Excelでは、数式に書式設定を適用できる「TEXT関数」が使えます。セルの書式設定はひとつずつ手作業で切り替えることもできますが、膨大なセルの書式設定を一律で変更したいときはTEXT関数を使うのが便利です。数値をより読みやすい形式に統一もできます。

今回は、Excelで使える便利なTEXT関数について紹介します。日付や数値など書式を自在にコントロールできるので、上手に活用していきましょう。

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ExcelのTEXT関数の基本

excel text関数

まずは、ExcelにおけるTEXT関数の基本から解説します。

TEXT関数の概要と用途

TEXT関数とは、セルの数値を書式(表示形式)を設定して文字列として変換する関数です。表示形式コードを使用して数値に書式設定を適用できるので、数値の表示形式を変更できるのが特徴です。

これにより、数値を読みやすい形式で表示できるようになります。また数値を文字列や記号と組み合わせるときにも使えます。

TEXT関数の構文と入力方法

TEXT関数の最も簡単な形式は、「=TEXT(書式設定する値, “適用する表示形式コード”)」です。よく使われている事例を下記で紹介します。

数式説明
=TEXT(1234.567,”$#,##0.00″)桁区切り記号と小数点以下2桁を設定した通貨に使えるTEXT関数。Excel では値を小数点以下2桁に四捨五入する点に注意しましょう。
=TEXT(TODAY(),”MM/DD/YY”)月/日/年の形式の今日の日付を入力するTEXT関数。
=TEXT(TODAY(),”DDDD”)今日の曜日を入力するTEXT関数。
=TEXT(NOW(),”H:MM AM/PM”)現在の時刻を入力するTEXT関数。
=TEXT(0.285,”0.0%”)パーセンテージを自動入力するTEXT関数。
=TEXT(4.34 ,”# ?/?”)数値を分数表示に統一するTEXT関数。
=TRIM(TEXT(0.34,”# ?/?”))数値を分数表示に統一するTEXT関数。小数点の先頭のスペースと10進数を削除して表示します。
=TEXT(12200000,”0.00E+00″)指数表記するTEXT関数。
=TEXT(1234567898,”[<=9999999]###-####;(###) ###-####”)「(123)456-7890」など電話番号形式に変更するTEXT関数。
=TEXT(1234,”0000000″)数値の先頭にゼロ(0)を追加するTEXT関数。
=TEXT(123456,”##0° 00′ 00””)緯度・経度を表示するTEXT関数。

TEXT関数は下記の方法で設定します。

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【1】TEXT関数を適用したいセルまたは範囲を選択し、右クリックして「セルの書式設定」に進みます。

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【2】分類欄で「ユーザー定義」を選択し、「種類」の部分に使いたいTEXT関数を入力します。

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【3】通貨・日付・時刻・パーセンテージ・分数・指数など、よく使う表示形式は既に「分類」のなかに含まれています。複雑なTEXT関数を使わず書式設定したいときは、こちらを使ってもよいでしょう。

ここに含まれていないオリジナルの表示形式にしたいときは、「ユーザー定義」から自由にTEXT関数で設定するのがおすすめです。

関連記事:Excelのワークシートが表示されない場合はどうする? 再表示方法を解説

TEXT関数を活用した具体例

excel text関数

ここでは、TEXT関数を活用した具体例を紹介します。自分にとって使いやすい表示形式があれば試してみましょう。

日付と曜日の表示形式を整える

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【1】日付から曜日を指定形式で取得したいときや日付のセルと曜日のセルを分けたいときは、曜日計算用の列を用意します。

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【2】日付から曜日を算出するため、TEXT関数を使います。TEXT関数とは、セルの数値を書式(表示形式)を設定して文字列として変換する関数です。

「=TEXT(B3,”ddd”)」で、「B3セルの日付から曜日を算出する」という意味になり、「土」と一文字で表記されます。「土曜日」と表記したい場合は、「=TEXT(B3,”dddd”)」と入力します。

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【3】同様のTEXT関数を他のセルにもコピーすることで、全体を曜日表示できます。

数値データの表示書式を変更する

excel text関数

【1】TEXT関数は、ありとあらゆる表示形式に対応できます。

関数意味
=TEXT(A4,”0″)小数点以下を切り捨てて表示するTEXT関数
=TEXT(A5,”yyyy/mm/dd”)2024/01/01形式で日付を表示するTEXT関数
=TEXT(A6,”金#,##0円也”)「金〇円也」と自動入力するTEXT関数
=TEXT(A7,”aaaa”)該当セルが何曜日が自動で算出するTEXT関数
excel text関数

【2】該当のTEXT関数を使うことで、数値データの表示書式を変更できます。

複数セルの値を結合して表示

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【1】各日付の来場者数を合計したい場合、「=”来場者は、約” & SUM(C3:E33) & “人です”」と入力します。これにより合計人数だけでなく「来場者は〇人です」という明確な文章にできます。

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【2】更にTEXT関数を使って表示形式を整えることも可能です。「=”来場者は、約” & TEXT(SUM(C3:E33),”#,##0,千人”) & “です。”」と入力することで、「来場者は、約11千人です」と表示されます。

およその人数だけわかっていればよいときや、ざっくりと四捨五入した数値にしたいときに便利です。

よくある質問

TEXT関数を使って日付・数値を自在にコントロールしたいときに関して「よくある質問」を紹介します。

ExcelのTEXT関数でaaaと入力するとどうなる?

ExcelのTEXT関数でaaaと入力すると、曜日が入力されます。「月、火、水、木、金、土、日」など一文字で曜日を表す形式になるので、「()」でくくると見やすくなります。

また、TEXT関数では他の形式で曜日表示することも可能です。

コード表示形式
aaa月、火、水、木、金、土、日
aaaa月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日
dddMon、Tue、Wed、Thu、Fri、Sat、Sun
ddddMonday、Tuesday、Wednesday、Thursday、Friday、Saturday、Sunday
excel text関数

【1】曜日を算出したいセルに「=TEXT(曜日を算出したいセル,”dddd”)」と入力します。

【2】同様の関数をコピー&ペーストして他のセルに貼り付ける、もしくはドラッグで同じ内容をコピーして適用させます。

同様に「=TEXT(曜日を算出したいセル,”aaa”)」と入力すれば、「(月)」などの表記にできます。

TEXT関数の使いどころ?

TEXT関数は、主に下記項目について表示形式を変更したいときに使います。

  • 数値
  • 通貨
  • 会計
  • 日付
  • 時刻
  • パーセンテージ
  • 分数
  • 指数
  • 文字列

「月曜日」を「Monday」に変えたり、「10,000円」を「¥10,000」に換えたりすることも可能です。

まとめ

TEXT関数を使うと、表示ブレの起こりやすい数値や日付等の書き方を一度に統一できます。セルひとつずつ書式設定していく方法もありますが、膨大なセル数を一気に変更したいときはTEXT関数を使う方がよいでしょう。

ExcelのTEXT関数に関する重要用語

用語説明
TEXT関数セルの数値に書式(表示形式)を設定して文字列として変換する関数。「=TEXT(書式設定する値, “適用する表示形式コード”)」で記載します。
セルの書式設定事前に定義された書式スタイルと罫線や塗りつぶしの色などを追加することで、セルを書式設定する機能。