ビジネスチャットツールとは、社内外でメッセージのやり取りを手軽にできるツールです。手軽にコミュニケーションを取れることで業務効率化にもつながり、今や多くの企業や個人が利用しています。
しかし、ビジネスチャットツールは様々なサービスがあるため、どれがよいのかわかりにくいと感じている方も少なくありません。ビジネスチャットツールにも、それぞれ特徴や強みがあり、企業や個人にとって最適なものも異なります。
そこで今回は、はじめてビジネスチャットツールを導入する方やビジネスチャットツールのサービス変更を検討している方に向けて、ビジネスチャットツールとしておすすめの10選をご紹介しながら、ビジネスチャットツールの選び方やメリットデメリットも解説していきます。
ビジネスチャットおすすめ10選の比較一覧表
月額料金 | 無料版 | ファイル共有 | タスク管理 | 社内外 | |
---|---|---|---|---|---|
Slack | 0円~(※) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Chatwork | 0円~ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Microsoft Teams | 0円~ | 〇 | 〇 | 連携必要 | 〇 |
OfficeMessenger | 5000円 | – | 〇 | 〇 | 社内向け |
LINE WORKS | 0円~ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
TAGS | 180円/1ユーザー | – | 〇 | – | 社内向け |
elgana | 0円~ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
THANKS GIFT | 要問合せ | – | 〇 | – | 社内向け |
Wow Talk | 300円~/1ユーザー | – | 〇 | 〇 | 社内向け |
Talknote | 要問合せ | – | 〇 | 〇 | 〇 |
ビジネスチャットの比較表一覧として、本記事でおすすめするビジネスチャットのサービスをご紹介しました。なお、無料版を展開していない場合でも、無料お試し期間を提供しているサービスもあるので、気になる場合は直接サービスへ確認してみましょう。
※Slackは2022年9月1日以降、アップデートや価格改定を発表しています。
ビジネスチャットツールおすすめ10選
Slack
ビジネスチャットツールの定番ともいえるひとつがSlackです。世界150国以上、アクティブユーザー数1200万人のシェア最大を誇るビジネスチャットツールとして多くの人や企業に選ばれています。
外部アプリケーションとAPI連携できるのが大きなポイント。連携できる様々なアプリのなかで、使いたい機能をカスタマイズできる点が魅力です。
※2014年のサービス提供開始当初から初めての価格改定とアップデートを発表。2022年9月1日以降で変更が実施される予定としています。
Chatwork
ビジネスチャットツールとして、日本国内でもっとも多くの企業に導入されているチャットツールです。機能もシンプルで使いやすいため、幅広い業種に対応できるでしょう。
タスク管理としても使いやすく、マイチャットで自分のタスク管理、グループごとにもタスク管理が可能です。タスクを完了・未完了に分類し、期限も設定できるようになっています。タスクの状況を可視化できることで、進捗状況の把握にも役立ちます。
▶Chatwork(チャットワーク)とは?使い方や機能を解説!
Microsoft teams
Microsoft社が提供するMicrosoft teamsも定番で、Microsoft Office365に含まれているツールです。Office365に含まれているため、追加費用がかからないという点も魅力のひとつです。
約40言語に対応しているため、海外展開している企業や外国人スタッフがいる場合も問題なく使用可能。Office 365を利用している企業やユーザーにはとくにおすすめです。
▶Microsoft teamsの便利な使い方をわかりやすく解説
OfficeMessenger
株式会社JIRAN JAPANが提供するOfficeMessengerは、法人向けのビジネスチャットツールです。堅めの連絡や報告には「メッセージ」を、手軽な連絡の場合には「チャット」といった、使い分けができる点が魅力のひとつです。
無制限のグループチャットや組織図の設定、IP/モバイル制限など様々な機能を搭載。50名までなら月額5000円で利用できる価格設定も魅力的です。直観的なUIで、使い方もシンプルなのでスムーズに使いこなせるでしょう。
▶【初心者必見】OfficeMessengerの便利な使い方をわかりやすく解説
LINE WORKS
