Googleスプレッドシートでは、セル内で改行することが可能です。ひとつのセルに長い文章を入力するとき、改行しない状態だと読みづらくなってしまいます。定期的に改行したり空白行を挟んだりすると内容がまとまって見えるため、活用してみましょう。
この記事では、Googleスプレッドシートでセル内改行するテクニックを紹介します。
セル内改行の基本操作とショートカット
まずは、Googleスプレッドシートでセル内改行するときの基本操作を解説します。便利に使えるショートカットも紹介するので、セル内改行に慣れてきたら活用しましょう。
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Alt+Enterでセル内改行の方法
【1】通常の場合、セルの横幅に合わせて自動で改行されます。文章のまとまりごとに改行を追加したいときは、改行したい場所で「Alt」+「Enter」を使います。
【2】文章ごとに改行すれば、1文ずつ区切って読みやすくなります。
【3】同じ場所で2回「Alt」+「Enter」をすると、改行に加えて空白行が挿入されます。文章のまとまりごとに段落を分けたいときに活用します。
Ctrl+Enterでセル内改行の方法(Mac対応)
「Alt」+「Enter」での改行と同じく、「Ctrl」+「Enter」で改行することも可能です。Macには「Alt」キーがないことが多いので、困ったときは「Ctrl」+「Enter」を使いましょう。
Windowsでは、「Alt」+「Enter」でも「Ctrl」+「Enter」でも改行できます。自分にとって使いやすい方のショートカットキーを覚えておけば、作業効率を上げられます。
Googleスプレッドシートの関数を用いた改行方法
Googleスプレッドシートでは、ショートカットキーだけでなく関数を用いて改行することも可能です。下記では、ショートカットキー以外の改行方法を解説します。
CHAR関数でセル内改行を実現
スマートフォンでは「Alt」+「Enter」や「Ctrl」+「Enter」などのショートカットを使えません。スマートフォンの改行ボタンをタップすると、ひとつ下のセルに入力項目が移動してしまうので注意しましょう。
スマートフォン版のGoogleスプレッドシート上でセル内改行したいときは、CHAR関数を使います。CHAR関数とは、文字コードに該当する文字を自動で返してくれる関数です。下記でスマートフォンにおけるセル内改行の手順を解説します。
【1】セル内改行したいセルを選択します。
【2】次に、CHAR関数を使います。「=”あいう”&CHAR(10)&”えお”」で、「あいう」と「えお」の間に改行を入れられます。
【3】確定するとCHAR関数が反映されます。
文字列結合による改行操作
複数のセルに入力されている内容を結合して、改行させたいときにもCHAR関数が役立ちます。
【1】都道府県と市区町村を結合してひとつのセルにしたい場合、「=B3&C3」のようにセルとセルを「&」でつなぎます。ただし改行せず結合されてしまうため、改行したいときはCHAR関数を使います。
【2】CHAR関数で結合と改行を同時に実行するときは、「=B3&CHAR(10)&C3」と入力します。結合したいセル同士を「&CHAR(10)&」で挟むのがポイントです。
【3】エンターキーで確定させると、関数が反映されます。同様の関数を他セルにもコピーしていけば、同様の結合・改行ができます。
【4】3個以上のセルを結合させたいときも、同様の関数が使えます。「=B3&CHAR(10)&C3&CHAR(10)&D3」のようにセルとセルを「&CHAR(10)&」でつなぎつづければ、セル数が多くなっても対応可能です。
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表示設定でセル内改行を表現
【1】長い文章を入力したとき、セルの横幅に合わせて自動で文章が折り返されない場合、テキストの折り返し機能を使います。「c」のボタンが「はみ出す」になっている可能性が高いので、チェックして「折り返す」に変更します。
【2】セルの横幅に合わせて自動で文章が折り返されます。
【3】セルの横幅を変えれば、幅に合わせて文章の折り返し箇所も変わります。
改行が不要になった場合の対処法
1セル内にある特定の情報だけを参照したいときは、却って改行が邪魔になってしまうことがあります。また改行位置を調整したいときも今ある改行を一度削除してから、改行場所を再度決め直す必要があるので注意しましょう。
ここでは、改行が不要になった場合の対処法を解説します。
「Delete」「Backspace」でひとつずつ削除
最も簡単にできるのが「Delete」「Backspace」でひとつずつ改行を消す方法です。「Backspace」であればカーソルのひとつ前の改行を、「Delete」であればカーソルのひとつ後の改行を削除することができます。Wordやメールソフトでも同じ方法が使えるので、違和感なくできるでしょう。
ただし、「Delete」「Backspace」での削除は範囲が限定されている場合にのみ使うのがおすすめです。大量の改行をひとつずつ削除するのでは、膨大な時間がかかるので注意しましょう。
一括置換でセル内改行を削除する方法
大量の改行を一括で削除したい場合は、検索・置換機能を使うのがおすすめです。本来は特定のキーワードだけを検索したり、特定のキーワードを別のキーワードに置き換えたりするための機能ですが改行の削除にも使えます。
【1】「Ctrl」+「F」で検索ウインドウを開き、その横にある「その他のオプション」をクリックします。
【2】「検索」の部分に「/Vn」と入力します。「/Vn」は改行を示す正規表現です。「大文字と小文字の区別」と「正規表現を使用した検索」のチェックボックスを入れ、「検索」をクリックします。改行を削除したい場合は、「置換後の文字列」を空白にしたまま、「すべて置換」をクリックします。
【3】該当セルの改行が削除されます。
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よくある質問
Googleスプレッドシートのセル内改行に関して「よくある質問」を紹介します。
Googleスプレッドシートで改行するときの注意点はありますか?
上記は左のセルが「Alt」+「Enter」キーで改行したもの、右のセルが折り返しで改行したものです。どちらも記載内容は同じ、かつ見た目も同じですが、内容の正誤を問うFALSE関数を使うと、結果が「FALSE(間違っている)」と表示されます。
つまり、左は「東京」と「横浜」との間に改行があるセルとして判断され、右は「東京横浜」というひとつの文章になっているセルとして判断されるということです。別セルとして判断されるのを防ぎたいときは、改行方法も統一しておきましょう。
セル内で改行するにはどうすればいいですか?
セル内で改行するには、「Alt」+「Enter」または「Ctrl」+「Enter」を使います。ひとつずつ正確に、かつ素早く作業できるショートカットなので活用しましょう。
ただし、スマートフォン版Googleスプレッドシートアプリでセル内改行したいときはCHAR関数を使う必要があります。スマートフォンの改行ボタンをタップすると、ひとつ下のセルに入力項目が移動してしまうので注意しましょう。
複数セルに入力されている文字列を結合させながら改行を挟みたいときも、CHAR関数が便利です。
まとめ
Googleスプレッドシートに長い文章を入力するときは、適宜改行・空白行を作りながらわかりやすくまとめるのが理想です。セルの横幅に合わせて文章を折り返し表示したり、スマートフォン版Googleスプレッドシート上でも編集したりすれば、より便利に活用できます。
「文章が長くて読みづらい」と感じたときは、改行を上手に使うのがおすすめです。
Googleスプレッドシートセル内改行に関する重要用語
用語 | 意味 |
/Vn | 「改行」を示す正規表現。 |
「Alt」+「Enter」 | Googleスプレッドシートでセル内改行するためのショートカット。 |
「Ctrl」+「Enter」 | Googleスプレッドシートでセル内改行するためのショートカット。 |
CHAR関数 | 文字コードに該当する文字を自動で返してくれる関数。 |
文字コードに該当する文字を自動で返してくれる関数 | セルの横幅に合わせてテキストを折り返し表示する機能。 |