AIの活用で注目されているのが「ChatGPT」です。ChatGPTを使用すれば、日々の業務を効率化することが可能となります。日本国内でも大手企業や官公庁がChatGPTの導入を進めている状況です。

「ChatGPTのことは知っているけど活用方法がわからない」「何に使用すれば良いのか知りたい」など、ChatGPTについて詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ChatGPT活用例や具体的な始め方、将来像などについて紹介します。

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ChatGPTって何?OpenAIが開発した最新技術

ChatGPT

ChatGPT(Chat Generative Pre-trained Transformer)は、アメリカのOpenAI社が開発した対話型のチャットサービスです。「チャットジーピーティー」と読み、2022年11月の登場から注目されています。

ChatGPTには人工知能が搭載されていて、人間と対話しているような自然なやり取りが可能です。使用できる言語も豊富で、日本語、中国語、韓国語、英語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語などに対応しています。

ChatGPTを立ち上げて、知りたいことなどを入力するとChatGPTから回答が返ってくる仕組みです。ChatGPTは膨大にあるインターネット上のデータを常に学習しており、その中から的確な回答を返すことができます。

利用者と過去にやり取りした履歴を覚えているため、自然な対話が可能です。過去の会話に間違いがあった場合、ユーザーは訂正することができるなど、自然な会話に近づけるための仕組みも考えられています。ChatGPTは誰でも無料で利用することができるため、利用者が増え続けている状況です。

Web版だけでなく、モバイル端末向けにアプリ版がリリースされました。スマホで手軽にChatGPTを利用する環境となったため、今後も利用者が増加していくと考えられるでしょう。

GPT-3とGPT-3.5の違い

GPT(Generative Pre-trained Transformer)は、OpenAI社によって開発された「大規模言語モデル」のことです。言語モデルとは、人が発する言葉を単語ごとの出現確率を使ってモデル化したものです。言語モデルをディープラーニング技術と大規模なデータセットを組み合わせて構築したのが、大規模言語モデルとなります。

つまりAIが膨大なデータを学習して言語処理能力や文章生成能力を身につけ、言葉の次に続く単語を予測できるようにするための仕組みです。

GPTは初期タイプの「GPT-1」から「GPT-3」「GPT-3.5」「GPT-4」と進化を続けています。「GPT-3」と「GPT-3.5」の主な違いは、次の通りです。

  • パラメータ数
  • ユーザーインターフェース
  • 人間のフィードバックによる強化学習を反映
GPT-3とGPT-3.5の主な違い説明
パラメータ数GPT-3では1750億個でしたが、GPT-3.5では3550億個となっています。パラメータ数とは、学習中に最適化する変数の数です。そのためパラメータ数が多いほど精度の高い応答を返すことが可能となります。
ユーザーインターフェースGPT-3ではコマンドに対する応答という形のユーザーインターフェースでしたが、GPT-3.5ではチャット形式となっています。このユーザーインターフェースの進化が、多くの人に利用されるようになった要因です。
フィードバックによる強化学習GPT-3.5では、人間のフィードバックで強化学習を行えるようになりました。そのためGPT-3と比較すると、GPT-3.5の方が違和感のない回答を返せるようになっています。次のステップで強化学習を行う仕組みです。会話文にて、人間が出力結果を準備します。その結果を基に、GPT-3.5の微調整を行います。微調整の後、1つの入力要素に対しての応答を複数出して適切かどうかを人間が評価します。評価をランク付けし、強化学習を行います。

日本語対応のChatGPTアプリを利用しよう

ChatGPTは2022年11月にリリースされて以来、利用者数が急増しています。しかしパソコンでの利用が必須でした。そのため、「外出先でChatGPTを使いたい」「スマホで手軽にChatGPTを利用したい」などの要望を持っている人も多かったのではないでしょうか。

