2022年11月に公開され、現在では様々なシーンでChatGPTは活用されるようになりました。しかしChatGPTの存在は知ってはいるものの、「ChatGPTがどのようなことができるのかわからない」「ChatGPTの使い方がわからない」といった疑問を持つ方も多いと思います。
本記事では、これから進んでいくAI時代に必須のツールとも言えるChatGPTの使い方や効果的な活用方法について紹介します。
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ChatGPTの魅力を徹底解説!
ChatGPTとは、アメリカの企業「OpenAI社」によって開発をされた会話型の人工知能(AI)のことです。
高度なAI技術により、人間を相手にしているような自然な会話を行うことができます。また世界中の様々な情報を学習することにより、数多くのジャンルについて幅広い回答を行えるため、日常やビジネスを問わない様々な場面で活用されています。
このようなChatGPTの魅力について、以下の2つの観点から紹介します。
- AI技術を活用した強力な文章作成力
- ビジネスや日常生活で役立つ機能
AI技術を活用した強力な文章作成力
ChatGPTの大きな魅力は、高度なAI技術を活用した文章生成能力の高さと言えるでしょう。
ChatGPTの文章生成能力の高さは、自然言語処理能力の高さにより実現されています。自然言語処理とは、日常的に人間が用いている言語をコンピューターが人間と同様にテキストや音声言語から理解して、それを使いタスクを遂行する技術のことです。自然言語処理能力をコンピューターが備えていることにより、質問の回答やソフトウェアのプログラミング、文章の翻訳・要約といった作業を行うことができるのです。
この高度なAI技術により、人間を相手にしているような自然な会話をすることができるのです。
一例として、「派遣会社って何?」とChatGPTに質問を投げかけた場合、「派遣会社とは、企業と労働者を仲介する役割を持つ人材派遣業の一種です。…(続く)」といったような文章が返ってきます。このように一言だけでなく、長文で回答してくれるのです。
また、ChatGPTは、実際にChatGPTを利用しているユーザーと行った対話やインターネット上に存在するデータを用いて常に学習を行い、アップデートを行っています。
ユーザーと行う対話を通じて新しい情報を取り込み、適切な応答を生成するための能力の向上を実施しています。そのため、時間の経過により数多くの情報が蓄積されていくほど人間により近い会話を行うことができるようになるのです。
ビジネスや日常生活で役立つ機能
ビジネスや日常生活で役に立つChatGPTの機能について紹介します。
ここでは、東京大学の松尾豊教授の研究室が発表したレポート「AIの進化と日本の戦略」で紹介されている内容をもとに、5つの便利な機能を詳しく説明していきます。
文章の添削や校正をする
ChatGPTの活用方法として、文章の添削や校正の作業を任せることが挙げられます。広く一般に使用されているMicrosoftの「Word」やGoogleの「Googleドキュメント」にも校正の機能はあります。しかし、ChatGPTは文章としてメッセージを入力するだけの手軽な方法で添削や校正を行ってくれます。
例えば、以下のようにメッセージを入力した場合、ChatGPTがどのように返答してくれるのかみてみましょう。
入力内容
「私はリンゴに持っていません。明日、スーパーに5つ買いに行こうおもっています」という文章を校正してください。
この依頼に対するChatGPTの返答は以下の通りです。
「私はリンゴを持っていません。明日、スーパーで5つ買いに行こうと思っています。」というふうに校正することができます。
特に違和感のない文章へと校正されました。
ブレインストーミングや壁打ちをする
意外と使い勝手の良い方法として、ChatGPTをブレインストーミングや壁打ちの相手として利用する使い方です。ビジネスにおけるマーケティングの手法や何らかのアクションを起こす場合のメリット・デメリット、企画を検討する際のアイデアの創出といった多くの場面でChatGPTが活用できます。
実際に、少子高齢化問題に関する次のような質問をChatGPTに行いました。
入力内容
日本の少子高齢化問題を解決するには、若年層に賃金が低いことがネックになっていかと思います。少子高齢化問題を解決するにあたって、若年層の賃金が低いことは本当に問題だと思いますか。問題だとすれば、それを解決するためにどのような現実的なアプローチがありますか。教えてください。
