ビジネスにおいて重要な課題であるプロジェクト管理に用いられることの多い「ガントチャート」比較的簡単に取り入れやすいという点からエクセルでガントチャートを組み、活用している企業も数多くあります。
しかし、エクセルのガントチャートでは以下のようなデメリットが存在します。
- 複数人が同時に作業できない
- 本格的なガントチャートが作成できない
- モバイルへの対応が弱い
もし、エクセルでのプロジェクト管理にお悩みであるなら、本格的なガントチャートツールを活用するのがおすすめです。
情報を一元管理できるため、管理業務の負担を軽減しつつ細かなタスクの進捗もしっかりと把握することが可能になります。
ガントチャートとは
ガントチャートとはプロジェクト管理や生産管理などで工程管理に用いられる表の一種。横棒によって作業の進捗状況を表すため、作業計画を視覚的に捉えられるのが特徴です。
先述したように、エクセルやGoogleスプレッドシートで作成した簡易なものから本格的なプロジェクト管理ツールまで、ビジネスではさまざまなガントチャートが活用されています。
ガントチャートツールを選ぶポイント
いざ、ガントチャートツールを導入するとなっても、いったいどれを選べばよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
ガントチャートツールを選ぶうえで重要なポイントは以下の4つです。
- 費用
- 機能
- 操作性
- 種類(クラウド・インストール・アプリ)
それではそれぞれのポイントを見ていきましょう。
費用
まずは費用です。
多くのガントチャートツールは有償でサブスクリプト(月額利用)であったり購入する必要があります。無料で利用できるフリーツールやプランもありますが、多くは利用人数やデータ容量が限定されるなど制限があります。
また、有償プランも金額に応じて段階的に制限が設けられていることが多いため、費用と求める機能が合致しているかどうかをしっかりと判断することが必要です。
機能
次に機能です。
ガントチャートツールはそれぞれ個性(強み)があります。導入する際には「自社のビジネス形態にあっているか」「必要な機能を備えているか」という点をしっかりと検討し、一番マッチしているツールを吟味することが大切です。
また、日本語対応しているかどうかもしっかりチェックしておきましょう。
操作性
続いて操作性です。
これは意外に思われるかもしれませんが、いくら素晴らしい機能を備えたツールであっても操作性が悪いと段々と使われなくなってしまうのです。
もし、無料の試用期間が設けられているのであれば、実際にさわってみて社員・スタッフがストレスに感じることなく利用できるUIかどうかを判断するとよいでしょう。
種類(クラウド・インストール・アプリ)
最後にツールの種類です。
ガントチャートツールにはインターネット上で利用する「クラウド型」、パソコンにインストールして利用する「インストール型(オンプレミス型)」、スマホアプリの「アプリ型」の3種類があります。
クラウド型・アプリ型は月額、インストール型は買切であることが多く、一度導入すると切り替えが難しいですので、自社の環境をしっかりと判断して適した種類を選びましょう。
クラウド型のガントチャートツール11選
今回、紹介するガントチャートは次の表の通りです。まずは特徴を簡単に紹介します。
ツール名 | 無料プラン | 有料プラン | 日本語対応 |
---|---|---|---|
Brabio! | 〇 | 3,300円~(月額) | 〇 |
Jooto | 〇 | 500円~(月額) | 〇 |
Backlog | 〇 | 2,640円~(月額) | 〇 |
クラウドログ | × | ユーザー数に応じて変動(要見積依頼) | 〇 |
Agilefant | 〇 | 5ドル(月額)~ | × |
Wrike | 〇 | 9.8ドル(月額)~ | 〇 |
Planio | 〇 | 2,500円~(月額) | 〇 |
Todoist | 〇 | 338円~(月額) | 〇 |
Todous | 〇 | 5,000円~(月額) | 〇 |
Trello | 〇 | 5ドル(月額)~ | 〇 |
みんなでガント.com | × | 1800円~(トライアルプラン/3ヶ月) | 〇 |
がんすけ | 〇 | – | 〇 |
Microsoft Project | × | 105,024円 | 〇 |
Project Canvas | × | 4,400円(年額) | 〇 |
ProjectLibre | 〇 | – | × |
OpenProj | 〇 | – | × |
Backlog(アプリ) | 〇 | 無料 | 〇 |
Jooto(アプリ) | 〇 | 500円~(月額) | 〇 |
Wrike(アプリ) | 〇 | 9.8ドル(月額)~ | 〇 |
無料プランの中には、ずっと使えるフリープランのほかに有料版に移行するお試し版があるため注意が必要です。
反対に、有料プランには初月無料のサービスや年契約で月々の金額が安くなる場合があります。
また、英語が苦手な方は日本語対応の有無をチェックしておきましょう。日本語版のマニュアルがあるツールの方がストレスなく運用できます。
Brabio!