2023年5月より、iOS向け日本語対応のChatGPTアプリが利用できるようになっています。さらに2023年7月には、Android向けもリリースされました。

これはOpenAI社から、ChatGPTのAPIがリリースされたためです。API(Application Programming Interface)は、異なるソフトウェア同士をつなぐための命令となります。ChatGPTのAPIを使用することで、外部のソフトウェアからChatGPTを操作することが可能となりました。そのためアプリが作成可能となっています。

ただし注意しないといけないのが、偽物アプリが出回っていることです。APIによって簡単にChatGPTを操作するためのソフトウェアを作ることができるため、偽物アプリが作られています。ChatGPTからリリースされているアプリは1種類なので覚えておきましょう。

ChatGPTのスマホアプリを利用する場合、簡単な手続きですぐに利用が可能となっています。

関連記事:ChatGPTの登録方法は? 利用料金やログイン方法について解説

ChatGPTの魅力を企業活用事例から学ぼう

ChatGPT

ChatGPTはビジネス分野でも利用されています。ChatGPTでは、文章の作成や修正、要約などが可能です。そのためクライアントへのメール文章を作成したり、文章のチェックを行ったりすることができます。

その他にも、さまざまな場面でChatGPTを活用することが可能です。ここでは、企業でのChatGPT活用事例について紹介します。

顧客サポート

ChatGPTを利用して顧客サポートを行うことが可能です。次のような利用方法が考えられるでしょう。

項目説明
顧客の声を分析アンケートやSNSなど、さまざまな顧客の声を集めてChatGPTに入力することで分析することが可能です。顧客が考えている課題、要望などが把握可能となります。顧客満足度の向上につなげられるだけでなく、商品やサービスの改善にも役立てることが可能です。
ヘルプデスクChatGPTをヘルプデスク業務に活用することが可能です。ChatGPTは人と同じように言語を理解する能力が備わっています。顧客の問題を判断し、解決策を提案することが可能です。例えばWebサイトにチャットボットを設置する方法となります。チャットボットを設置すれば、24時間顧客の対応ができるため、顧客満足度を上げたり人員を削減したりすることが可能となるでしょう。
顧客セグメンテーション顧客の意見を分析し、顧客を分類することが可能です。顧客を分類することで、ターゲットとする顧客層を明確にできるため、顧客の満足度向上やマーケティングに活かすことができます。
顧客オンボーディング顧客オンボーディングとは、商品やサービスを購入した顧客に対して使用方法や知識などを教育することです。ChatGPTを活用しオンボーディングをサポートすることで、効率よく進めることが可能となります。また人員の削減にも役立つでしょう。
トラブルシューティングChatGPTを使用すれば、発生したさまざまなトラブルに関しての対処方法を自動で顧客に提示することが可能です。ChatGPTによるサービスは、従来の人によるカスタマーサービスよりも迅速で的確な対応ができると言えるでしょう。

コンテンツ作成

ChatGPTは、Webコンテンツ作成にも活用することが可能です。指示したスタイルやトピックに基づいて、自然な文章を出力することができます。そのためメールの自動生成、レポート作成、ブログ記事作成、クイズ製作など、さまざまな場面で利用可能です。

さらにChatGPTは、長い文章を簡単に要約することができます。コンテンツの概要を説明したい場合にも、ChatGPTを使用することが可能です。コンテンツ作成の具体例を以下に説明します。

項目説明
Webサイト構成の提案どのようなWebサイトにすれば良いのかをChatGPTに問い合わせ、提案してもらうことが可能です。誰向けの何を目的としたWebサイトなのか、具体的に指示を出すことで求めている回答を得ることが可能となります。
Webサイトの文章生成文章のイメージをChatGPTに指示する方法です。ChatGPTは文章だけでなく、見出しやタイトルも提案することができます。具体的な内容を指示することで、書きたい文章を生成することが可能です。
HTMLコーディング支援ChatGPTはプログラムコードを生成することも可能です。Webサイト用のHTMLのプログラムコードや、動的な箇所に使用するJavaScriptのプログラムコードも出力することができます。この場合も、具体的な指示を出すことが大切です。