これに対するChatGPTの回答は以下の通りです。
ChatGPTの回答
若年層の賃金が低いことは、少子高齢化問題を解決するための課題の一つであり、その解決には重要な要素です。若年層の賃金が低いと、家庭を持つことができなかったり。子育てを諦めたりする人が増え、出生率が低下することが懸念されます。また、若年層の賃金が低いと、社会保障制度の維持が困難になります。
若年層の賃金を上げるためには、以下のような現実的なアプローチが考えられます。
1.働き方改革の推進
労働時間の短縮や柔軟な働き方の導入など、働き方改革を進めることで、労働生産性の向上や働く意欲の向上を促し、賃金の上昇につながる可能性があります。
2.高度経済成長を目指す
高度経済成長によって、企業が成長し、生産性が向上すれば、賃金の上昇につながる可能性があります。そのため、イノベーションや技術確認を促進し、競争力を高めることが求められます。
3.税制の見直し
若年層が退位して税負担を軽減することで、手取りの増加を促し、賃金の上昇につながる可能性があります。
4.最低賃金の引き上げ
最低賃金を引き上げることで、若年層の賃金が上がる可能性があります。
これらのアプローチを組み合わせて、若年層の賃金の向上を図ることで、少子高齢化問題に対処することができると考えられます。
内容に関しては検討の余地はありますが、ブレインストーミングや壁打ちの相手としては有用であると考えます。
アイデアを提案する
ChatGPTにアイデア提案をお願いすることもできます。アイデアが思い浮かばない場合だけでなく、ChatGPTにアイデアをとりあえず聞いてみてから自分で考えることにより、アイデア考案をより効率的に行うといった使い方ができます。
実際にキャッチフレーズやコピーライティングのアイデアをChatGPTに聞いてみた結果を紹介します。今回提案されたアイデアは以下の通りですが、コピーの数を増やしたり、より詳細に質問をすることによりさらにしっくりくるコピーが提案される可能性もあります。
入力内容
起業家向けにインタビュー記事やノウハウ記事を掲載しているWebメディア「創業手帳」を宣伝するためのキャッチフレーズを30文字以内で5パターン作成してください。
これに対するChatGPTの返答は以下の通りです。
ChatGPTの回答
1.「ビジネス創業の道しるべ、創業手帳」
2.「創業成功は手帳次第、創業手帳」
3.「スタートアップを加速する、創業手帳」
4.「起業の全てがわかる、創業手帳」
5.「起業家のパートナー、創業手帳」
文章や概念を要約する
文章の要約をする際、ChatGPTを活用して行うことができます。しかし、ChatGPTには文字数の制限があるため、特定の文字数の文章しか要約することができないことが難点です。制限を超える長さの文章を入力しても要約を行なってくれません。
日本語の入力文字数上限の目安は、無料版で約2000文字、有料版で約4000〜80000文字です。
一例として、「マイクロ法人を設立しよう!メリットとデメリット、作り方を徹底解説」という記事から、「マイクロ法人を設立する4つのメリット」についての以下の文章を要約を依頼した結果について紹介します。
入力内容
以下の文章を要約してください。
マイクロ法人を設立する4つのメリット
マイクロ法人を設立することにより、メリットを享受できます。続いては、個人事業主からマイクロ法人になると、具体的にどのようなメリットがあるのかを紹介します。
節税対策ができる
最初に紹介するメリットは、節税対策ができることです。事業を行なっている人にとって節税は大きな課題になります。
なぜマイクロ法人になると節税対策になるのでしょうか。
法人税率は稼げば稼ぐほど有利に
個人事業主としてビジネスを行うよりも、法人化した方が支払う税金を抑えられます。
個人の所得は累進課税なので、所得の高さに比例して税率が高くなる仕組みです。
一方、法人になると、基本的に税率が一定の法人税を支払うことになるので、稼げば稼ぐほど有利です。
この文章の要約をChatGPTに依頼した場合の返答は以下の通りです。
ChatGPTの回答
「マイクロ法人を設立する4つのメリット」という記事は、マイクロ法人を設立すると節税でき、経費が広がり、所得分散効果を利用でき、欠損金を10年間繰り越せるなどのメリットがあることを説明しています。具体的には、法人税率は稼げば稼ぐほど有利で、法人化すると経費計上できる範囲が広がるため、節税対策ができる。また、家族を役員にすることで、所得分散効果を利用できるほか、欠損金を10年間繰り越せることで、利益と相殺して税金を算出できます。
参考:ChatGPTの文字数制限は何字?有料版・無料版で違う?