ワークスモバイルジャパン株式会社が展開するLINE WORKSは、LINEのビジネス版チャットツールです。導入企業は2021年12月時点で35万社を突破しています。身近なLINEに使い慣れているからこそ、導入前後の研修も必要ないでしょう。
情報共有ができるノート機能やカレンダー機能、ファイル共有のクラウド機能など、便利な機能も搭載。チャットボットの活用で、勤怠管理や日報作成も可能です。
▶【初心者必見】LINE WORKSの便利な使い方をわかりやすく解説
TAGS
鈴与シンワート株式会社が展開するTAGSは、セキュリティ面に強みを持つビジネスチャットツールです。一般的な「DB暗号化」「通信の暗号化」だけでなく、クライアント端末のキャッシュも暗号化。3三段階暗号化により安心してお使いいただけます。
チャット機能に特化して必要最低限の機能に絞っていることから、初期費用無料かつ1ユーザーあたり月額180円(※)で利用できるという料金設定も魅力的です。
30ユーザー以上の利用が条件
elgana
NTTビジネスソリューションズ株式会社が提供するelganaは、テレワークなどの新しい働き方を推進し、円滑なコミュニケーションをかなえるサービスとして提供されています。
フリープランは、ID上限なし、広告表示なし、グループ内音声通話やビデオ通話などの基本機能をすべて無料としています。
▶【初心者必見】elganaの便利な使い方をわかりやすく解説
THANKS GIFT
株式会社Take Actionが提供するTHANKS GIFTは、社内コミュニケーションや社員のモチベーションUPを期待できる企業向けビジネスチャットツールです。
メッセージ機能では社員同士で感謝の気持ちを伝えることができ、オリジナルコインを送ることもできるようになっています。テレワークやコロナの影響でコミュニケーションが希薄になりがちな昨今を危惧する場合にもおすすめです。
▶【初心者必見】THANKS GIFTの特徴や機能をわかりやすく解説!
WowTalk
ワウテック株式会社が提供するWowTalkは、企業の社員向けのビジネスチャットツールです。基本的な機能のほかに、タスク管理、ビデオ通話、安否確認、トーク履歴検索など様々な機能を搭載しています。
管理もおこないやすく、企業管理者が全社員IDとパスワードを発行可能。各機能を個人単位で指定できるため、社内における情報統制も簡単です。セキュリティ規格ISO27001認証を取得しているため、セキュリティ面も安心して利用できるでしょう。
▶【初心者必見】WowTalkの特徴や機能をわかりやすく解説!
Talknote
Talknote株式会社が展開するTalknoteは、企業理念浸透や企業文化醸成を促進するカルチャーマネジメントツールです。
Talknoteに集約されたコミュニケーションを解析、定量化することで組織課題の把握に役立ちます。また、導入して終わりではなく、導入後も専属の担当者がつくことで充実したサポートを受けることができる点も運用における魅力のひとつと言えるでしょう。
▶【初心者必見】Talknoteの特徴や機能をわかりやすく解説!
無料で使えるビジネスチャット比較5選
ビジネスチャットは無料で利用できるものもあります。しかし無料で使えるプランやサービスは、機能が制限されている場合もあるので注意しましょう。検討段階に無料プランで比較してみるという使い方もおすすめです!
ビジネスチャット無料版の比較表
サービス名 | ユーザー数 | 音声ビデオ通話 | ストレージ容量 |
---|---|---|---|
Slack | ー | 〇 | 5GB |
Chatwork | 100名まで | 〇 | 5GB |
Microsoft Teams | 〇 | 〇 | 5GB(1ユーザー) |
LINE WORKS | 100名まで | 〇 | 5GB |
elgana | 上限なし | 〇 | 1週間まで |
Chatwork
Chatworkの無料版は、1ユーザーごとに累計7グループでチャットが使えます。また、1対1の音声・ビデオ通話も可能。使える容量としては1契約あたり5GBまでのストレージとなっている点に注意しましょう。
Slack
Slackの無料版は、チャンネル数は無制限、最大10の外部サービス連携が可能な点が魅力です。直近メッセージの閲覧が10,000件までとされているため、過去のすべてのメッセージ履歴を遡ることができないという点には注意が必要です。
しかし、2022年9月1日以降は過去 90 日間のメッセージ履歴とファイルストレージの無制限へのアップデートが発表されています。
LINE WORKS
LINE WORKSの無料版は、最大100名まで利用可能、音声・ビデオ通話が可能となっています。
ストレージ容量が5GBまでの制限がある点も含めて、無料版においてはChatworkの無料版と似た内容と言えます。
Microsoft Teams
Microsoft Teamsの無料版は、オンライン会議や音声・ビデオ通話が使えます。