教育分野での活用

ChatGPTを社内の教育で利用することができます。従来の社内教育では、教える人が時間を割く必要がありました。また教育対象者側も、不明点に対して「聞きづらい」などの状況も考えられます。

ChatGPTを活用すれば、これらを解決することが可能です。ChatGPTを活用する利点を以下にまとめています。

利点説明
気軽に質問ができる教育対象者が不明点や疑問点を持った場合でも、忙しそうな先輩や上司には聞きづらいものです。また質問内容に不安があって聞けないという場面もあるでしょう。ChatGPTを利用すれば気軽に質問を入力することができるため、学習効率が向上します。また教育対象者の精神的なストレスも解消可能です。
一人で学習を進められる従来では先輩や上司が教育担当となり、教育を実施していました。教育時は業務の手を止めて対応する必要があるため、時間が割けない場合は教育が進みません。ChatGPTを利用することで、教育対象者が一人で学習を進めることが可能となります。教育担当の時間を割く必要もなく、効率よく進めることが可能です。
教材作成ができるChatGPTに業務教育の資料を指示することで、教材を作成することが可能です。また研修の内容も提案してもらうことも可能となります。

ChatGPTの簡単な始め方

ChatGPT

ChatGPTには「Web版」「アプリ版」があります。Web版の場合はインストール不要で公式サイトから利用することが可能です。アプリ版はスマホでの利用することができ、アプリをインストールする必要があります。

それぞれ無料プランと有料プランが用意されている状況です。

種類無料プラン(ChatGPT)有料プラン(ChatGPT Plus)
Web版無料で利用可能です。GPT-3.5-turboを使った基本的なチャット機能が利用できます。月額20ドルです。GPT-4を使用し高精度で高速なチャット機能、優先的なアクセス、拡張機能などが利用できます。
アプリ版無料で利用可能です。GPT-3.5-turboを使った基本的なチャット機能が利用でき、モバイル端末に対応しています。月額3000円です。GPT-4を使用し高精度で高速なチャット機能、優先的なアクセス、拡張機能、モバイル対応などが利用できます

※参考記事:AI Smiley「ChatGPTとは?使い方や始め方、日本語対応アプリでできることも紹介!

最新機能を無料で体験

Web版、アプリ版どちらも無料で使用することが可能です。それぞれの始め方について紹介します。

Web版のChatGPT始め方

Web版ではインストールなどの手順は不要です。Webサイトから利用することができます。

  1. ChatGPTの公式サイトにアクセスします。(https://openai.com/blog/chatgpt)
  2. 「Try ChatGPT」をクリックしてください。
  3. 初めて利用する場合はアカウントを作成します。「Sign up」を選択してください。
  4. メールアドレスまたは、Googleアカウント、Microsoftアカウントを選択します。
  5. その後、OpenAIからメールが届きます。
  6. メール内の「Verify email address」からアクセスし、名前と電話番号を登録してください。
  7. ショートメールに6桁の認証番号が送られるので、その番号を入力すればアカウントの作成が完了です。
  8. ChatGPTが利用できるようになりました。

アプリ版のChatGPT始め方

アプリ版では、スマホにアプリをインストールする必要があります。

  1. iOSなら「AppStore」、Androidなら「Google Play」からアプリをダウンロードし、インストールしてください。
  2. メールアドレス、パスワード、名前などを入力し、アカウントを作成します。
  3. ショートメールに6桁の認証番号が送られるので、その番号を入力すればアカウントの作成が完了です。
  4. アプリ版のChatGPTが利用できるようになりました。

ChatGPT Plus機能とは?

