FigmaとAdobe XDは、UI/UXデザインに欠かせない代表的なツールです。
どちらも高機能で直感的に使えるため、初心者からプロまで幅広く利用されていますが、機能性や価格体系、チームでのコラボレーション体験には大きな違いがあります。
たとえば、Figmaはクラウドベースの強みを活かしたリアルタイム共同編集に優れ、リモートワークや大規模チームに最適です。一方、XDはCreative Cloudとの連携や軽快な操作感が魅力で、Adobe製品を中心に業務を進めるユーザーに支持されています。
本記事では、両ツールの基本概要から料金比較、操作性や将来性までを徹底解説し、目的や利用シーンに合わせた選び方を紹介します。
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FigmaとXDの基本概要
FigmaとAdobe XDは、UI/UXデザインを効率化する代表的なツールです。
Figmaはクラウドベースで動作するため、ブラウザやアプリからアクセスでき、インストール不要でどこからでも利用できるのが特徴です。また、MacやWindowsだけでなくLinuxやモバイルでも使える柔軟性を備えています。
一方でAdobe XDは、Creative Cloudの一部として提供され、PhotoshopやIllustratorとシームレスに連携できる点が強みです。オフラインでも安定して利用でき、Adobe製品に慣れているユーザーにとっては自然な操作感を得られます。
両者は同じ「デザインツール」でも、開発思想や利用環境に大きな違いがあるのです。
機能面での違い
FigmaとXDの機能面での違いについて、4つの観点からみていきましょう。
リアルタイム共同編集の有無
リアルタイム共同編集は、FigmaとXDを比較する上で最も大きな違いです。
FigmaはGoogleドキュメントのように複数人が同時に編集でき、カーソルの動きもリアルタイムで反映されます。そのため、リモート環境や大規模チームでの設計に非常に適しています。さらにコメント機能やバージョン履歴も充実しており、コミュニケーションの効率化につながります。
一方でXDは、基本的に1人が編集し、他のメンバーは共有リンクを通じて確認やフィードバックを行う仕組みです。共同作業は可能ですが、リアルタイム性はFigmaに及ばず、プロジェクトの進行スピードに影響が出る場合もあります。
プロトタイピング機能の比較
両ツールとも画面遷移やインタラクションを設定できるプロトタイピング機能を備えていますが、使い勝手には違いがあります。
Figmaは画面同士を直感的にリンクでき、簡易的なモーションやアニメーションを設定可能です。また、クラウド共有を通じてリンクを発行すれば、クライアントやチームがブラウザからそのまま操作確認できます。
XDも同様にプロトタイプ作成が可能で、特にモバイルアプリやWebのワークフローをスムーズに確認できるのが特徴です。さらに、Adobe製品との連携で画像やグラフィックを取り込みやすく、ビジュアル重視のプロトタイプに向いています。ただし、リアルタイム共有の利便性ではFigmaが優位です。
プラグイン・拡張機能の充実度
デザイン効率を左右するプラグインの充実度も重要な比較ポイントです。
Figmaは世界中のデザイナーが作成した豊富なプラグインを利用でき、アイコン挿入、配色提案、ダミーテキスト生成など多様な拡張が可能です。さらに、Figma Communityを通じてUIキットやテンプレートを共有・利用できるため、プロジェクトの立ち上げがスピーディーになります。
一方、XDもプラグインをサポートしており、ZeplinやSlack、Trelloなど外部サービスとの連携が強化されています。ただし、数や更新頻度ではFigmaが優勢であり、最新のデザイントレンドやニーズへの対応スピードも早い点が評価されています。
アニメーション・インタラクションの違い
デザインに動きを加える際のアニメーション機能も両者で差があります。
Figmaは基本的なトランジションや簡易的なモーションに対応しており、ユーザー体験をシンプルに確認するのに適しています。ただし、複雑な動きや高度なインタラクションは制限があるため、表現の幅はやや限定的です。
一方、XDは「Auto-Animate」機能を搭載しており、スクリーン間のオブジェクトの移動やサイズ変化を自然に表現できます。これにより、アプリやWebサイトの動的な挙動を直感的に再現できるのが強みです。
高度なアニメーション表現を重視するならXD、シンプルさや共有性を優先するならFigmaが選ばれやすいといえます。
料金とライセンスの違い
FigmaとAdobe XDの料金とライセンスの違いについてみていきましょう。
Figmaの料金体系(無料プラン・有料プラン)
Figmaは柔軟な料金プランを提供しており、無料から始められる点が大きな魅力です。
無料プランでは、無制限のファイル閲覧、最大2人の編集者、基本的なコメント機能などを利用できます。小規模なプロジェクトや学習目的なら十分対応可能です。
有料プランには「Professional」と「Organization」があり、Professionalでは無制限のファイル編集や詳細なバージョン履歴、チームライブラリの活用が可能になります。さらにOrganizationプランでは高度なセキュリティ機能、SSO対応、権限管理が提供され、企業規模での導入に適しています。
