プルダウンとは、あらかじめ決められた内容をリスト化し、選択できるようにすることです。シートによっては複数のプルダウンを使っているケースもあります。
しかし、それぞれが連動していないと選択するだけで手間がかかります。そこで、プルダウン同士を連動させることで、1つのプルダウンを選ぶだけで他のプルダウンも自動的にリストを表示することが可能です。
本記事では、スプレッドシートのプルダウン連動について詳しく説明していきますので参考にしてみてください。
スプレッドシートのプルダウンを連動させる意味とは?
スプレッドシートのプルダウンは、すでに決まっている項目を設定することで、毎回入力する必要がなくなります。さらに、複数のプルダウンがある場合は連動させていないと項目を選ぶのに手間がかかったり、間違えて選んだりする可能性があります。
しかし、プルダウンを連動させることによって、設定した内容が自動的に表示されるので手間やミスを減らすことが可能です。
プルダウンの連動で使用する2つの関数
プルダウンの連動で使用するのは次の2つの関数です。
- VLOOKUP関数
- IFERROR関数
ここでは、それぞれの詳しい内容を解説します。
1.VLOOKUP関数
VLLOKUP関数とは、Googleドキュメントエディタヘルプで次のように説明しています。
垂直方向の検索。 範囲の 1 列目で指定したキーを垂直方向に検索し、同じ行内にある指定したセルの値を返します。
【使用例】
- VLOOKUP(10003, A2:B26, 2, FALSE)
【構文】
- VLOOKUP(検索キー, 範囲, 番号, [並べ替え済み])」
引用:VLOOKUP(Google ドキュメントエディタヘルプ)
2.IFERROR関数
IFERROR関数はVLLOKUPと同じ働きをするものの、横方向の検索結果にあわせてセルの値を返します。
【使用例】
- IFERROR(A1,”セル A1 にエラーがあります”)
- IFERROR(A2)
【構文】
- IFERROR(値, [エラー値])」
引用:IFERROR(Google ドキュメントエディタヘルプ)
スプレッドシートで複数のプルダウンを連動させる方法
スプレッドシートで複数のプルダウンを連動させるには次のような7つの手順が必要です。
- 連動させる項目を決める
- プルダウンリストを連動させるためのシートを作成する
- 優先度が高いプルダウンリストを作成する
- 連動に使う関数を理解する
- プルダウンリストを作ったセルを参照する
- 関数を入力する
- 連動したプルダウンリストを作成する
それぞれについて説明していきます。
1.連動させる項目を決める
まずは、連動させる項目を決めます。ここでは店舗と扱う商品を連動させます。
例えば、AからHの店舗があり、それぞれ扱う商品が異なるとしましょう。Aを選ぶと扱っている商品だけが表示されるイメージです。
ここでのポイントは、操作閲覧用とデータリストの2つのシートを使う点です。データリストの内容は変化させず、選ぶデータリストにあわせて操作閲覧用シートの内容が変化する形です。
2.プルダウンリストを連動させるためのシートを作成する
データベースは次のようにそれぞれの店舗で扱う商品をリストアップしました。表を一部加工していますが、プルダウンの連動には影響ありません。
表のようにA列には店舗の選択肢が並んでいます。もし、データが増える可能性がある場合はスペースを空けておくことをおすすめします。
後ほどこのデータベースのシートに関数を追加するので、スペースを空けておいてください。この表の真下にくるイメージです。
3.優先度が高いプルダウンリストを作成する
次に、優先度が高いプルダウンリストを作成していきます。B13のセルにプルダウンを選べるように設定します。
セル範囲ですが、ここではシート1(連動させる項目)の「A2〜A9」を選択します。条件はリストを範囲で指定とし店舗リストのある「A2〜A9」を選びます。セルにプルダウンリストを表示にチェックをいれてください。
このようにA列のプルダウンができました。
A2のセルをしたにドラッグすれば、設定したプルダウンがコピーされます。
4.連動に使う関数を理解する
スプレッドシートプルダウンを連動するにあたり、関数の理解が重要になります。ここで使うのは、「VLOOKUP」と「IFERROR」の2つの関数です。
IFERROR関数はエラーがない関数はそのまま表示して、もしエラーがある場合は指定の内容を返す関数です。例えば「=IFERROR(値A,”値B”)」と入力した場合はエラーなら値B、エラー出なければ値Aが表示されます。
今回はVLOOKUP関数も使うのですが、VLOOKUP関数が値Aになります。また、エラーの場合は何も表示をしないので「=IFERROR(VLOOKUP(VLOOKUPの内容),””)」と入力してください。
VLOOKUP関数に関しては、=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索の型)が基本形となります。
次の表のように、Aなら白、Bなら黒と決まっているとします。そこでA1にAと入力しただけで、B1に白と自動的に反映させるのがVLOOKUPです。
B2に次のように関数を入力して、A1にAと入力したら白と自動的に表示されました。
「AI」そして「A5からB9」の範囲を選択肢し、完全に一致をする意味があるFALSEを入力します。ここでの「2」は列番号であり、範囲の中の何行目であるかを示します。
5.プルダウンリストを作ったセルを参照する
リストのシートにあるA1に、すでにプルダウンリスト作ったデータベースのB13を参照します。
データベースのB13でAを選ぶと、自動的にAと表示されます。参照方法ですが、=のあとに参照したい場所を選んでクリックするだけです。手入力する必要はありません。
6.関数を入力する
ここで、いよいよVLOOKUPとIFERRORを使った関数を入力しましょう。リストのシートに次のように関数を入れます。ここではデータベースにある最初のリストが表示されます。
C1やD1も同じように入力していきます。上のFALSEの前が2から3に代わるだけ(D1に入力する時は4になります。)
7.連動したプルダウンリストを作成する
次に、連動するプルダウンリストを作成します。下の図の「赤〇」の部分をクリックして「データ→データの入力規則」と進みます。
データの範囲はB1からF1となります。
以上でプルダウンリストの連動が完成しました。
スプレッドシートのプルダウンリストを解除する方法
スプレッドシートのプルダウンリストを解除する場合は、削除したいセルを選んでデータ→データに入力規制と進んで入力規則を削除します。
なお、スプレッドシートに関するさまざまな情報を発信しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。