ChatGPTには有料版の「ChatGPT Plus」機能があります。ChatGPT Plusは、最新のAI技術である「GPT-4」を利用することができ、高度な対話能力が備わっている状況です。またプラグインの利用やWebブラウジング機能の搭載、優先的にサポートを受けられるなど、ユーザーにとってのメリットが大きいと言えます。

下表は、ChatGPT Plusのメリットをまとめたものです。

メリット説明
GPT-4の利用GPT-4は最新のAI技術です。パラメータ数が約100兆個に拡張されており、精度の高い情報を出力できます。また複数指示に対応できたり、誤字脱字が大幅に減ったりしているのが特徴です。またマルチモーダルを搭載し、テキスト情報だけでなく音声や画像も取り込むことが可能となっています。
ブラウジング機能ブラウジング機能により、インターネットの利用が可能となりました。インターネットで検索を行い、情報を収集して回答を生成する方法です。そのため最新の情報に関する回答も可能となっています。インターネットの情報を使って回答を出力した場合は、参考としたWebサイトのURLも出力されるため、裏付けの確認が可能です。
プラグインの利用プラグインとは、ChatGPTに追加できる機能のことです。多くのプラグインが存在しています。例えばYouTubeの動画から情報収集できたり、テキスト情報から動画を製作したり、指定Webサイトを要約したりすることが可能です。

関連記事:【2023年最新】OpenAIがChatGPTのAPIを提供開始!利用手順や料金をわかりやすく解説

チャット形式の使い方

チャット形式とは、質問した内容に対して人間が回答しているような自然な対話の形を言います。以下は、ChatGPTとのチャットを円滑に進める方法についての紹介です。

ユーザーとの対話を円滑に進める方法

ChatGPTは対話型のコミュニケーションが可能です。ユーザーが指示や質問を入力すると、ChatGPTはそれに対しての応答を出力します。個人やビジネスでさまざまな利用方法が考えられるでしょう。

ChatGPTとの対話を円滑にするためには、以下の基本事項が重要です。

基本事項説明
明確な指示や質問ChatGPTは、明確で具体的な指示や質問が入力された場合、効果的な出力結果を返します。複数の意味を持つ文言を使用したり、あいまいな表現を入力したりした場合は、要求する応答が返ってこないことも考えられるでしょう。明確な意味や意図をもったコミュニケーションを行うことが重要です。
適切なコンテキストChatGPTは、ユーザーから与えられた状況、出来事、事情などのコンテキストを基にして応答を出力します。そのためコンテキストの背景や必要情報なども一緒に提供することで、正しい応答を出力することが可能です。
応答を評価ChatGPTの応答の品質は、一定ではありません。効果的な応答の場合もあったり、間違った内容の場合もあったりします。そのため常に応答を評価し、必要に応じて補足や修正を行うことが大切です。
フィードバックの提供ChatGPTは、AIが学習した内容を基にして応答を出力します。そのためChatGPTに対してフィードバックを提供することが大切です。誤った情報や不適切な内容があった場合は、OpenAI社にフィードバック送信し改善を促すことが必要となります。

AIが提供する回答の信憑性を確認

ChatGPTはユーザーからのさまざまな指示や質問に対して、学習した情報を基に応答を出力します。そのため学習した情報が間違った内容であった場合、ChatGPTの応答も間違ったものになるでしょう。

ChatGPTは、インターネット上の膨大なテキストデータを学習しています。Webサイト、記事、フォーラム、書籍、ブログなどです。そのため、間違った情報を学習してしまう可能性があるということを知っておく必要があります。

ChatGPTが出力した内容の信憑性を確認する場合、他から得た情報との違いをチェックすることです。特に重要な決断を下すための情報や専門的な情報に関しては、信頼性の高い情報源と比較することが重要となります。

また、ChatGPTの使い方を考えることも必要です。ChatGPTが得意とするのは、膨大な情報を集約したり、アイデアを生み出したり、コミュニケーションの相手として機能したりすることになります。