ファイルストレージは1ユーザー5GB分を使用可能!オンライン会議を含めて利用してみたいという場合にもおすすめです。
elgana
elganaの無料版は、ユーザー数の上限がなく、音声通話やWEB会議も利用できるようになっています。
しかし管理者代行が出来ないという点に加え、グループは20を上限、ファイル添付は1週間までといった制限が設定されています。
有料版と比較して、機能面に大きな違いはないものの、使用できる容量や期間等に細かい制限があると言えます。
ビジネスチャットツールの選び方
ビジネスチャットツールで社外やりとりをするか
ビジネスチャットツールを導入する際は、社外との連絡手段としても使うかどうかも加味して選ぶようにしましょう。
社外とのやり取りとしても使いたいという場合には、やりとりを行う可能性のある企業がどのチャットツールを導入しているかを把握します。社外やりとりが必要な場合には。シェアの多い主要ビジネスチャットツールを導入するのが無難でしょう。
どのような機能が必要か
企業や個人によって、ビジネスチャットツールに求めるものは異なります。
タスク管理やグループチャット機能、外部とのやり取り、通話機能など、目的や必要な機能を洗い出したうえで、ニーズを満たせるサービスを選びましょう。
コスト面
ビジネスチャットツールを導入にあたり、有料か無料かによっても使える機能は大きく異なります。
無料プランでも基本的な機能が使える場合は多いですが、有料の場合は便利な機能が多く搭載されています。導入の目的や必要な機能を洗い出したうえで、検討してみましょう。
スマホなどの端末
ビジネスチャットツールだからこそ、社外にいる際にもチャットを確認できるとより便利に利用できるでしょう。スマホでもアプリとして使えるかどうかをあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
セキュリティ面
社内情報や外部とのやり取りなど、万が一の情報漏洩が心配という場合には、セキュリティ面も重要な選定ポイントです。
2段階認証や端末認証、アクセス制限、暗号化など、セキュリティが強化されているものを選ぶと安心して利用できるでしょう。国際的な基準としての「ISO27017」や「ISO27018」「SOC」なども、高いセキュリティを持つサービスとして判断しやすい基準です。
ビジネスチャットツールのメリット
コミュニケーションが活性化
ビジネスチャットツールの導入で、迅速で簡単にコミュニケーションが取れるようになります。スマホ対応のサービスであれば、いつでもどこでもチャットを簡単に確認できます。
社内のコミュニケーションが不足している場合やテレワークなどで対面のコミュニケーションが減少した場合にも、大きなメリットのひとつになるでしょう。
ファイル共有が可能
ビジネスチャットツールを通して、手軽にファイルを共有できるようになる点もメリットのひとつです。
メールで添付するという手間がかかるやり方ではなく、チャット上でさまざまな形式のファイルを簡単に共有することができるため、作業効率化にもつながります。
生産性が向上
グループチャットやファイル共有、タスク管理など、ビジネスチャットツールにある様々な機能によが使えるようになります。
これまでひとつひとつを別のツールやサービスで行っていたという場合にも、ビジネスチャットツールひとつで実現することができる場合もあるので、生産性向上が期待できます。
社外との連携も可能
ビジネスチャットツールは手軽にコミュニケーションを取れるツールであり、社外であってもメールよりもスムーズかつ迅速なやり取りが期待できます。
しかし、ビジネスチャットツールであっても社内外問わず、マナーには注意するようにしましょう。
迅速な連絡
ビジネスチャットツールを利用することで、迅速に相手に連絡することが可能です。サービスによってはスマホでも使えたり、通知機能が搭載されていることで、リアルタイムに確認できる場合も多くあります。
とくにこれまでメールや電話のみを連絡手段としていた場合、迅速な対応ができるようになったと実感できるでしょう。
ビジネスチャットツールのデメリット
直接コミュニケーションが減る
ビジネスチャットツールを利用することで、直接的な会話やコミュニケーションが減少する可能性もあります。
コロナ禍やテレワークで対面のコミュニケーションが減ったという場合には、ビデオ会議などでコミュニケーションを図る機会も設けるとよいでしょう。
情報が流れる可能性もある
ビジネスチャットツールを利用することで重要な情報が流れてしまう可能性もゼロではありません。
ビジネスチャットツールを導入する場合には、信頼性の高いサービスやセキュリティに定評のあるサービスを選ぶようにしましょう。
重要な情報が埋もれることもある
ビジネスチャットツールでは、随時メッセージや投稿を受信することになります。メッセージのやり取りが多いグループや相手の場合、とくに重要な情報が埋もれてしまいがちという点には注意しましょう。
