ちょっとしたことでも、毎日同じ作業を繰り返すのは面倒ですよね。スプレッドシートにはExcelとほぼ同じ感覚で使用できる、作業の自動化機能「マクロ」があります。
本記事ではスプレッドシートで実行するマクロの使いかたについて解説!
スプレッドシートとExcelのマクロがどのように違うのかや、スマートフォンでマクロが使えるのかもお伝えします。この記事を読んでマクロ機能を試していただき、業務の効率化に役立ててください!
スプレッドシートとExcelのマクロの違い
「マクロ」とは、よく行う操作を自動化する機能。
最もわかりやすい利用方法としては、操作内容をマクロで記録・実行することですが、使用者のレベルによっては複雑なマクロを組む場合もあります。
マクロを動かしているのは、それぞれのアプリに関わるプログラミング言語ですが、マクロを使用するにあたって言語を学ぶ必要はありません。
スプレッドシートのマクロについて
スプレッドシートのマクロに関連するプログラミング言語は「GAS(Google Apple Script)」。
GASはJavaScriptがもとになっている言語です。
JavaScriptを習得していれば、複雑なマクロ機能をより早く使いこなせるでしょう。
Excelのマクロについて
Excelのマクロに関連するプログラミング言語は「VBA(Visual Basic for Applications)」です。
Excelの利用者はスプレッドシートのケースと同様に、VBAが理解できれば複雑なマクロを実行できます。
またスプレッドシートとExcelのマクロの機能はほぼ同様。
過去にどちらかのアプリでマクロを使用していた場合、違和感なくマクロ機能を使用できるはずです。
スプレッドシートとExcelのマクロの互換性
スプレッドシートとExcelのマクロは、基本的に互換性があると考えてよいでしょう。
ただしExcelでスプレッドシートのファイルを開いた場合、デザインが崩れる可能性があるため注意が必要です。
スマホでマクロは使えない
スプレッドシートのマクロ機能をスマートフォンから使用できるか調べてみました。
Googleスプレッドシートのヘルプを確認しましたが、残念ながらAndroid・iPhone・iPadいずれの端末でも、マクロ機能を使用することはできません。
マクロ機能を使いたいときは、パソコンからスプレッドシートにアクセスする必要があります。
スプレッドシートでマクロを使う方法
ここからは実際にスプレッドシートでマクロを使ってみましょう。
操作方法を手順化しましたので、以降の内容を読みながら、マクロを記録・実行してみてください。
マクロを記録する
マクロを記録するまでの操作は、以下のとおりです。
1. スプレッドシートを開き、画面上のメニューから「拡張機能」をクリックする。
2. 「マクロ」、「マクロを記録」の順に選択する。(ページ下部に「新しいマクロを記録しています…」のウィンドウが表示される)
3. マクロに記録させたい操作を行う。(例:日付の表示を「カスタム日時」形式に変える等)
4. 以下のいずれかの選択肢にチェックを入れる。
- 絶対参照を使用:マクロの適用時、記録されたときと同じ個所を使用する
- 相対参照を使用:選択したセルにマクロを適用する
5. 「保存」をクリックする。(「新しいマクロの保存」画面が表示される)
6. 「名前」の入力欄にマクロの名前を入力し、必要であればショートカットを設定する
※マクロのボタンを作成したい場合、マクロ名には半角の英数字を使用することを推奨(マクロのボタン作成については、後述する「### ボタンを作成してマクロを実行する」を参照)
7. 「保存」ボタンをクリックする。
マクロを編集する
マクロの編集画面に進むまでの手順も確認しました。
この操作ではプログラミング言語「GAS」の知識が必要です。
1. スプレッドシートを開き、画面上のメニューから「拡張機能」をクリックする。
2. 「マクロ」、「マクロを管理」の順に選択する。(「マクロの管理」ウィンドウ)が表示される)
3. 「マクロの名前(*1)」右側にある「縦に3点が並ぶマーク」をクリックする。
*1:マクロの記録時、マクロに名前を付けなかった場合は「無題のマクロ」の表示
4. 「スクリプトを編集」を選ぶ。(「記録されているマクロ」画面が現れる)
5. 画面右側にGASのエディタとコードが表示される。以降自由に編集する。
マクロを実行する
マクロを実行する手順は次のとおりです。
1. 「マクロを記録する」の手順でマクロを記録する。
2. マクロを適用させたいセルを選択し、 画面上のメニューから「拡張機能」をクリックする。さらに「マクロ」、「マクロの名前(*1)」の順に選択する。
*1:マクロの記録時、マクロに名前を付けなかった場合は「無題のマクロ」の表示
3. 「承認が必要」のメッセージが表示されるため、「続行」をクリックする。(Googleへのログイン画面が表示される)
4. スプレッドシートを使用しているGoogleアカウントを選択する。(「アクセスをリクエストしています」のメッセージが表示される)
5. 「許可」をクリックする。
※アクセスは許可されたものの、この時点で途中の操作はキャンセルされてしまう
※項目「3」から「6」のアクセス許可画面は、初回のみ表示される(同じファイルに限る)
6. 今一度、上記で操作した項目「1」から「2」の操作を行う。
7. 画面上に「スクリプトが終了しました」のメッセージが表示され、処理が完了する。
ボタンを作成してマクロを実行する
より手早くマクロを実行したい場合、図形機能でボタンを作成し、マクロを設定すると便利でしょう。
ここではボタンの作成方法と、マクロ機能の設定方法を分けてお伝えします。
図形でボタンを作成する方法
1. スプレッドシートの画面上メニューから「挿入」を選択し、「図形描画」をクリックする。(「図形描画」画面が表示される)
2. 画面上の「丸と四角が重なったマーク(図形)」をクリックし、ボタンに使用したい図形を選ぶ。
3. 描画範囲で図形を作成する。具体的にはセルと同じくらいか、少し大きめのサイズをイメージして描画範囲上をドラッグする。
4. 図形にボタン名を付ける場合は、画面上の「Tマーク(テキスト)」を選択し、作成した図形のうえをクリックする。(テキストの入力画面が表示される)
5. 「マクロ」など自由にボタン名を入力、「保存して終了」をクリックする。
ボタンにマクロ機能を付加する方法
1. 「#### 図形でボタンを作成する方法」の手順でボタンを作成する。
2. ボタンのうえで右クリックし、「縦に3点が並ぶマーク」をクリックする。
3. 「スクリプトを割り当て」を選択する。
4. マクロの記録時、マクロに付けた名前を入力する。
※この手順では、マクロ名には半角の英数字を使用すること
※マクロ名の頭文字に数字を使用した場合は、入力する文字の先頭に「_(アンダーバー)」を付けること(例:_123)
5. 「OK」をクリックする。(ボタンにマクロ機能が付加される)
6. マクロを適用したいセルをクリックし、ボタンを押下するとマクロが実行される。