ChatGPTの得意分野を理解した上で、それを活かすような使い方をするのが良いと言えるでしょう。

ChatGPTの将来展望:画像認識や音声応答機能追加

ChatGPTは現時点において、世界的に需要が高い状況です。今後もこの需要は続くと考えられます。

そのような状況の中、2023年9月にOpenAI社がChatGPTに「画像認識」「音声認識」の機能を追加することを発表しました。需要の高いChatGPTへの機能追加は、多くの人の注目を集めています。新機能を追加したChatGPTは「ChatGPT-4V」です。

アプリ版のChatGPTには「音声認識」機能を追加し、すべてのプラットフォームのChatGPTには「画像認識」機能を追加します。

※参考記事:OpenAI ヘルプセンター「ChatGPT — リリースノート

画像認識と生成技術:GPT-4Vの進化

画像認識機能では、画像情報をChatGPTへ入力し指示や問い合わせが可能となります。例えば、旅行先で写真を撮りそれについてChatGPTと会話したり、冷蔵庫に残っている食料の写真を撮って食事のメニューを提案してもらったりすることが可能です。またグリルが故障した場合のトラブルシューティングに活用することもできます。グラフの画像を写真に撮ってChatGPTに入力することで、グラフの分析をすることも可能です。

画像認識機能を活用すれば、今までのような質問を言語化する必要がなくなり、迅速でミスのない方法で利用することが可能となるでしょう。

以下に、画像認識機能で想定される活用方法や注意点をまとめています。

「画像認識機能」の項目説明
業務での活用方法印刷された資料や表などを画像として読み込ませ、資料作成の補助に利用することが可能です。ただし現時点では、アルファベットは認識されやすいですが、その他の文字については認識されない可能性があるでしょう。また画像を取り込むことで構成しているカラーを分析することも可能です。デザインを重視する業務の場合に活用できるでしょう。
注意点ChatGPTに入力した画像データは、ChatGPT側で利用される可能性があります。そのため、インターネット上に拡散されてしまうことも考えられるでしょう。プライバシーに関してのリスクが存在することを知っておく必要があります。またテキスト入力に対する応答と同様に、画像入力に対する応答は必ずしも正確とは限りません。ユーザーはChatGPTから返ってきた応答の信憑性を見極める必要があると言えるでしょう。さらに画像データに人物が写っている場合は注意が必要です。人物が特定され、ストーカー行為などに発展する危険性もあります。

音声応答機能:会話型アプリへの応用

音声認識では、ChatGPTへの指示や質問を音声によって行える機能です。人と会話しているようにChatGPTとやり取りすることができたり、音声の内容をテキスト文章として出力することができたりします。

例えば夕食メニューに関しての議論や、旅行先での会話の相手をするなどです。手が離せない状況においても、声を出すことができるならChatGPTを利用することが可能となります。音声認識機能は、ChatGPTの利用場面を大きく拡大するものとして期待されている状況です。

以下に、音声認識機能で想定される活用方法や注意点をまとめています。

「音声認識機能」の項目説明
業務での活用方法何かの作業を行っている最中に、ChatGPTに指示を出したり質問をしたりすることが可能です。また手が汚れている状態でも、音声を活用することでChatGPTを利用できます。
注意点この機能では音声データがChatGPTに送信され保存されるため、ChatGPTで利用される可能性があります。プライバシーに関するリスクがあることを理解しておく必要があるでしょう。ChatGPTの「チャット履歴とトレーニング」項目の設定をOFFにしたり、履歴を定期的に自動削除されるように設定したりしておくなどの対応が必要です。テキスト入力や画像入力と同様に、音声入力の応答に関しても正解が返されるわけではありません。応答内容に関しては信憑性を確かめる必要があります。

よくある質問

ここではChatGPTに関して、よくある質問をまとめています。

ChatGPTの欠点は何ですか?