論点の洗い出しやリサーチ
本格的なリサーチを自身で行う前に、ChatGPTに聞いてみることでその後のリサーチの効率を高めるといった使い方ができます。
一例として、「東京都港区に飲食店を出店するメリット・デメリット」についてChatGPTに聞いてみた結果を紹介します。
入力内容
東京都港区に飲食店を出店するメリット・デメリットを教えてください
この質問をChatGPTにした際の回答は次の通りです。
ChatGPTの回答
東京都港区に飲食店を出店するメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
1.高所得者層が多い地域であるため、需要がある。
2.観光客が多く訪れるエリアであるため、需要がある。
3.優れたアクセス性があり、都心部に位置するため、集客しやすい。
4.外国人観光客にも人気があり、ビジネスチャンスがある。
5.他のエリアに比べて高単価での営業が期待できる。
6.人材確保がしやすく、経験豊富なスタッフが集まりやすい。
【デメリット】
1.高い家賃や物価がかかるため、開業費用が高くなる。
2.競合店が多く、競争が激しい。
3.高級志向のため、設備や内装に一定のクオリティが求められる。
4.営業時間が長くなる場合があるため、スタッフのシフト管理が難しいことがある。
5.周辺には大学やオフィスビルが多く、夏季や冬季には閑散期が生じる場合がある。
以上が東京都港区に飲食店を出店するメリット・デメリットの一例です。開業前によく検討しリスクを最小限に抑えるためにも、ビジネスプランの策定が必要です。
何らかの企画を検討する際に、想定できる様々な可能性を事前に考えておくことに活用できるでしょう。
Chat(チャット)GPTとは?使い方の例、できることは何?仕事がなくなるってホント!?
無料で始めるChatGPTの登録方法
ChatGPTは利用できる機能がある程度制限されている無料版と、機能に制限のない有料版がそれぞれあります。
ここでは、誰でも気軽にChatGPTを利用することができる無料版のChatGPTの登録方法について、次の項目に分けて紹介します。
- アカウント作成手順と注意点
- ログイン方法とトラブル対処ガイド
アカウント作成手順と注意点
初めに、ChatGPTへアクセスしましょう。
- OpenAI(https://chat.openai.com/auth/login)のHPにアクセスします。または、「ChatGPT」で検索を行い、OpenAIの「Introducing ChatGPT」にアクセスします。
- ページ内の「Try ChatGPT」をクリックします。
実際のアカウント作成に移ります。アカウント作成には、メールアドレスを用いた作成方法と外部サービスのアカウントを用いた作成方法があります。
メールアドレスを用いたアカウント作成
- アクセスしたChatGPT内の「Sign up」をクリック
- 「Email address」に登録したいアドレスを入力
- 「Continue」をクリック
- 希望するパスワードを「Passward」欄に入力
- 「Continue」をクリック
外部サービスのアカウントを用いたアカウント作成
- アクセスしたChatGPT内の「Sign up」をクリック
- ページ下部に連携可能な外部アカウントが一覧で表示されているため、利用したい任意のサービスをクリック
- 連携したい外部サービスのアカウント情報を入力してログイン
ChatGPTは利用規約によって利用可能年齢が13歳以上となっています。また、18歳未満の場合は保護者の同意が必要となっているため、未成年者の方が利用されたい場合は注意しましょう。
ログイン方法とトラブル対処ガイド
ChatGPTのログイン方法は次の通りです。
- ChatGPTにアクセスして、「Log in」をクリックする。