ユーザーはチーム規模や利用目的に応じて、段階的にプランを選べる仕組みになっています。
Adobe XDの料金体系(Creative Cloudとのセット)
Adobe XDは単体での販売もありますが、基本的にはAdobe Creative Cloudの一部として利用されるケースが多いです。
Creative Cloudのサブスクリプションに加入することで、PhotoshopやIllustratorなどの主要アプリとセットで使える点が特徴です。
単体プランも存在しますが、全体的なコストを考えると複数製品を組み合わせて活用するユーザーに向いています。また、クラウドストレージやAdobe Fontsなどの付帯サービスも含まれるため、デザイン制作全般をAdobe環境で完結させたい人にとって利便性が高い仕組みです。
ただし、Figmaと比べると初期費用や月額費用が高めになる傾向があるため、導入にはコスト意識が必要です。
コストパフォーマンスの比較
コストパフォーマンスを比較すると、Figmaは「低コストで高機能を利用できる」という評価が高いです。特に無料プランの充実度が大きな魅力で、スタートアップや学生、個人利用者が導入しやすい環境を提供しています。
一方でAdobe XDは、単体利用の場合は比較的手頃ですが、実際にはCreative Cloudと併用するケースが多く、その場合はコストが増加します。ただし、Adobe製品を日常的に使用しているデザイナーにとっては、IllustratorやPhotoshopとの連携効率が高く、時間的コスト削減という点で優れたパフォーマンスを発揮します。
つまり、予算を抑えたいならFigma、統合環境を重視するならXDが選ばれやすい傾向があります。
操作性・UIの違い
操作性とUIに関しては、それぞれの設計思想が反映されています。
Figmaはシンプルで直感的なUIを持ち、ブラウザ上で軽快に動作する点が魅力です。特に初心者でも直感的にツールを扱えるため、学習コストが低く、導入がスムーズに進みます。さらにリアルタイム共同編集を前提とした設計のため、コメントやフィードバックのやり取りも分かりやすく整理されています。
一方でXDは、Adobe製品に慣れているユーザーにとって親和性が高く、IllustratorやPhotoshopと似た操作体系を持つため移行が容易です。また、Auto-Animateなどの高度な機能はUI内に効率的に配置されており、慣れると高度なデザイン表現を素早く行えるようになります。
導入環境と対応デバイスの違い
Figmaはクラウドベースで動作するため、WindowsやMacだけでなくLinuxやChromebook、さらにはブラウザ上から直接利用できます。インストール不要で環境に依存せずに利用できる点が大きな特徴です。
また、モバイルアプリも提供されており、移動中にデザインを確認したりコメントを追加したりすることも可能です。
一方、Adobe XDはWindowsとMac向けのデスクトップアプリとして提供されており、オフライン環境でも安定したパフォーマンスを発揮します。ただし、対応プラットフォームは限定的で、クラウド機能もCreative Cloudを通じて提供されるため、柔軟性の点ではFigmaに劣る部分があります。
利用環境の幅広さを重視するならFigma、オフライン性能を重視するならXDが適しています。
チームコラボレーションの違い
チームコラボレーションの観点では、FigmaとXDには明確な違いがあります。
Figmaのリアルタイム編集とコメント機能
Figmaの大きな魅力は、リアルタイムでの共同編集とコメント機能です。
Googleドキュメントのように、複数のメンバーが同時に同じファイルを編集でき、カーソルの動きもリアルタイムで反映されます。これにより、チームが離れた場所にいても会議中にデザインを修正したり、フィードバックを即座に反映したりすることが可能です。
さらに、コメントはデザイン上の任意の箇所に直接追加でき、通知機能によって担当者にすぐ共有されます。
これらの仕組みにより、従来の「修正案をメールでやり取りする」プロセスが不要になり、スピード感のあるプロジェクト進行が実現します。リモートワークやグローバルチームにとって特に有効な機能といえます。
XDの共有リンク・共同作業方法
Adobe XDは、Figmaのような同時編集機能は備えていませんが、共有リンクを活用したレビューやフィードバックに強みがあります。デザインを共有リンクとして発行すれば、ブラウザから誰でもアクセスでき、コメントを残したり、プロトタイプを操作して体験を確認したりできます。
これにより、クライアントや非デザイナーのメンバーともスムーズに意見交換が可能です。また、Creative Cloudライブラリを通じて素材やスタイルを共有できるため、チーム全体で統一感のあるデザインを維持しやすくなります。
ただし、複数人が同時に編集する場合は手動で調整する必要があり、スピード感ではFigmaに劣ります。
Adobe製品のエコシステムを重視する場合には便利な方法です。
リモートワークや大規模チームにおすすめなのは?