ChatGPTには、いくつかの欠点があります。

情報が間違っている場合もある

ChatGPTから返される内容がいつも正しいとは限りません。ChatGPTは大規模言語モデルをベースに作成されており、インターネット上にある大量のデータを学習して応答内容を導き出しています。そのため間違った情報や古い情報を学習している可能性もあり、信憑性がない場合も考えられるでしょう。

専門的な質問に弱い

ChatGPTは、さまざまな分野の質問に答えることができます。しかし専門的な内容に関しては、限定的となるでしょう。例えば税務相談や法律相談に関しては、専門家でも意見が分かれる場合があります。そのためChatGPTの応答内容が正しいとは言いきれません。

またマイナーな分野など十分な学習ができていない場合も、正しい内容を返すことができないと言えるでしょう。

必要以上に長い回答を返す

ユーザーの求めているのが簡潔な回答だった場合でも、ChatGPTは多くの情報を出力する傾向があります。文字数を指定することも可能ですが、その文字数に一致した回答を返すことはできない状況です。

フィッシング詐欺のリスク

フィッシング詐欺は、偽メールから悪意のあるWebサイトに誘導したり、送信者を偽ったりして個人情報を盗み出す行為です。

外国人の犯罪者が日本語のメールを作成する場合、不自然な内容になるため、偽メールであることを見抜くのは容易となります。しかしChatGPTを利用してメールを作成した場合は、見抜くことが困難になるでしょう。

ChatGPTにもフィッシング詐欺に利用されない機能が備わっていますが、完全に防ぐことは不可能です。具体的な指示をChatGPTに出すことで、偽メールを作成することが簡単にできてしまいます。

情報拡散のリスク

ChatGPTは膨大なデータを学習し、応答内容の精度を向上させています。しかしフェイクニュースや真偽が不明の情報なども学習してしまう可能性があるでしょう。

さらに人間が持っている倫理的な考え方や判断力は、ChatGPTにはありません。そのため差別的な発言をしたり、不適切な情報を出力したりすることで、情報が拡散してしまった場合は風評被害を引き起こす可能性があります。

悪意のあるソースコードの生成

ChatGPTはプログラミングにも対応しています。ユーザーが指示した内容と言語でソースコードを出力することが可能です。そのため悪意のあるユーザーが、サイバー犯罪にChatGPTを利用することもできます。

例えば、ランサムウェアや機密情報を取得するソフトウェアなどです。知識がない初心者でも簡単に作成できてしまうため、サイバー犯罪の可能性が高まる懸念があります。

情報漏洩

ChatGPTでは、利用ユーザーの情報を学習データに活用しています。そのため、自身の情報を他のユーザーの応答内容に出力される可能性があると言えるでしょう。

入力情報の利用を制限する場合は、ChatGPTの設定で「オプトアウト」を選択する方法があります。しかし実際に、入力した情報が消えているかどうかは不明です。

個人情報や機密情報はどのような扱われかたをするのか不明なため、情報漏洩を防止する意味でも入力しない方が良いと言えるでしょう。

ChatGPTが日本語にならないのはなぜですか?

ChatGPTの公式Webサイトは、英語表示です。Webサイト上に言語選択がないため、日本語表示を選択することはできません。

しかし英語表示の状態でも、ChatGPTに日本語で質問すれば日本語で応答が返ってきます。ChatGPTを利用する場合、複雑な設定は不要です。テキストボックスに質問や指示を入力することで利用することができるため、Webページが英語表示でも大きな影響はありません。

ただしChromeの翻訳機能を利用すれば、ChatGPTのWebサイトを日本語表示にすることが可能です。

  1. ChromeでChatGPTの公式サイトを表示してください。
  2. Chrome上で右クリックします。
  3. 「日本語に翻訳」を選択します。
  4. Webページが日本語表示になります。

ChatGPTはどこの会社が作ったのですか?