- 作成したアカウントの種別に合わせたログインを行います。
メールアドレスで作成した場合は、メールアドレスを入力します。外部サービスのアカウントで登録した場合は、対応するアカウントをクリックし、ログインします。
トラブル対処ガイドとして、以下ではChatGPTで見かけるエラーを10個紹介します。
①Access denied Error code 1020
このエラーは、Webサイトを閲覧することができない場合に表示されます。原因として考えられる要因は以下の3つです。
- ChatGPTのWebサイトによるIPアドレスブロック
- Webサイトによるアクセスの拒否
- セキュリティ対策によるアクセスブロック
対処方法
- Webページの更新を行う
- 接続先のWebサイトに障害が発生していないかを確認する
- 別ウィンドウで開いているサイトを閉じる
②An error occurred.
このエラーは、ChatGPTのサーバーへ負荷がかかっている場合やチャット画面をしばらく放置してからプロンプトの再入力をした際に表示されることが多いです。
対処方法
- 時間を置いてから再度ChatGPTに接続する
- 再ログインを行う
- ページの再読み込みを行う
③Oops, an error occurred!
このエラーは、ブラウザの翻訳機能の影響によりChatGPTの回答にエラーが発生している状態の時に表示されます。
対処法
- プロンプトへの入力文章を短縮する
- ブラウザの翻訳機能を切る
④load failed
このエラーは、ChatGPTやブラウザの翻訳機能がシステムエラーを起こした場合に表示されます。
対処法
Webページのリロードを行う
- ブラウザの翻訳機能を切る
- インターネット通信環境を確認する
⑤ChatGPT is at capacity right now,
このエラーは、ChatGPTに対するアクセスが集中する事で、一時的にChatGPTの利用が停止した場合に表示されるエラーです。
対処法
- 時間を置いてから再度ChatGPTに接続する
- 再ログインを行う
- ページの再読み込みを行う
⑥Something went wrong.
このエラーの表示は、多数のユーザーがChatGPTを利用することにより、ネットワークに高負荷が発生していることが原因として考えられます。
対処法
- 時間を置いてから再度ChatGPTに接続する
- 再ログインを行う
- プロンプトの内容を変える
- ページの再読み込みを行う
⑦Application error
このエラーは、ユーザーのWebブラウザに問題が生じた際に表示されます。
対処法
- ページの再読み込みを行う
- ブラウザのコンソールからエラーをチェックする
- ブラウザの翻訳機能を切る
⑧The message you submitted was too long,….
このエラーは、入力したプロンプトの文字数が長すぎる場合に表示されます。
日本語の入力文字数上限の目安は、無料版で約2,000文字、有料版で約4,000~80,000文字です。
対処法
- ページの再読み込みを行う
- プロンプトを短縮する
⑨回答途中に停止する
ChatGPTと対話の最中に突然回答が止まってしまうことがあります。これは、ChatGPTへの負荷が大きいため、回答に時間を要する場合に発生します。
対処法
- ページの再読み込みを行う
- 同一チャットでの対話を連続して行わない
- ブラウザの翻訳機能を切る
⑩不審なアクティビティを検出しました
このエラーは、ボットなどの外部ツールを悪意あるものだと認識した際に表示されます。
対処法
- PCツールやブラウザの拡張機能で影響しそうなものをオフにする
参考:
ChatGPT says ‘We detect suspicious activity.’
