LEFT関数とは、文字列の先頭から文字数を指定して取り出す関数です。文字列操作に使いやすい関数であり、わかりやすくシンプルな構文になっているので、活用の幅も広いのが特徴です。
本記事では、Excelで使用頻度の高いLEFT関数について解説します。便利な使い方をマスターし、効率アップに役立てましょう。
LEFT関数の実例
LEFT関数は、「=LEFT(文字列,文字数)」の構文で示します。
「文字列」では文字列が入力されたセルを指定し、「文字数」では取り出す文字数を数値またはセルで指定します。
「=LEFT(A2,3)」でA2セルの先頭(左)から3文字分を抜き出す、という意味になります。結果、先頭から3文字分である「長崎県」が抜き出されています。
LEFT関数 + FIND関数: 特定の文字までの文字列を抽出
【1】都道府県のみを抽出したい場合、FIND関数とLEFT関数を組み合わせます。FIND関数とは、指定された文字列を他の文字列の中で検索し、その文字列が最初に現れる位置を左端から数え、その番号を返す関数です。「見つけ出す」という意味である「FIND」が使われている通り、大量のデータから特定の文字を見つけたいときに便利です。
「=FIND(検索文字列,対象,開始位置)」の構文で示すことができ、今回は「=FIND(“県”,A2,1)」と入力します。これにより、「A2セルの1文字目からカウントして何文字目に県の文字があるか」と問う意味になります。
【2】EnterキーFIND関数を反映させると、B2セルには「3」入力されます。「長崎県」の3文字目に「県」があると判断できます。同様のFIND関数を他のセルにも適用することで、セルごとの「県」の位置を特定できます。
【3】住所データから都道府県を抽出する場合、「県」の位置を示したセルの隣に、「都道府県名」を示すセルを作成します。
【4】「=LEFT(A2,B2)」と入力し、A2セルの先頭3文字分を抜き出します。
【5】同様の関数をコピー&ペーストすることで、各セルの都道府県情報部分のみ抜き出せます。
LEFT関数と他の関数の違い
ここでは、LEFT関数と役割が似ている関数を紹介します。混同して使わないよう、用途に合った関数を使いましょう。
文字列抽出関数の使い分け
用語 | 説明 | どこから抽出する | どこまで抽出する | 何を抽出する |
LEFT関数 | 文字列の先頭から文字数を指定して取り出す関数。 | 文字列の先頭から | 指定した文字数分だけ | 文字列 |
RIGHT関数 | 文字列の右から文字数を指定して取り出す関数。 | 文字列の右(終わり)から | 指定した文字数分だけ | 文字列 |
MID関数 | 文字列における指定した位置から指定した文字数分だけ切り出す関数。 | 指定した位置から | 指定した位置まで | 文字列 |
LEN関数 | 指定したセル内の文字数をカウントする関数。 | 指定したセルから | 指定したセルまで | 全体の文字数 |
FIND関数 | 指定された文字列を他の文字列の中で検索し、その文字列が最初に現れる位置を左端から数え、その番号を返す関数。 | 指定条件に合致する部分から | 指定条件に合致する部分まで | 指定した位置からの文字数 |
指定した文字数分の文字列だけを正確に抽出する関数もあれば、文字数そのものをカウントして抽出する関数まで、内容はさまざまです。用途に合わせて使い分けることが大切です。
RIGHT関数との違い
RIGHT関数とは、文字列の右から文字数を指定して取り出す関数です。「右から何文字分を抜き出す」という作業ができます。「=RIGHT(文字列,文字数)」で示すことができ、「文字列」では文字列が入力されたセルを指定し、「文字数」では取り出す文字数を数値またはセルで指定します。
「=RIGHT(A3,4)」でA3セルの右から4文字分を抜き出す、という意味になります。結果、先頭から4文字分である「各務原市」が抜き出されています。LEFT関数は文字列の先頭から、RIGHT関数は文字列の右端から、それぞれ指定した文字数分を切り出す関数として活用できます。
MID関数との違い
MID関数とは、文字列における指定した位置から指定した文字数分だけ切り出す関数です。「先頭3文字目から2文字分を抜き出す」など柔軟な使い方ができます。「=MID(文字列, 開始位置, 文字数)」で示すことができ、「文字列」では取り出す文字(または文字列)を、「開始位置」では文字列から取り出す先頭文字の位置を、「文字数」では取り出す文字数を指定します。
「=MID(A4,1,4)」でA4セルの左から1文字目を起点に4文字分を抜き出す、という意味になります。結果、1文字目から4文字分である「神奈川県」が抜き出されています。
一方、LEFT関数はあくまでもセルの先頭から指定文字数分を抜き出す関数であり、セルの半ばから文字数の抽出を始めることができません。起点となる位置を変えたいときはMIDを関数を、左端を起点としたいときはLEFT関数を、と使い分けましょう。
LEN関数との違い
LEN関数とは、指定したセル内の文字数をカウントする関数です。指定したセルの文字数をカウントできるので、テキストのボリュームを知りたいときに役立ちます。「LEN(文字列)」で示すことができ、「文字列」には文字数を知りたいセルを指定します。
「=LEN(A5)」でA5セルの文字数をカウントする、という意味になります。「鹿児島県 薩摩川内市」が合計10文字であるため、関数を反映させると「10」と表示されます。
LEN関数は文字数をカウントする関数であり、LEFT関数は指定した文字数分を左端から抽出する関数です。抽出する内容が異なるので、使い分けに注意しましょう。
よくある質問
Excelで使うLEFT関数に関して「よくある質問」を紹介します。
ExcelのLEFT関数とRIGHT関数の違いは何ですか?
LEFT関数とRIGHT関数はどちらも文字列を処理する際に使用される関数ですが、それぞれ異なる機能を持っています。
LEFT関数は、指定された文字列の左端から指定された数の文字を抽出します。RIGHT関数は、指定された文字列の右端から指定された数の文字を抽出します。つまり、右端と左端どちらを起点に指定文字数分を切り出すか、という点で異なります。
構文はほとんど同じであり、「=LEFT(文字列,文字数)」と「=RIGHT(文字列,文字数)」で表せます。
ExcelのLeft関数とは?
LEFT関数とは、文字列の先頭から文字数を指定して取り出す関数です。「=LEFT(文字列,文字数)」で示すシンプルな構文なので使いやすく、セルの左端を起点として文字列を抽出したいときに便利です。
まとめ
LEFT関数はセルの左端から指定した文字数分だけ文字列を抽出したいときに便利な関数です。似た関数としてRIGHT関数が、併用しやすい関数としてFIND関数やMID関数が挙げられるので、抽出できる内容の違いに着目しながら使い分けましょう。
複数の関数を使い分けるなど工夫すれば、業務効率や生産性の向上にも貢献します。
Excel Left関数に関する重要用語
用語 | 説明 |
LEFT関数 | 文字列の先頭から文字数を指定して取り出す関数。 |
FIND関数 | 指定された文字列を他の文字列の中で検索し、その文字列が最初に現れる位置を左端から数え、その番号を返す関数。 |
RIGHT関数 | 文字列の右から文字数を指定して取り出す関数。 |
MID関数 | 文字列における指定した位置から指定した文字数分だけ切り出す関数。 |
LEN関数 | 指定したセル内の文字数をカウントする関数。 |