ChatGPTは、OpenAI(オープンエーアイ)社が作りました。OpenAI社はアメリカのサンフランシスコに拠点を置いているAI開発専門の企業です。2015年に非営利研究機関として設立されました。

2022年11月にリリースしたChatGPT、2023年3月にリリースしたChatGPT-4で世界的に注目を集めています。企業価値も急成長しており、2022年12月には約200億円だったのが2023年3月時点では推定3兆9400億円となっている状況です。

ChatGPTの利用者に関しても、リリース後2ヶ月で1億人を超えており、現在も増え続けています。

※参考記事:日経ビジネス電子版「OpenAIとは?「ChatGPT」を生んだAI開発企業が世界に与えるインパクト

まとめ

今回は、ChatGPTの始め方や活用例、将来像などについて紹介しました。ChatGPTは「GPT-1」「GPT-3」「GPT-3.5」「GPT-4」と進化を続けており、応答内容の精度が向上しています。

ChatGPTはインターネット上の膨大なデータを学習し、統計的に適切と判断した言葉をつなぎ合わせて応答を出力する仕組みです。特定の言葉の次にどのような言葉が続くか可能性を評価し、組み合わせていくため、自然で文法的にも正しい表現で出力されます。

ChatGPTには得意分野と苦手分野があり、下表にまとめました。

得意分野苦手分野
膨大な文章を要約文章の誤字脱字の指摘キャッチコピー、台本、企画のたたき台の作成外国語で文章作成や翻訳プログラムのソースコード出力最新情報の出力実在の作品や事件、人物に関しての情報独創的なアイデアの出力専門知識の提供マイナー情報の提供

苦手分野でChatGPTを利用した場合、事実と反した応答が返される場合もあります。そのため、信憑性の確認をする必要があると言えるでしょう。

現在のChatGPTは、テキスト入力に対しての応答が主な利用方法です。しかし将来的には画像や音声を使用した入力方法も可能となります。画像や音声を入力できるようになれば、さらに利用シーンが拡大するため、ユーザーにとっては便利なものとなるでしょう。

この新機能によって、さらに日常業務を効率化することが可能となります。

ChatGPTに関する重要用語

ChatGPTに関しての重要用語をまとめています。

用語説明
ChatGPTChat Generative Pre-trained Transformerの略です。アメリカのOpenAI社が開発した対話型のチャットサービスになります。
GPTGenerative Pre-trained Transformerの略です。OpenAI社によって開発された「大規模言語モデル」になります。
GPT-4最新のAI技術となります。パラメータ数が約100兆個に拡張されており、精度の高い情報が出力可能です。マルチモーダルを搭載し、テキスト情報だけでなく音声や画像も取り込むことが可能となっています。
パラメータ数機械学習モデルが学習する際に最適化する変数の数です。変数は入力データを処理して、応答を生成したり予測したりする際に使用します。パラメータ数が多いほど、複雑なモデルを学習することが可能です。しかし学習時の計算量が増えたり、過学習となったりするリスクも存在しています。
マルチモーダルテキストや動画、音声、画像など、複数の情報を取り込むことができるAI技術です。今まではテキストのみ、動画のみのように、1つの情報しか取り込むことができない状況でした。これをシングルモーダルと呼びます。シングルモーダルからマルチモーダルに進化したことで、人間が五感で情報を処理するようにAIが進化してきました。
大規模言語モデル言語モデルをディープラーニング技術と大規模なデータセットを組み合わせて構築したものです。言語モデルとは、人が発する言葉を単語ごとの出現確率を使ってモデル化したものになります。
ChatGPT PlusChatGPTの有料プランのことです。最新のAI技術である「GPT-4」を利用することができます。
画像認識機能画像情報をChatGPTへ入力することで、指示や問い合わせが可能となる機能です。冷蔵庫に残っている食料の写真を撮って食事のメニューを提案してもらったり、グラフ画像を分析したりすることができます。
音声認識機能ChatGPTへの指示や質問を音声によって行える機能となります。手が離せない状況においても、ChatGPTへの質問や指示を出すことが可能です。