になります。
Photopeaはブラウザで使えるPhotoshop風の高機能エディタで、ぼかしの種類も複数から選べます。図形を画像としてエクスポートし、Photopeaで読み込んで「ガウスぼかし」などを適用することで、精密な仕上がりが得られます。
Fotorは初心者向けの画像編集ツールで、操作も直感的です。アップロード後にワンクリックでぼかし加工ができるため、Canvaに慣れている人でもすぐに使いこなせます。
完成した画像は再びCanvaにインポートして、他の素材と組み合わせて使用できます。このようにCanva+外部ツールという組み合わせによって、無料でも表現の幅を大きく広げることが可能です。
有料プラン(Canva Pro)を活用したぼかし機能の拡張
Canvaの無料プランでは、画像にぼかしをかける機能は一部制限されていますが、有料プランであるCanva Proを利用すると、より柔軟かつ高度なぼかし表現が可能になります。
Pro限定のぼかしエフェクトの紹介
Canva Proでは、無料プランでは使用できない限定のぼかしエフェクトがいくつか提供されています。これらを活用することで、デザインに奥行きや柔らかさを加えたいときにとても効果的です。とくに背景画像や図形を画像化した後に使うと、印象的なビジュアルに仕上がります。
代表的なPro限定エフェクトには以下のようなものがあります。
- オートぼかし(Auto Blur):人物や被写体の背景を自動的にぼかすAI機能
- ヴィネット(Vignette):中心を強調し周囲を自然にぼかす効果
- フォーカスぼかし:指定範囲にピントを当て、それ以外をぼかす機能
これらのエフェクトは写真に対しての機能ですが、図形を一度画像として保存し直すことで応用できます。
たとえば、丸形の図形を画像に変換してヴィネットを使うと、中央を強調したアート風の表現になります。
Pro限定のこれらのエフェクトは、表現力の幅を一気に広げてくれる頼もしい機能です。
自作図形+ぼかしエフェクトの裏技
Canvaで図形をぼかしたい場合、通常の図形オブジェクトに直接エフェクトをかけることはできませんが、自作の図形を画像として書き出し、その画像にぼかしをかけることで擬似的にぼかし効果を実現する裏技があります。特にProプランを利用している場合、この手法の自由度は大きく高まります。
手順は以下の通りです。
- 任意の図形を組み合わせて、独自の形を作成します
- その図形だけを表示するページを用意し、背景を透明に設定します
- PNG形式(背景透過)で画像として書き出します(Pro限定機能)
- 書き出した画像を再インポートし、画像編集から「ぼかし」エフェクトを適用します
この方法を使えば、Canva上では再現できなかった「ぼかし図形」や「ぼやけたライン」などの特殊効果も簡単に表現できるようになります。透明背景を活用することで、ほかのデザインとの重ね合わせもしやすく、デザインの完成度を高められます。
関連記事:【初心者向け】Canvaで画像を丸く切り抜く方法|スマホ・PC別にやり方を解説
まとめ
Canvaでは図形そのものにぼかしエフェクトを直接かけることはできませんが、画像化やエフェクト機能を活用することで、代替的にぼかし表現を実現する方法が多数存在します。無料プランでも工夫次第である程度の加工は可能ですが、Proプランを使えばより自然で多彩なぼかし効果を使いこなすことができます。
とくに以下の点がポイントになります。
- 図形をPNGで書き出し、再インポートして画像化
- 透過性の調整やぼかし背景の重ね使いで視覚効果を出す
- Pro限定の画像エフェクトで仕上げを高度化
これらを組み合わせることで、Canvaでも本格的なデザイン表現が可能になります。ぼかし表現を活用することで、デザインに奥行きややわらかさが加わり、視認性や印象もアップします。知っているかどうかで仕上がりに差が出るテクニックなので、ぜひ積極的に活用してみてください。
Canvaの図形に関する重要用語
用語 | 概要 |
透過性 | 図形や画像の透明度を調整する機能のこと |
PNG形式 | 高画質かつ背景透過が可能な画像フォーマットのこと |
再インポート | エクスポート(書き出し)した素材を再度読み込んで利用すること |