Excelでは数ステップで棒グラフを作成できます。縦方向の棒グラフも、横方向の棒グラフも作成できるので、用途に合わせて使い分けましょう。Excel上の表でデータを示すよりグラフにした方が数値の変化を可視化でき、分析やプレゼンテーションに役立つことも多いです。
今回は、5分でできるExcel棒グラフ作成法を紹介します。棒グラフの種類や複数のデータセットを活用して作成する応用例にも触れるので、日常業務でぜひお役立てください。
棒グラフとは
棒グラフとは、データの比較や分布を視覚的に表現するグラフの一種です。カテゴリごとのデータ値を棒の長さで示すのが特徴で、異なるカテゴリ間の比較をしやすくするために使われます。
X軸(横軸)には、主にデータのカテゴリーが配置されます。例えば「年月日」「地域」「商品カテゴリ」などが挙げられます。Y軸(縦軸)には、データの値や数値が配置されます。Y軸のスケールはデータの範囲によって設定されることが多く、X軸とY軸を入れ替えると横棒グラフとして活用できます。
棒グラフの主な種類は、以下の通りです。
種類 | 説明 |
縦(横)棒グラフ | 多店舗との売上比較や地域の人口推移などを知りたいときに使われるグラフ。縦(横)に伸びる一本の棒にひとつの要素を当てはめる。 |
積み上げ縦(横)棒グラフ | 店舗の売上の内訳や地域の人口推移の内訳を知りたい時に使われるグラフ。一本のグラフに複数の要素が含まれており、棒グラフの色によって要素を分けることが多い。 |
100%積み上げ棒(横)グラフ | 業界のシェア率や年齢のシェア率などを知りたい時に使われるグラフ。グラフの最大値を100と定めて使用する。 |
最もイメージしやすいのはシンプルな縦(横)棒グラフですが、使い方をアレンジすることでさまざまなデータをわかりやすく示せます。
Excelで棒グラフを作成する手順
【1】棒グラフにしたいデータを選択します。
【2】「挿入」タブ内にある「グラフ」から、棒グラフを選択します。その他、円グラフや棒グラフなど多数のグラフデザインがあるので、目的に合ったものを選定しましょう。希望するグラフデザインをクリックすると、基本のグラフが自動生成されます。
【3】グラフタイトルは、タイトル部分のテキストボックスをダブルクリックすることで編集できます。
棒グラフのカスタマイズ
ここからは、棒グラフをカスタマイズする方法を解説します。
タイトルの追加
【1】タイトルがない状態で棒グラフが生成されてしまった場合、生成された棒グラフの横にある「+」マークをクリックします。グラフ要素を示すウインドウが開くので、「グラフタイトル」のチェックボックスを入れます。
【2】指定した元データ内にある項目名がそのままタイトルになるので、必要に応じて書き換えます。
軸ラベルの設定
【1】軸のラベルを編集したいときは、編集したい部分をダブルクリックすることで開く「軸の書式設定」からおこないます。
【2】特に最少目盛りを適切に設定すると、数値の推移が見やすくなります。
色やデザインの変更
【1】グラフをダブルクリックして現れる「グラフのデザイン」タブから、「グラフの種類の変更」をクリックします。
【2】グラフデザインが以下の通り細分化されているので、見やすいものを選択しましょう。
- 縦棒
- 折れ線
- 円
- 横棒
- 面
- 散布図
- マップ
- 株価
- 等高線
- レーダー
- ツリーマップ
- サンバースト
- ヒストグラム
- 箱ひげ図
- ウォーターフォール
- じょうご
- 組み合わせ
今回は「縦棒」に設定していますが、「横棒」にすれば横軸の棒グラフが表示されます。
【3】その他に特によく使うのが、「図形のスタイル」です。自社のイメージカラーに合わせたカラーリングにしたいときや、塗りつぶし・枠線の太さ・図形の効果などを変更したいときに活用しましょう。
ラベルのテキストの変更
【1】軸ラベルのテキストを変更するときは、元データのセルを直接編集するだけで完了します。元データの表記を「1月」から「2024年1月」に変更するだけで、グラフ上の軸ラベルも「2024年1月」に変更されています。
【2】同様に、売上のデータを変更すればグラフ上のデータも変わります。目盛りの幅は自動で最適なものに変更してもらえるので、特別なこだわりがなければ自動生成で問題ありません。
棒グラフの応用例
ここからは、棒グラフの応用例を紹介します。複数のグラフと組み合わせたり、作成したグラフを図として保存して他のドキュメントで使ったりできるよう、アレンジを加えていきましょう。
複数データセットを使用した棒グラフの作成
【1】同じ指標内における割合を示したいときは、複数項目を含めた棒グラフにするのが便利です。全体に示す割合がわかるので、この他にも男女比率やエリア比率などを示すときに役立ちます。
【2】ひとつの資料内に2つのグラフを作成することも可能です。関連性があるものの、指標が全く異なるデータを別枠で示したいときはこちらを活用しましょう。
【3】グラフを立体化することも可能です。シンプルでわかりやすいデザインにするよりも、見た目のインパクトや目立つレイアウトを重視したいときに役立ちます。
【4】棒グラフと折れ線グラフを組み合わせ、異なるグラフスタイルをひとつの資料上に作成することも可能です。単位の異なるデータを使いたいときは特に2軸グラフが便利なので活用していきましょう。
棒グラフの保存と共有方法
【1】作成した棒グラフを保存したいときは、グラフ上で右クリックをして「テンプレートとして保存」を選択します。
よくある質問
最後に、Excelの棒グラフに関して「よくある質問」を紹介します。
Excelで縦棒グラフを作るには?
Excelで縦棒グラフを作る方法は、以下の通りです。
- グラフにしたいデータの範囲をドラッグで指定する
- 「挿入」タブ内にある「グラフ」から縦棒グラフを選択する
- 自動生成されたグラフに対し、必要に応じて調整や装飾をおこなう
最短2ステップで棒グラフを自動生成できるので、ぜひ活用していきましょう。
Excelで横棒グラフを作成するには?
Excelで横棒グラフを作る方法も、基本的に縦棒グラフ作成と大きな違いはありません。
- グラフにしたいデータの範囲をドラッグで指定する
- 「挿入」タブ内にある「グラフ」から横棒グラフを選択する
- 自動生成されたグラフに対し、必要に応じて調整や装飾をおこなう
同じ横棒グラフでもさまざまな形状があるので試してみましょう。
まとめ
Excelでは最短2ステップで棒グラフを自動生成することができ、簡単なグラフであればデータの用意も含めて5分程度で完結します。縦棒グラフや横棒グラフの他、他デザインのグラフと組み合わせて棒グラフ入りの2軸グラフも作れます。
グラフなどの図表があれば、ただデータを示すより視覚的なアプローチがしやすくなります。普段の資料作成やプレゼンテーション準備時は、大いに役立てていきましょう。
Excel棒グラフに関する重要用語
用語 | 説明 |
グラフデザイン | 横棒・縦棒・円・折れ線…などグラフのデザイン(種類)を示す言葉。Excelでは17種類のグラフを自動生成できる。 |
組み合わせ | 「棒グラフと折れ線グラフを合わせてひとつのグラフにする」など、グラフデザインにおける複数のグラフデザインを併用する手法を指す言葉。 |