ChatGPT活用の基本とおすすめの使い方
ChatGPTの基本的な活用方法とおすすめの使い方について、次の2つの視点から紹介します。
簡単な質問から複雑な検索まで対応
ChatGPTでは、「〜について教えて」といった簡単な質問から、先述した少子化問題の解決に関するアプローチ方法についての提案依頼といった複雑なものまで対応しています。
これまでは調べ物をインターネットを利用する際、Webブラウザで検索していたものを、ChatGPTに投げかけることで瞬時に回答してくれます。
また、ビジネスシーンで必要とされるような複雑な検索や質問であっても回答が可能です。
それだけでなく、ChatGPTはユーザーとおこなった対話データをもとに日々進化しています。そのため、時間が経過するほど回答の精度が上がっていくのです。
日本語にも対応!効果的な入力方法
ChatGPTは英語だけでなく、日本語やスペイン語、フランス語や中国語など様々な入力言語に対応しています。
無料版と有料版では入力可能文字数や最大応答単語数などに違いはありますが、様々な言語を用いてChatGPTに質問を投げかけることができます。
またテキストだけでなく音声での会話のやりとりや、画像データを用いた質問を行うこともできます。
例えば実際に声を用いてChatGPTとの会話を楽しんだり、冷蔵庫の中にある食材の写真を撮って、ChatGPTに夕食のメニュー提案をしてもらうといった使い方もできるのです。
参考:OpenAI、ChatGPTに音声返答と画像認識機能を搭載「日本経済新聞」
ChatGPT Plusのメリットと料金プラン
ChatGPT Plusとは、ChatGPTをベースにより快適に・先行的に新しい体験をすることができる有料プランのことです。
ChatGPT Plusでは、これまでChatGPTに搭載されていた「GPT-3.5」だけでなく、2023年3月14日に公開された次世代大規模言語モデル「GPT-4」を利用することができます。
ChatGPT Plusについて、以下の2つのポイントに分けて詳しく紹介していきます。
- 有料版の追加機能と効率アップの秘訣
- プラン選びのポイントと料金比較
有料版の追加機能と効率アップの秘訣
無料で提供されているサービスであるChatGPTと、有料で提供されているChatGPT Plusの違いについて確認していきましょう。ChatGPT Plusの主な特徴は次の通りです。
- 月額20ドル(約2,900円/2023年12月現在)で利用可能
- 強化されたGPT-3.5の他に、新技術であるGPT-4が利用することができる
ユーザーが急増していることによりアクセス制限がかかる場合がある無料版と異なり、優先的なアクセス権が提供されているため、アクセスが集中していてもスムーズに利用できます。
また問題や懸念事項に対する優先的なサポートが提供されています。
GPT-3.5と新技術であるGPT-4はどのような違いがあるのでしょうか。
以下では、GPT-4によってどのような性能アップが図られたのかについてみていきましょう。
フィードバック反映性能の向上
GPT-3.5においても、ユーザーから提供されたフィードバックを取り入れることにより、回答内容の修正を実施していました。GPT-4ではこの性能がさらに改善され、ユーザーが必要としている情報を短時間かつ正確に得られるようになりました。
回答の安全性が向上
GPT-3.5では、倫理面の弱さが弱点と言われており、犯罪に利用されるリスクや人を傷つけてしまうリスクが指摘されていました。しかしGPT-4では、アルゴリズムを改良することにより、ルールベースの判別機能の強化により、回答の安全性が向上しています。
回答の正確性が向上
GPT-3.5とGPT-4に司法試験の模擬問題を解かせたところ、GPT-3.5はスコアがテスト受験者の下位10%ほどでした。一方、GPT-4はスコアが上位10%との結果となり、回答の正確性が飛躍的に向上したとされています。
これまでのGPT-3.5では、質問に対する回答が的外れなものであったり、誤ったものであるケースが報告されていました。しかし、GPT-4ではそのような問題もGPT-3.5と比べて40%改善されたとしています。ただし、依然として正しくない情報を生成してしまう傾向は残されています。