URL: https://brabio.jp/
Brabio!はプロジェクト管理ツールを利用したことがない初心者でも簡単に使いこなせる設計が特徴。ガントチャート作成や進捗管理、マイルストーン設定等が直感的に理解できるようになっています。
また、メンバー全員や個別の作業量や忙しさも視覚化できるプロジェクト横断ビューを使えばリモートワークでも効率的なプロジェクト管理が可能。5ユーザーまでなら利用可能なフリープランもあります。
メリット
- ドラッグ&ドロップで可能な簡単操作
- プロジェクトを跨いで全タスクの進捗を把握可能
- 4つのユーザーモードで社外との連携も可能に
Jooto
Jootoはカンバン方式を用いて直観的で親しみやすいデザインが特徴のタスク・プロジェクト管理ツール。タスクや業務を色分けして自由自在に移動させるというようにボードに付箋を貼る様な感覚で使用することが可能です。
有料プランは1ライセンス毎の料金となるので、ユーザー数によって費用は増減。チーム単位から大規模までビジネスに応じて利用できます。
メリット
- 初心者でもサクサク使える操作性の良さ
- プロジェクト横断ビューで忙しさが見える
- 月額費用が1ライセンス毎なのでユーザー数によって費用は増減
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | 500円(月額) |
有料版の無料お試し期間 | – |
日本語対応の有無 | 〇 |
Backlog
backlogは開発からマーケティング、人事・総務まで様々な職種で使われているプロジェクト管理ツール。シンプルで見やすいガントチャートなのでプロジェクトの全体像が直感的に把握できます。
プロジェクト管理に特化した機能がそろっているだけでなく、期限や達成率も明確に視覚化しているため
メリット
- カードに入力しドラッグ&ドロップするだけのシンプルな操作性
- 課題を作成して担当者別に細かく設定可能
- SVN と Git を使ってチームのソースコードを管理できる
フリープランの有無 | 〇 |
有料版の最低料金 | 2,640円(月額) |
有料版の無料お試し期間 | 30日 |
日本語対応の有無 | 〇 |
クラウドログ
クラウドログは工数を入力することでガントチャートと連動するだけでなく、プロジェクトの損益も自動で見える化できるツールです。自動レポート作成機能によりチームや個人の業務効率化できる部分を可視化します。
カレンダーでのドラッグ&ドロップという直感的操作で使いやすいのも特徴のひとつ。GoogleカレンダーやOutlookカレンダーとの連携もでき、日々の入力作業がラクになります。
メリット
- 詳細な工数登録も可能
- 日報登録、勤怠管理との連動など細やかなサービスも
- 外部カレンダーの予定を同期できる
フリープランの有無 | なし |
有料版の最低料金 | ユーザー数に応じて変動 |
有料版の無料お試し期間 | – |
日本語対応の有無 | 〇 |
Agilefant
URL:https://www.agilefant.com/
Agilefantは、クラウドでもオンプレミスでもシステム構築が可能なオープンソースのプロジェクト管理ツールです。無料で導入できるオープンソースとクラウド型の有料版があります。
クラウド版は概ね50名までのプロジェクトチームを対象としており、アジャイル開発を取り入れていこうというスモールチームをターゲットにしています。ただし、現時点で提供されているホームページやマニュアル類はすべて英語ですので注意が必要です。
メリット
- アジャイル開発向けのツール
- オープンソースを利用すれば無料で独自のシステム構築が可能
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | 5ドル(月額) |
有料版の無料お試し期間 | – |
日本語対応の有無 | × |
Wrike
Wrikeはスケジュール管理に強いツールです。ダッシュボードで一画面にまとめられるため、感覚的にプロジェクトの進捗状況を把握することが可能。連絡業務、調整業務の負担を軽減してくれます。
基本プランのほか、マーケティングやクリエイティブ、コンサルティング向けのカスタムビルドも可能なので無料トライアルでプロジェクトに適したプランを選択すると良いでしょう。
メリット
連絡業務や調整業務の負担を大きく低減できる
プロジェクトの全体像を一目で把握できるレイアウト
汎用性が高く使いやすいプラットフォームでどんなチームにも対応可能
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | 9.8ドル(月額) |
有料版の無料お試し期間 | 14日 |
日本語対応の有無 | 〇 |
Planio
URL:https://planio.farend.jp/index.html
planioはプロジェクト管理や課題管理などができるオープンソースのソフトウェアRedmineをベースにしたプロジェクト管理ツールです。
