Excelにはプルダウン機能があり、事前に設定しておけば面倒な入力業務を短縮できます。普段からExcelをよく使っていて、かつ下記に該当する場合、プルダウンを設定しておきましょう。

【Excelのプルダウンを活用すべきシーン】

  • 同じ項目を複数回入力するルーティンワークがあるとき
  • 複数人で同じExcelを管理・編集するとき
  • 入力ミスや表記ブレが多く後々の修正が面倒なとき

この記事では、Excel上でプルダウンを設定する方法を紹介していきます。

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Excelのプルダウンとは

プルダウンとは、あらかじめ用意された選択肢のなかから、項目を設定する方法です。「ドロップダウン」「ドロップダウンリスト」と呼ばれることも多く、クリックすると選択肢が表示されます。

プルダウンとは、あらかじめ用意された選択肢のなかから、項目を設定する方法です。「ドロップダウン」「ドロップダウンリスト」と呼ばれることも多く、クリックすると選択肢が表示されます。

項目を選択するだけで入力が完了するので、入力の手間を削減したいときに活用するとよいでしょう。

Excelにプルダウンを設定するメリット

Excelにプルダウンを設定するメリットは、入力の手間を削減できることだけではありません。下記のようなメリットがあるので、業務効率化のため導入している企業も多いです。

下記では、具体的なメリットについて解説します。

入力ミスを予防できる

Excelにプルダウンを設定することにより、キーボードの押し間違いによる単純な入力ミスを予防できます。あらかじめ設定されている選択肢を選ぶだけなので、毎回似たような項目を手入力する必要がなく、ミスが起きる頻度を大幅に下げられるのです。

また、「プルダウンが開かない=入力項目がズレている」「プルダウンに選択肢がない=処理が間違っている」という気づきも与えやすくなります。軽微なヒューマンエラーを予防したいときにこそ、プルダウンを活用していきましょう。

表記ブレを予防できる

Excelにプルダウンを設定しておけば、表記ブレも予防できます。表記ブレ(表記揺れ)とは、同じ意味の単語でありながら文字表記が異なってしまうことであり、具体的には下記のような例が挙げられます。

【表記ブレの一例】

  • 引っ越し・引越し・引越
  • 東京・東京都
  • ホームページ・HP
  • Webサイト・Webサイト
  • おすすめ・おススメ
  • 1ヶ月・1か月・1ヵ月
  • スマートフォン・スマホ

イメージしやすいのは、「引越し」「引っ越し」のように送り仮名の有無が変わってしまう表記ブレです。他にも、カタカナ表記とアルファベット表記(ホームページ・HP)、半角全角(Webサイト・Webサイト)、単位違い(ヵ月・ヶ月)などが挙げられます。

また、「Webサイト」と「HP」、「Excel」と「表計算ソフト」など、意味は同じであっても表現の仕方が異なる単語もあるので注意しましょう。

特に複数人で同じExcelを管理・編集するときは、担当者ごとの表記癖が出てしまうことも多いです。他の担当者がどう表記しているか、前回どう表記したかを確認する手間をなくしたいときに、プルダウンが役立ちます。

データを整理しやすくなる

Excelにプルダウンを設定しておけば、項目ごとにデータを絞り込むなど整理・整頓したいときにも便利です。Excelには入力内容ごとにデータを絞り込めるフィルター機能が搭載されていますが、入力ミスや表記ブレがあると正しく絞り込めなくなってしまいます。

(例)

カテゴリは全て同じ「振り込み」を意味していても…

入力ミス・表記ブレがあるとフィルターの内容も細分化されてしまいます。

結果、「振り込み」で絞り込みをかけたときに該当する2件しか表示されず、正しいデータ整理ができません。

カテゴリや商品名など、固定の内容でデータを絞り込みたいときは、プルダウンを設定しておいた方がよいでしょう。アルファベットの半角・全角やスペースの有無による差でも別のものとして扱われてしまうので、最初からプルダウンを使ってミスなく入力することが重要です。

Excelにプルダウンを設定する方法

ここでは、実際にExcel上でプルダウンを設定する方法を解説します。

なお、選択肢が多いときは項目リストを使った設定を検討しましょう。あとで選択肢を追加・削除しやすいので、いくつプルダウンを設けるべきか今の段階で分からないときにも最適です。

反対に、選択肢が少ないときは入力値を使った設定にするのが便利です。項目リストを使う必要がなく、手軽に設定できます。

下記でそれぞれの設定法をキャプションつきで解説します。

【選択肢が多いとき】項目リストを使った設定法

【1】都道府県のように選択肢が多い場合、項目リストを使うのがおすすめです。まずはメインとなる表以外を作り、それ以外の場所に項目リストを作成しておきましょう。

項目リストには、プルダウン上で選択肢として表示してほしい全ての項目を入力しておきます。今回は47都道府県を全てリストに入れています。

【2】①入力したいセル(今回は「都道府県」の縦列)を選択し、②データタブ→データツール内にある「データの入力規則」をクリックします。

【3】設定画面が開くので、設定タブのうち「入力値の種類」を「リスト」にしておきます。

「元の値」の欄には、【1】で設定した項目リストをドラッグして入力しておきましょう。今後選択肢が増えた場合には、この「元の値」を設定しなおすだけで反映されます。

【4】元の画面に戻ると、入力先項目である「都道府県」のセルにプルダウンが表示されるようになっています。あとは選択肢のなかから選べば、入力が進みます。なお、プルダウンに設定されている項目であれば、手入力することも可能です。

【選択肢が少ないとき】入力値を使った設定法

【1】選択肢が少ないときは、入力値を使って手軽にプルダウンを設定していきましょう。①入力したいセル(今回は「年齢」の縦列)を選択肢し、②データタブ→データツール内にある「データの入力規則」をクリック、までは項目リストを使うときと同様です。

【2】設定画面が開くので、設定タブのうち「入力値の種類」を「リスト」にしておきます。

「元の値」の欄には、プルダウン上に選択肢として表示したい項目を全て手入力します。選択肢と選択肢の間は半角の「,(カンマ)」で区切りましょう。今後選択肢が増えた場合には、この「元の値」に選択肢を追加します。

なお、プルダウン上に表示される順番は、この「元の値」に入力した順番で決まります。あまり選択肢が多くなるようであれば、項目リストでの設定に切り替えましょう。

【3】元の画面に戻ると、入力先項目である「年齢」のセルにプルダウンが表示されるようになっています。あとは選択肢のなかから選べば、入力が進みます。同様に、プルダウンに設定されている項目であれば、手入力することも可能です。

また、「男」「女」の選択肢を設ける性別欄や、100万円単位で設定する「年収」欄も、入力値を使った設定でカバーできます。

まとめ

Excel上にプルダウンを設定しておくことにより、入力の手間を削減しながら入力ミス・表記ブレを予防できるようになりました。同じ内容を繰り返し入力するようなシーンや、あらかじめ選択肢が限定されているに入力をするシーンで導入すれば、大幅な業務効率化が期待できるでしょう。

なお、当サイトではExcelの便利な使い方に関する情報を発信しています。ぜひ参考にしてみてください。