出典:GPT-4
入力の自由度が改善
GPT-3.5において、入力はテキストのみに限られていました。しかし、GPT-4では、テキストだけでなく画像を用いた入力を行うことができるようになりました。例えば、手書きのWebデザインを画像データとしてGPT-4に読み込ませることにより、HTMLコードへと変換して出力することが可能です。
また、関連した画像データを読み込ませた上で「その画像の面白い点を説明して」というような質問に対しても回答することが可能となりました。
関連記事:【2023年最新】Chat GPTの活用方法とは?アイデアが広がる事例サイトも紹介
プラン選びのポイントと料金比較
ChatGPTの無料版と有料版の違いについて表にまとめました。
無料版 | 有料版 | |
料金 | 0ドル | 月額20ドル(約2,800円) |
言語モデル | GPT-3.5 | GPT-4.0強化されたGPT-3.5 |
対応言語 | 英語、日本語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、中国語など | 違いなし |
アクセスのしやすさ | 利用者数や時間帯によりつながりにくくなる | 優先アクセス権が付与される |
回答精度(パラメータ数) | 1,750億個 | 5,000億~100兆個 |
メッセージ送信上限 | 非公開 | 50回/3時間 |
無料版と有料版の違いとしては、優先アクセス権の有無と利用回数やメッセージ送信上限が大きいです。
どのような使い方をするかを考えて、月額料金を支払って有料版を利用するか検討すると良いでしょう。
出典:GPT-4
ChatGPTを活かした企業の事例紹介
ChatGPTの機能を仕事やビジネスに活用している企業が増えています。実際にChatGPTを仕事やビジネスに取り入れようと思っても、具体的にどのようにChatGPTが活用できるのかわからないこともあるでしょう。
ここでは実際にChatGPTを活かした企業の事例について、次の2つの活用方法を詳しく紹介します。
コンテンツ作成やマーケティング活用法
Coca-Cola社は、ベイン・アンド・カンパニーとOpenAI社と提携して、ChatGPTをはじめとした生成AIのマーケティング活用のための「Create Real Magic」を立ち上げました。
「Create Real Magic」は、AIを活用したツールを用いて、オリジナルアートワークの生成を行うことができるプラットフォームです。
Coca-Cola社では、このプラットフォームを活用したコカ・コーラのボトルロゴやキャラクターを用いたアート制作コンテストを17カ国のクリエイターを対象に実施しました。
アーティストとコカ・コーラのファンが共同で作品制作を行う機会を設けることで、今までにないマーケティングを行うことができると、Coca-Colaグローバル最高マーケティング責任者のマノロ・アロヨ氏は語っています。
参考:Coca-Cola Signs As Early Partner for OpenAI’s ChatGPT, DALL-E Generative AI
API連携でChatGPTを自社サービスに導入
Yoom株式会社は、業務の自動化を行うSaaS連携データベース「Yoom(ユーム)」を提供しています。これは、さまざまなSaaSのシステムと連携を行い、データの自動取得・更新を行うことができるツールです。
Yoom株式会社は、ChatGPTの自然言語処理モデル「GPT-3」とAPI連携を行うことにより自社サービスである「Yoom」に導入しました。
「Yoom」がChatGPT APIに対応したことにより、業務の自動化をGPT-3を活用して行うことができるようになりました。
実際にAPI連携したことにより実行可能となったサービス例は次のようなものです。
- 商品説明を作成する
- メールからテキストの抽出を行う
- 新製品開発のアイデアを創出する
- マーケティング施策の立案を行う
- 口コミがポジティブなものか、ネガティブなものかを判断する
- 議事録の要約を行う
「Yoom」とGPT-3を組み合わせることにより、業務の効率化のみでなく、新規のビジネスチャンスを創出することにも繋がる可能性があります。