アジャイルで使うタスクボードのほか、テレワーク用のビデオ会議システムやお客様サポートで使うヘルプデスク機能等も備えています。
多様な料金プランがあるのでビジネスの規模に合ったちょうどよいプランを探しやすいことも特徴の1つです。
メリット
- アジャイルボードによる視覚的なステータス更新が可能
- テレワーク、システム開発、顧客サポートに最適
- ニーズに合わせた多様な料金プラン
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | 2,500円(月額) |
有料版の無料お試し期間 | 30日 |
日本語対応の有無 | 〇 |
Todoist
Todoistはクラウド型ガントチャートツールの中でも比較的安価で、利用度が高い機能に絞り込んでいるのが特徴です。
日や週ごとの目標を設定することで達成度を一目でわかるグラフで可視化。完了したタスクをどんどん消していく形式となっています。
メリット
- Todoリストの色合いが強く、少数精鋭向き
- 機能を絞り込むことで実現した安価な費用
- 外部の様々なアプリと連携できる
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | 338円(月額) |
有料版の無料お試し期間 | 30日 |
日本語対応の有無 | 〇 |
Todous
2012年にグッドデザイン賞を受賞したtodousの魅力は、ひと目でタスク状況を把握できるグローバルUIデザイン。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットまであらゆる端末に最適化されており高い利便性を発揮します。
メリット
- グッドデザイン賞を受賞したUI
- スタンプやありがとうボタンによるコミュニケーションを活性化
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | 5,000円(月額) |
有料版の無料お試し期間 | – |
日本語対応の有無 | 〇 |
Trello
Trelloはタスクを管理によるチームの生産性向上に特化したツール。ボードに付箋を貼るような感覚でチーム内の情報を正確に共有できる点が特徴です。
また、フリープランでも全ての機能が無制限に利用可能となっています。
メリット
- フリープランでも無制限で全ての機能が利用できる
- タスク管理に特化している
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | 5ドル(月額) |
有料版の無料お試し期間 | 14日 |
日本語対応の有無 | 〇 |
みんなでガント.com
URL:https://www.minna-de-gantt.com/
みんなでガントは会員登録不要でガントチャートを作成・共有できるツールです。
インターネットでガントチャートを閲覧・編集ができるのが特徴です。
月額利用料が多いクラウド型において、みんなでガントはほとんどのプランで6ヶ月または12ヶ月でのライセンス契約となっているので注意が必要です。
メリット
- 会員登録が不要
- PC、iPhone、Android上で管理可能
フリープランの有無 | なし |
有料版の最低料金 | 1800円(トライアルプラン/3ヶ月) |
有料版の無料お試し期間 | 30日 |
日本語対応の有無 | 〇 |
PCインストール型(オンプレミス型)のガントチャートツール5選
がんすけ
がんすけは、ガントチャートに特化したフリーウェアのスケジュール作成・管理ソフトです。カレンダー上にチャートを配置・移動させるシンプルなデザインで、簡単に操作できます。
複数人数でのスケジュール共有というよりは個人のスケジュール管理向きのツールです。有料版の「がんすけ2」もあります。
メリット
- 無料で利用できる
- シンプルなデザインで操作が簡単
- 個人向き
フリープランの有無 | なし |
有料版の最低料金 | 1800円(トライアルプラン/3ヶ月) |
有料版の無料お試し期間 | 30日 |
日本語対応の有無 | 〇 |
Microsoft Project
URL:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/project/project-management-software
その名の通り、Microsoftが提供しているプロジェクト管理ソフト。シンプルな操作性とコミュニケーションツールが特徴です。
比較的高価なソフトではありますが、Microsoft Teamsのツールと連携することでチャットやミーティングなどをシームレスに行えるなど拡張性の高さが魅力です。
メリット
- Microsoftの様々なツールとのコラボレーションが充実
- インストール型の他にクラウド型のプランもある
- 柔軟なカスタマイズが可能
フリープランの有無 | なし |
有料版の最低料金 | 105,024円 |
有料版の無料お試し期間 | – |