Slackには、ピン留め機能があり、大切なメッセージをすぐに確認できるようになります。重要な内容は、流れたり、埋もれてしまわないよう気を付けましょう。
礼儀やマナーを忘れがち
ビジネスチャットツールは、手軽にメッセージを送ることができます。手軽さゆえに、マナーや礼儀に欠けてしまうことも少なくありません。
ビジネスチャットツールでも業務上の連絡であるという点をわきまえ、メッセージを送る時間帯や言葉遣いなど、相手への配慮を心がけましょう。
ビジネスチャットの普及率
ビジネスチャットの普及率について、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、以下:CTC)が、2017年に大手企業に勤務する役職者(有効回答412名)を対象にした調査「大手企業のビジネスチャットツール導入実態調査」を実施しました。
この調査では、ビジネスチャットやチャットを導入している企業は28.1%という調査結果が出ています。
コロナ禍におけるテレワークの普及を踏まえても、現在はさらに普及率が伸びていると言えそうです。総務省でもチャットツールの普及状況から、年々チャットツールが普及しつつあること、今後市場が拡大していくことが期待されているとしています。
(参考資料)
ビジネスチャットのシェア
ビジネスチャットのシェアについては、本記事でもご紹介したSlackやChatwork、Microsoft Teamsがシェアを獲得しています。
NTT西日本株式会社が運営する情報サイト「Biz Clip」において2021年11月に実施した「企業のビジネスチャット利用実態調査」の結果を公表。同調査は、日経BPコンサルティングのアンケートシステムにおいて保有する調査モニター2319名を対象としています。
同調査では、勤務先でビジネスチャットを導入する43%の方のビジネスチャットのシェアとして、以下の結果となりました。
- 「Microsoft Teams」(62.8%)
- 「Slack」(8.2%)
- 「Google Chat」(7.6%)
- 「LINE WORKS」(4.8%)
- 「Chatwork」(3.6%)
Microsoft Teamsが圧倒的なシェアを誇ることがわかる調査結果となっています。Microsoft Office365に含まれているツールのひとつとして利用できるという点が、シェア獲得している理由のひとつと言えるでしょう。
(参考資料:”企業のビジネスチャット利用実態調査2021”Biz Clip)
ビジネスチャットツールとメールの区別
ビジネスチャットツールとメールの使い分けとして、以下の点を参考に分類することができます。
- 根拠や証拠を残す:メール
- 正式な連絡:メール
- 社内や部署全体の連絡:ビジネスチャットツール
- 緊急連絡や素早いレスポンス:ビジネスチャットツール
根拠や証拠を残すという側面や、正式な通達の場合はビジネスチャットツールでもできますが、編集や送信取り消しができる場合もあるため、必ずメールも活用するようにしましょう。
メッセージアプリを一括管理できる効率化ツールもおすすめ
ビジネスチャットツールを探しているかたのなかには、複数のビジネスチャットツールを使う予定の方やすでに複数のビジネスチャットを使用している方もいらっしゃるでしょう。
そこでおすすめなのが、Slackをはじめとしたビジネスチャットツールを一括管理できるサービスがあるのをご存知でしょうか。
アプリ一括管理ツールを利用すれば、仕事やプライベートで使用する様々なアプリをひとつにまとめ、一括管理ができるようになります。
作業効率や使用アプリの数が多いという方はぜひ、アプリ一括管理ツールもチェックしてみてください!
メッセージアプリの一括管理ならOneChat
OneChatならビジネスチャットツールやメール、SNSなど仕事でもプライベートでも使用するあらゆるメッセージアプリを一括管理できるサービスです。
日々使用する多数のアプリをいちいち開かずとも、OneChatを開けば簡単に確認ができます。
連携できるアプリは今後随時増加予定!複数のビジネスチャットやSNSを効率よく使いたいという方は是非チェックしてみてください。
まとめ
ビジネスチャットツールは、迅速な連絡や手軽にコミュニケーションを取れる便利なツールとして、企業や個人にも浸透してきました。
ビジネスチャットツールは様々な種類がありますが、サービスによって特徴や強み、使える機能が異なります。チャット機能以外において、どのような目的でどのような機能が必要なのかを洗い出したうえで選定しましょう。
企業や人によっては、社内外のやり取りのためにSlackとChatworkの両方を利用しているという場合もあります。まずは気になったサービスの無料版をそれぞれ試してみて、どちらか一方を選んだり、ふたつのサービスを使うという方法もあります。
状況や目的に合わせて最適なビジネスチャットツールを利用し、より良いコミュニケーションや業務効率化に繋げていきましょう。