Excelには関数機能が搭載されており、膨大な数値・データを使った計算をする際に役立ちます。
とはいえ、「関数の設定は難しそう」というイメージが先行し、なかなか使いこなせていない方も多いのではないでしょうか。そんなときは、仕事で特に役立つ代表的な関数だけでも学び、徐々に慣れていくのがおすすめです。
【仕事に役立つ初歩的な関数の一例】
- 数値の合計をしたいときに「SUM関数」
- 異常値を見つけたいときに「MAX関数」「MIN関数」
- 特定のキーワードについて抽出したいときに「VLOOKUP関数」
この記事では、Excel上で使える関数について紹介します。
Excelの関数とは
Excelの関数とは、決められた数式に基づいて計算を瞬時に完了させるためのプログラムです。あらかじめExcel上に登録されているので面倒な手入力を要することがなく、プログラミングなど専門的な知識がなくても使えます。
足し・引き・割り・掛け算など基本的な計算はもちろん、検索・置換・抽出などもできるので、便利な機能と言えるでしょう。関数が使えるだけでグッとできることが増えるので、多くのビジネスマンが活用しています。
Excelの関数を使うべき理由
「わざわざExcelの関数を使わなくても、手計算でミスさえしなければ事足りるのでは?」と感じるかもしれません。しかし、関数を確実に使いこなすことができれば、ミスの予防や業務効率化につながります。
下記では、代表的なメリットについて解説します。
業務を効率化できる
Excelの関数は、業務効率化と相性が抜群です。数値をひとつずつ手入力で計算せずとも最終的な値が出るので、電卓を叩く時間がかかりません。また、膨大な数字データを照らし合わせたり、ミスを目視で確認したりする手間も省けます。
データ作成にかかる手間を削減できれば、その分他の業務がはかどります。残業の抑制もしやすく、ワークライフバランスも取りやすくなるでしょう。
正確に計算できる
関数の設定さえ間違えなければ、ミスなく確実な計算ができます。電卓を使って手計算することもできますが、どんなに慣れた人にもヒューマンエラーのリスクは伴います。ミスに気づかず進めてしまうと大きなズレが生じるだけでなく、後々の修正にも手間と時間がかかるので注意しましょう。
一方、Excelの関数を使えばコンピューターが自動計算してくれるので、ミスが生じません。確実な計算をしたいときにこそ、関数を使うべきなのです。
公式・定義・計算式を覚えていなくても使える
Excelの関数はあらかじめExcel上にインポートされているので、公式・定義・計算式を覚えていなくても使えます。面倒で複雑な計算も、Excelに任せれば瞬時に終わるのです。毎回計算式を検索したり、人に聞いたりする手間もありません。
やり方に慣れてしまいさえすればボタンひとつで簡単に関数の設定ができるので、ぜひ試してみましょう。
仕事に役立つExcelの関数3選
ここでは、実際に仕事で役立つExcelの関数を紹介します。
関数は、目的に応じて使い分けることが大切。ここではよく使う関数をキャプションつきでピックアップしているので、チェックしてみましょう。
SUM関数|数値を合計したいとき
数値を合計したいときに使うのが、SUM関数です。最もオーソドックスな関数なので、Excel上でクイックアクセスできるよう、あらかじめボタンが設置されています。
【1】ホームタブ右端にある「Σ」のボタンを1度クリックするだけでSUM関数が展開されるので、合計値を入力したいセルを選択してクリックしてみましょう。
【2】「Σ」ボタンをクリックすると、「=SUM( )」と入力されます。これがSUM関数のベースであり、手入力することでも起動します。
今回はA列に入力されている値を全て合計したいので「A:A」と入力しました。ドラッグで該当セルを選択する方式でも問題ありません。
【3】エンターキーを押すと、合計値が表示されます。なお、「Σ」ボタンには「平均」「数値の個数」「最大値」「最小値」も含まれているので、併せて使うことも可能です。
MAX関数・MIN関数|異常値を見つけたいとき
対象セル範囲内で異常値を見つけたいときは、MAX関数・MIN関数を利用します。前項と同じく「Σ」タブに入っているので、ワンクリックで設定できます。
【1】「Σ」タブ内における「最大値」「最小値」から設定しましょう。
【2】合計値の下に最大値の関数である「=MAX( )」が入力されます。対象の範囲(今回はA:A)を入力し、エンターキーを押せば完了です。
【3】同様に、最小値を検索したいときは「=MIN( )」で対応できます。
なお、このやり方は「うちでは1万円以下の商品を扱っていないのに売上に500円と入力されている」など、明らかな異常を見つける際に便利です。また、期日内における最高売上をすぐに可視化できる方法でもあるので、上手に活用しましょう。
VLOOKUP関数|特定のキーワードについて抽出したいとき
VLOOKUP関数は、特定のキーワードと合致する内容を別のデータから抽出したいときに便利です。今回は、従業員名簿に給与情報を追加したいときを想定して試してみましょう。
左の社員名簿に、右のデータを参考にしながら給与情報を追加したいときは、VLOOKUPを使います。社員名の順番がバラバラなので従来であればひとつずつ目視で入力していましたが、社員数が膨大だとミスも起きやすいので、関数を使いましょう。
【1】まずは値を入力したいセルをクリックし、「=VLOOKUP( )」と入力します。
【2】検索したい特定のキーワード部分のセルをクリックし、「,」で区切ります。(今回は社員名がベースとなるため、A2を入力)
【3】元情報である参照元のセルをクリックします。範囲が広いときはドラッグで広範囲を指定します。
今回の場合、「=VLOOKUP(A2,E2:F9,2)」と入力しました。「E2からF9の範囲でA2と合致するセルの2列右の情報を抽出する」という意味です。
【4】【3】内で【2】の情報と合致するデータのうち、右に何列目の情報を抽出したいかを選択します。(今回は社員名からみて2列目の情報を抽出したいので、2を入力)
【5】エンターキーを押すと、該当の数値が抽出されます。
【6】同じ数式をドラッグしながらコピーしていけば、全員分の数値を抽出できます。
ただし、表記ブレがあると正しくデータを抽出できないので注意しましょう。人名の場合は「渡辺」「渡邊」「渡邉」など旧漢字の違いがよくみられます。他にも「1ヶ月」「1カ月」「1ヵ月」、「東京」「東京都」などの表記ブレも抽出できません。
よく使うキーワードはあらかじめプルダウン設定しておくなど対策し、表記ブレが起こらないにするのも大切です。
関連記事:【2023年最新】Excelのプルダウンを設定する方法!表記ブレや入力ミス予防に最適 | OneChat Blog
まとめ
「面倒な計算はExcelに丸任せしたい!」というときは、関数を利用するのがポイントです。面倒な手計算を省きつつ、効率アップとミスの予防に役立つので取り入れてみましょう。関数の種類は多いので、基本的な設定に慣れることができたら、今後は便利な関数を探してみるのもおすすめです。
なお、当サイトではExcelの便利な使い方に関する情報を発信しています。ぜひ参考にしてみてください。