参考:SaaS連携データベース「Yoom(ユーム)」 OpenAIが開発のGPT-3とAPI連携開始
ChatGPTを安全に利用するための注意点
ChatGPTは数多くのビジネスシーンで活用することのできる便利なものです。しかし、ChatGPTを安全に利用するためには、いくつか注意しなければいけないことがあります。
ここでは、ChatGPTを安全に利用するために特に注意しておきたい2つの内容について紹介します。
データ保護とプライバシーに配慮した利用方法
ChatGPTのビジネスシーンでの活用を検討する際、特に注意しなければいけない点がデータ保護とプライバシーに配慮した利用方法であるかどうかです。
これは、ChatGPTが質問に対する回答を行う際、インターネット上に存在する様々なデータやユーザーが行った過去の質問や回答から集めたもので行われるためです。
仮にテキストベースの内容である場合も著作権法が適用されるものはあります。そのため、ChatGPTの回答が書籍や他のメディアに記載されている内容そのままを回答することがあります。そして、その内容を自社サイトなどで変更せずにそのまま掲載してしまった場合、著作権の侵害に当たる可能性があるのです。
特に企業で利用している場合は、時に問題の発覚や拡散がSNSで行われて炎上してしまうと、今後の事業に対する悪影響を及ぼす結果となってしまう恐れがあるため注意しましょう。
「ChatGPTが質問に対する回答を行う際、インターネット上に存在する様々なデータやユーザーが行った過去の質問や回答から集めたもので行われる」と紹介しました。
そのため、機密情報が記載されているテキストの要約や整理などをChatGPTに依頼すると、社外のユーザーがその内容に関連した質問を行った際に、機密情報を含んだ回答になる可能性があります。
また、OpenAI公式からでも特定プロンプトを削除することはできないため、「ChatGPTに機密情報の共有をしないように」と警告が出されています。
ChatGPTを使ってフィッシングメールの作成や悪質なマルウェアの生成を行うことができることは、複数の世界的な大手ベンダーより報告がされています。このような理由でも機密情報をChatGPTで取り扱うリスクは許容値を超えていると言えるでしょう。
参考:ChatGPTを狙った悪用の手口、フィッシングメール作成やプロンプト漏えいも どう対策する?(要約) – ITmedia Mobile
公式サポートやFAQで解決できる問題
ChatGPTを利用する上で、疑問点や不具合が発生した場合は、ChatGPTの開発元であるOpenAI社へ問い合わせをしてみましょう。OpenAI社への問い合わせ方法は、次の通りです。
- OpenAIヘルプセンターへチャットによる問い合わせを行う
- 上記URLのページ右下にあるアイコンをクリックする
- ダイアログが表示されるため、メニュー内にある「Ask a question」を選択する
- AIチャットボットとの対話できるチャット画面に移行する
なお、AIチャットボットとの対話で解決できない場合はチャット画面に「Talk to a person」と入力すると対人でのチャットが可能です。
よくある質問
ChatGPTを利用する上でよくある質問について、以下の3つを紹介します。
ChatGPTの無料版でどこまで使えますか?
ChatGPTの無料版で利用できる機能について紹介します。
利用可能モデル | GPT-3.5 |
利用できる機能 | テキストの生成言語の翻訳基本的な質問応答文章の要約 |
API | 毎月18ドル分の無料枠が付属(無料枠を使い切ると有料課金)※ |
1質問ごとのワード数 | 2,500語 |
文字数 | 2,048文字(日本語) |
回数制限 | 最大60回/分最大4,000回/日 |
画像での質問対応 | 非対応 |
※利用にはアカウント登録のほか、APIキーを取得する必要があります。
生成した文字数に応じて無料枠は消費されます。一文字換算で0.0006ドルなので、30,000文字までを無料枠で生成することができる計算です。ただし、初回登録より3ヶ月以内に使い切る必要があり、4ヶ月目に無料枠はなくなります。
ChatGPTは1日何回まで無料ですか?