日本語対応の有無 | 〇 |
Project Canvas
URL:https://www.rumix.co.jp/pc/
Project CanvasはWindowsで使えるガントチャートの作成に特化したプロジェクト管理ソフトです。
長期間のスケジュールを想定した業種(システム開発や建設業等)や複数のガントチャートを使用するような作業を想定した設計であり、データベース不要のグループウェアとしても活用できます。
メリット
- 横にタスクを並べて配置する工程表の作成にも向いている
- 無料トライアルで全ての機能が利用できる
- スケジュールの設定が柔軟に対応できる
フリープランの有無 | なし |
有料版の最低料金 | 4,400円(年間ライセンス) |
有料版の無料お試し期間 | 30日 |
日本語対応の有無 | 〇 |
ProjectLibre
URL:https://www.projectlibre.com/
ProjectLibreはOpenProjから派生した無料のプロジェクト管理ツール。Java製なので幅広いプラットフォームに対応可能。ガントチャート作成やWBS作成な多彩な機能が実装されており、Microsoft Projectの読み込みも行えます。
ただし、日本語対応はしていないので導入の際には注意が必要です。
メリット
- 世界中にコミュニティがあり、積極的な情報共有が行われている
- 幅広いプラットフォームに対応できる
- 英語に抵抗がなければ無料で使用できる
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | – |
有料版の無料お試し期間 | – |
日本語対応の有無 | × |
OpenProj
URL:https://ja.osdn.net/projects/sfnet_openproj/
Microsoft Projectの代替となるフリーソフトウェアとして開発されたOpenProj。その特徴はMicrosoft Projectと同レベルの機能性や操作性を備えていることです。
またMicrosoft Projectと互換性があり既存のプロジェクトファイルを編集することが可能になっています。
ただし、英語版のみで日本語対応はしていないため、それなりの英語リテラシーが必要です。
メリット
- Microsoft Projectと同レベルの機能性や操作性なのに無料
- Microsoft Projectとの互換性
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | – |
有料版の無料お試し期間 | – |
日本語対応の有無 | × |
モバイルアプリのガントチャートツール3選
Backlog
URL:https://backlog.com/ja/
Backlogのモバイルアプリ。iOS及びAndroidでインストールできるので、外出先でも進捗を確認したり課題の追加やコメントができます。
メリット
- スマホで手軽に更新できる
- 外出先で進捗チェックが可能
フリープランの有無 | 〇 |
有料版の最低料金 | 2,640円(月額) |
有料版の無料お試し期間 | 30日 |
日本語対応の有無 | 〇 |
Jooto
Jootoのモバイルアプリ版。
アプリのプッシュ通知機能を使えばメンバーのタスク更新状況がリアルタイムでスマホに通知されるので、チェック漏れによるリスクを軽減することが可能です。
メリット
- パソコンと連動して使用可能
- プッシュ通知で外出先でもタスク更新状況をチェックできる
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | 500円(月額) |
有料版の無料お試し期間 | – |
日本語対応の有無 | 〇 |
Wrike
Wrikeのモバイルアプリでは、プロジェクト・フォルダー・タスクの作成、ダッシュボードの表示切替、ガントチャートの表示の3つの機能が利用できます。
ただし、その他の機能は制限されるため、パソコンと併用するのが良いでしょう。
メリット
- 部分的に使えない機能があるものの、スマホやタブレットから手軽にプロジェクトへアクセスできる
フリープランの有無 | あり |
有料版の最低料金 | 9.8ドル(月額) |
有料版の無料お試し期間 | 14日 |
日本語対応の有無 | 〇 |
まとめ
いかがだったでしょうか。
一口にガントチャートツールと言っても、機能やプラン(費用)、ターゲット(業種)はそれぞれ異なっていることがお分かりいただけたと思います。
ガントチャートツールを選ぶ際に大切なのは、自社のビジネスやチームのプロジェクトの運用に合致しているかどうかを見極めることです。また、実際のUIや使用感も使い続けるうえで非常に重要な指標の1つ。
フリープランや無料トライアルでいくつか試していくことで、きっとピッタリのツールが見つかるはずですよ。なお、次のページではExcelやGoogleスプレッドシートのガントチャートテンプレートを紹介しています。