Excelでの作業を効率アップさせるためには、文字列を抽出する関数を使うのが大切です。都度マウスでドラッグしながら範囲指定し、コピー&ペーストで文字列を抽出する方法もありますが、膨大な作業範囲であるときは却って非効率になるため注意しましょう。ミスも生じやすく、関数を使った方が正確かつスピーディーな作業にできます。
本記事では、文字列抽出に役立つ関数を紹介します。用途に合わせて使い分けられるよう複数紹介するので、参考にしてみましょう。
Excelで文字列抽出の基本と使い方
まずはExcelで文字列を抽出したいときに役立つ関数を紹介します。それぞれの使い方を解説するので、活用シーンに合わせて選択しましょう。
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文字列抽出関数の一覧と活用ポイント
Excelで使える文字数抽出関数は数多く、使い分けが重要です。「どこから抽出するか」「どこまで抽出するか」「何を抽出するか」を覚えておけば、用途に合わせて使い分けできます。
用語 | 説明 | どこから抽出する | どこまで抽出する | 何を抽出する |
LEFT関数 | 文字列の先頭から文字数を指定して取り出す関数。 | 文字列の先頭から | 指定した文字数分だけ | 文字列 |
RIGHT関数 | 文字列の右から文字数を指定して取り出す関数。 | 文字列の右(終わり)から | 指定した文字数分だけ | 文字列 |
MID関数 | 文字列における指定した位置から指定した文字数分だけ切り出す関数。 | 指定した位置から | 指定した位置まで | 文字列 |
LEN関数 | 指定したセル内の文字数をカウントする関数。 | 指定したセルから | 指定したセルまで | 全体の文字数 |
FIND関数 | 指定された文字列を他の文字列の中で検索し、その文字列が最初に現れる位置を左端から数え、その番号を返す関数。 | 指定条件に合致する部分から | 指定条件に合致する部分まで | 指定した位置からの文字数 |
指定した文字数分の文字列だけを正確に抽出する関数もあれば、文字数そのものをカウントして抽出する関数まで、内容はさまざまです。詳しくは後述しますが、およその違いだけでも把握しておきましょう。
求める文字列を左から抽出:LEFT関数
LEFT関数とは、文字列の先頭から文字数を指定して取り出す関数です。「左から何文字分を抜き出す」という作業ができます。「=LEFT(文字列,文字数)」で示すことができ、「文字列」では文字列が入力されたセルを指定し、「文字数」では取り出す文字数を数値またはセルで指定します。
「=LEFT(A2,3)」でA2セルの先頭(左)から3文字分を抜き出す、という意味になります。結果、先頭から3文字分である「長崎県」が抜き出されています。
文字列を右から抽出:RIGHT関数
RIGHT関数とは、文字列の右から文字数を指定して取り出す関数です。「右から何文字分を抜き出す」という作業ができます。「=RIGHT(文字列,文字数)」で示すことができ、「文字列」では文字列が入力されたセルを指定し、「文字数」では取り出す文字数を数値またはセルで指定します。
「=RIGHT(A3,4)」でA3セルの右から4文字分を抜き出す、という意味になります。結果、先頭から4文字分である「各務原市」が抜き出されています。
文字列を中央から抽出:MID関数
MID関数とは、文字列における指定した位置から指定した文字数分だけ切り出す関数です。「先頭3文字目から2文字分を抜き出す」など柔軟な使い方ができます。「=MID(文字列, 開始位置, 文字数)」で示すことができ、「文字列」では取り出す文字(または文字列)を、「開始位置」では文字列から取り出す先頭文字の位置を、「文字数」では取り出す文字数を指定します。
「=MID(A4,1,4)」でA4セルの左から1文字目を起点に4文字分を抜き出す、という意味になります。結果、1文字目から4文字分である「神奈川県」が抜き出されています。
文字列の長さを自動取得:LEN関数
LEN関数とは、指定したセル内の文字数をカウントする関数です。指定したセルの文字数をカウントできるので、テキストのボリュームを知りたいときに役立ちます。「LEN(文字列)」で示すことができ、「文字列」には文字数を知りたいセルを指定します。
「=LEN(A5)」でA5セルの文字数をカウントする、という意味になります。結果、「鹿児島県 薩摩川内市」が合計10文字であるため、関数を反映させると「10」と表示されます。なおLEN関数では空白も1文字としてカウントするため、「鹿児島県薩摩川内市」は9文字、「鹿児島県 薩摩川内市」は10文字と認識されます。
特定文字の位置を見つける:FIND関数
FIND関数とは、指定された文字列を他の文字列の中で検索し、その文字列が最初に現れる位置を左端から数え、その番号を返す関数です。「=FIND(検索文字列,対象,開始位置)」で表せます。「検索文字列」には、検索したい特定の文字を入力します。「対象」には、検索文字列が含まれているであろう範囲(または文字列)を指定しましょう。「開始位置」には、文字の検索を始める位置を指定します。
「=FIND(“県”,A6,1)」で、A6セル内における「県」の文字が1文字目からカウントして何文字目に位置するか、という意味になります。結果、冒頭から3文字目にある「県」を認識して「3」と表示されます。
よくある質問
Excelで文字列を抽出できる関数に関して「よくある質問」を紹介します。
Excelで文字を抽出する関数は?
Excelで文字を抽出するのに役立つ関数は、主に下記の通りです。
- LEFT関数
- RIGHT関数
- MID関数
- LEN関数
- FIND関数
それぞれ抽出できる内容や使い方が異なるので、シーンに応じて使い分けましょう。「どこからどこまで」「何を」抽出できるか意識するだけで、使いやすさが向上します。
Excelで特定の文字列を右側から取り出す関数は?
Excelで特定の文字列を右側から取り出したいときは、RIGHT関数が便利です。「RIGHT(右)」という言葉が意味する通り、右側(文字列の終わり)から指定した文字数だけを取り出せます。
上記のように単位のある位置がセル内でバラバラになっている表であっても、RIGHT関数であれば指定した単位だけを取り出すことができます。「=RIGHT(A13,2)」でA13セルの右から2文字を抜き出すという意味になり、同様の関数をコピー&ペーストしていくことで他セルにも適用できます。
まとめ
Excelを使っていると、「指定した部分の文字だけ抜き出したい」「テキストやデータのボリュームが多くて特定の文字列がどこにあるかわからない」ということが起こり得ます。そんなときは文字列抽出に役立つ関数を使い、指定した文字列(または範囲)だけ抜き出して活用しましょう。
複数の関数を使い分けるなど工夫すれば、業務効率や生産性の向上にも貢献します。
Excel関数の文字列抽出に関する重要用語
用語 | 説明 |
LEFT関数 | 文字列の先頭から文字数を指定して取り出す関数。 |
RIGHT関数 | 文字列の右から文字数を指定して取り出す関数。 |
MID関数 | 文字列における指定した位置から指定した文字数分だけ切り出す関数。 |
LEN関数 | 指定したセル内の文字数をカウントする関数。 |
FIND関数 | 指定された文字列を他の文字列の中で検索し、その文字列が最初に現れる位置を左端から数え、その番号を返す関数。 |