無料版のChatGPTには、1回の対話で利用できる文字数の制限と回数の制限があります。
無料版の利用回数制限は、最大60回/分、最大4,000回/日です。
1回の対話で利用できる文字数は、2,048文字までの制限があります。これは日本語だけでなく、英語の場合も同様の制限がなされています。また、スペイン語やフランス語、中国語の場合は、1,024文字の制限がかけられています。
便宜上文字数制限と表現していますが、文字数として制限を行っているのではなく、実際は「トークン数」で制限をかけているため、同じ日本語でも「ひらがな」「漢字」により上限の違いがあるため注意してください。
参考:
ChatGPT(チャットGPT)の回数制限は?無料と有料版で違う?1時間制限を解除するには?
ChatGPTはどういう時に使うのですか?
ChatGPTの主な用途は、次の3つです。
- 会話を行う
- 情報収集や学習に使う
- クリエイティブ系の作業の際に使う
会話を行う
ChatGPTは素早く流暢な文章を生成することができるため、人間相手に行っているような感覚で会話をすることができます。
例えば悩み相談やちょっとした雑談などに使うことができます。
情報収集や学習に使う
通常、Web検索では、求めている情報をより的確に得るために検索ワードを工夫したり、検索結果から欲しい情報を選別する必要があります。
一方ChatGPTは、インターネット上に存在する膨大なデータをもとに学習を行なっています。そのため、ChatGPTに知りたいことを投げかけるだけで欲しい情報を得ることができるのです。
クリエイティブ系の作業の際に使う
ChatGPTは、プログラムのコード生成や文章の生成なども行うことができます。
関数の作成やコードの生成が行えるため、プログラミング作業のサポートができたり、小説や脚本、記事の作成など多岐にわたって活用することができます。
また、作成した文章を入力することで、校正や添削も行なってくれます。内容や文法に間違いがないかの判断だけでなく、「より柔らかい文体で」「子供にもわかりやすく」といったような要求をすることもできます。
まとめ
今回は、ChatGPTの使い方や効果的な活用方法について紹介しました。
ChatGPTは「OpenAI社」が開発した対話型のAIチャットサービスです。日本語入力に対応していて、人間相手のような自然な会話をやり取りしたり、情報収集や学習、クリエイティブ系作業など多岐にわたって活用することができます。
必ずしも正確な回答でない場合や著作権・プライバシーへの配慮が不十分な点は残っているため、回答を人間が確認する必要はありますが、非常に便利なツールです。本記事を参考に、ぜひChatGPTに触れてみてはいかがでしょうか。
ChatGPT使い方に関する重要用語
ChatGPTの使い方に関する重要用語について紹介します。
用語 | 説明 |
プロンプト | ChatGPTにおけるプロンプトとは、ChatGPTが処理を行う(応答する)ためにユーザーが入力する命令文のことです。ChatGPTが行う回答の質は、プロンプトの質と比例しています。そのため、ユーザーがプロンプトでどのような条件指定をするかは、高品質なテキスト生成において重要な要素です。 |
プラグイン | プラグインとは、「拡張機能」のことを言います。ソフトウェア本体にない機能を追加させるために使用される場合が多いです。一般的なプラグインは、取り扱うためにスキルや知識を必要とします。一方、ChatGPTにおけるプラグインは、対話形式で指示を出すことができるため、簡単に操作することができます。 |
ディープラーニング | コンピュータに大量のデータを学習させて、特徴をデータ内から抽出する技術のことを言い、深層学習とも呼ばれます。人間や動物の持つ脳神経回路をもとに作成されていて、人工知能技術のひとつが機械学習ですが、ディープラーニングは機械学習の中に含まれます。 |