リモートワークや大規模チームにおいては、Figmaの方が優位性が高いといえます。
理由はクラウドベースの設計とリアルタイム共同編集機能にあり、場所やデバイスを問わずに同時作業できるためです。特に国際的なプロジェクトやリモートワーク中心の環境では、時差を超えた効率的なコラボレーションが可能になります。
一方、XDはオフラインでの安定性に優れており、個人または少人数でのプロジェクトに適しています。
また、Adobe製品との親和性から、IllustratorやPhotoshopを頻繁に使用するデザインチームには魅力があります。ただし、大規模で分散型のチーム運営を想定する場合は、スピードと柔軟性の観点でFigmaの方が推奨されやすい傾向があります。
FigmaとXDの使い分け・選び方
FigmaとXDはいずれも優れたUI/UXデザインツールですが、利用環境や目的によって最適な選択は異なります。
個人利用に向いているのは?
個人利用での利便性を考えると、Figmaが優位といえます。理由は、無料プランの充実度とクラウドベースの柔軟性です。
ブラウザさえあればどこでも利用でき、複数のデバイス間でシームレスにデータを扱えるため、フリーランスや学習目的のユーザーに適しています。また、学習コストも低いため、初心者でも比較的早く習得できます。
一方、Adobe XDは単体プランで比較的安価に利用できますが、真価を発揮するのはIllustratorやPhotoshopとの連携を行う場合です。そのため、既にCreative Cloudを契約している個人デザイナーや、ビジュアル表現に重点を置くユーザーには向いています。
コストを抑えて効率的に使いたいならFigma、既存のAdobe環境を活用するならXDが適しています。
チーム利用に向いているのは?
チームで利用する場合、Figmaが圧倒的に有利といえます。最大の理由はリアルタイム共同編集とコメント機能です。複数人が同時にファイルを編集し、即座にフィードバックを反映できるため、リモートワークや国際的なプロジェクトに最適です。
また、組織向けプランでは高度なセキュリティや権限管理も可能で、大企業や大規模チームでの利用にも適しています。
一方でXDは同時編集には弱いものの、Creative Cloudライブラリを通じて素材やスタイルを共有できるため、Adobe製品を中心としたワークフローを持つチームには便利です。
特に、PhotoshopやIllustratorを日常的に利用している制作会社や広告代理店においては、XDの方が自然に馴染みやすい選択肢となります。
将来性とアップデート動向から選ぶ視点
ツールの選択においては、将来性やアップデートの頻度も重要です。Figmaはクラウドベースであるため、機能追加や改善が頻繁に行われ、ユーザーからの要望を素早く反映しています。
近年ではAI機能の導入やプラグイン拡充など進化が著しく、今後も成長が期待できます。
一方でAdobe XDは、Creative Cloud全体の戦略に組み込まれており、IllustratorやPhotoshopとの連携強化が主軸となっています。ただし、近年はFigmaの勢いに押され気味で、アップデートの頻度や注目度では劣る印象があります。
将来的な投資価値を考えると、クラウドベースで拡張性が高いFigmaが有望と考えるユーザーが増えていますが、Adobe製品と統合的に使うならXDも依然として有力な選択肢です。
まとめ
FigmaとXDはどちらも優れたデザインツールですが、それぞれの強みは異なります。
Figmaはクラウドベースの特性からリアルタイム共同編集やマルチデバイス対応に優れ、リモートワークや大規模チームでの利用に適しています。
一方でXDはAdobe製品との連携を最大の強みとし、グラフィック制作やビジュアル表現を重視するユーザーに支持されています。
コスト面ではFigmaが導入しやすく、特に個人や小規模チームに人気があります。将来性の観点では、クラウドとAIを活用した進化を続けるFigmaが注目されていますが、Adobe環境を活用するユーザーにとってXDも依然として有効です。
自分やチームの利用環境、目的、予算に応じて最適なツールを選ぶことが重要です。
FigmaXDに関する重要用語
用語 | 概要 |
フレーム | 画面や要素の枠組みを定義する基本構造のこと。アートボードに相当し、レイアウト設計の基盤となります。 |
アセット | アイコン、カラー、テキストスタイルなどの再利用可能なデザイン要素をまとめたもののこと。統一感あるデザインを実現できます。 |
プラグイン | 外部機能を追加できる拡張機能のこと。アイコン検索、ダミーテキスト生成、翻訳補助など作業効率を大幅に高めます。 |