数値を合計するときにはSUM関数が便利ですが、さらに条件を指定して数値を合計したいときはSUMIF関数を使います。特定部分の数値を瞬時に表示できるのでデータ分析における使用頻度が高く、業務効率化や間違いのない正確な計算に貢献します。

今回は、データ分析を効率化するSUMIF関数の使い方を解説します。

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SUMIF関数の基本

SUMIF関数とは、指定した条件を満たす範囲内の値を合計する関数です。一定条件を満たすセルだけ合計したい場合、ひとつずつのセルを目視しながらクリック選択する必要をなくせるため便利です。「=SUMIF(範囲, 検索条件, 合計範囲)」を基本構文として入力していきます。

条件を満たす数値だけを合計したいときは、「=SUMIF(B2:B16,”B”,C2:C16)」と入力します。「B2からB16までの範囲においてBと入力されているものの数値をC2からC16の範囲で選択し、合計する」という意味になります。

SUMIF関数の応用

excel sumif

SUMIF関数は基本的な使い方をするだけでも便利ですが、応用を組み合わせることで更に利便性が高まります。ここではSUMIF関数の代表的な応用法を解説します。

比較演算子を使う方法

比較演算子とは、「<(しょうなり)」「>(だいなり)」「=(イコール)」などを使って条件を指定する手法です。比較演算子を使う場合、「検索条件」の引数に以下を入力します。例えば、「〇〇県」のように「県」が入るセルのみを検索したいときや、「〇〇課長」など該当する役職名だけを検索したいときに便利です。

比較演算子意味使用例
>より大きい“>10”
<より小さい“<10”
>=以上“>=10”
<=以下“<=10”
=等しい“=10”
<>等しくない“<>10”

例えば「4,000円以上の商品の合計額」「20歳以下の合計人数」などを求めるときに使いやすく、SUMIF関数でも頻繁に利用します。

ワイルドカードの使用

Excelにおけるワイルドカードとは、抽出したい文字を検索するときに使う文字列のことです。類似したデータを持つ複数の項目を検索したいときに便利な手法であり、テキスト値の中の不明な文字を表すときにも使えます。

ワイルドカードの種類は、「*(アスタリスク)」「?」「~」とに分けられます。それぞれ意味や使い方が異なるので注意しましょう。

ワイルドカード意味使用例一致例
*任意の長さの文字“a*”a, ab, abc
?任意の1文字“b?”ba, bb, bc
~上記のワイルドカードパターンを検索“a~*”“a~?”a*,a?,

ワイルドカードは、抽出したい文字の前か後もしくは前後両方に付けることで、対象の文字列を含んだ文字が検索対象になります。比較演算子と同じく、「検索条件」の引数に以下を入力して使います。

複数条件を設定するSUMIFS関数を使う

SUMIFS関数とは、複数の検索条件に一致するすべての引数を合計する関数です。指定したい条件が複数あるときに使いましょう。「=SUMIFS(合計対象範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, …)」を基本構文として入力していきます。

excel sumif

「=SUMIFS(E4:E13,C4:C13,”<>土”,D4:D13,”午前”)」で、平日午前の来場者数を計算できます。「C4からC13の範囲にある土曜日以外、かつD4からD13の範囲にある午前、に該当するE4からE13の数値のみを合計する」という意味になります。

なお、「来場者数」はSUM関数で計算できます。SUM関数とは引数で指定したセルもしくはセルの範囲内にある数値の合計を計算する関数です。売上額の合計値、参加者の合計人数、倉庫内にある在庫商品の数など、数値を合算したいときに便利です。

SUMIF関数のトラブルシューティング

excel sumif

次に、SUMIF関数を使っているときによく発生するトラブルシューティングを解説します。エラー記号が出てしまった場合や期待した効果が得られない場合は、以下を参考ください。

SUMIF 関数で「#VALUE!」エラーが表示される場合

「#VALUE!」はエラー表示のひとつであり、「入力した数式に問題があるか、参照先のセルに問題があります」という意味です。まずはSUMIF関数の基本構文に間違いがないか、入力方法やスペルが間違っていエラーになっていないか確認しましょう。

その他、スペースを含む他のセルや特殊文字を参照している場合にも「#VALUE!」が表示されます。。非表示のスペースを含む場合にも発生するので、範囲指定内にスペースや非表示セルが含まれていないか確認します。

SUMIF 関数で「#NAME?」エラーが表示される場合

「#NAME?」もエラー記号のひとつであり、「数式名に入力ミスがある」という意味です。構文内で何かを修正する必要があることを示しているのであり、構文そのもののミスを指摘するものではありません。主に以下のエラー理由が考えられるので、チェックしてみましょう。

  • 定義されていない名前を数式で参照している
  • 定義された名前の入力ミスがある
  • 構文内における二重引用符が抜けている
  • セル範囲の参照にコロン(:)が抜けている
  • Excelで無効になっている特定アドインを必要とする関数を使用している

例えば、SUMIF関数を誤って「SUMIIF」「SUUMIF」と記載してしまったときも、「#NAME?」と表示されます。ほとんどが単純な記載ミスなので、比較的解消しやすいエラーです。

よくある質問

Excelで使うSUMIF関数に関して「よくある質問」を紹介します。

ExcelのSUMIFとSUMIFSのどちらを使うべきですか?

SUMIFS関数とは、複数の検索条件に一致するすべての引数を合計する関数です。数値を合計するという意味では同一ですが、SUMIF関数は条件がひとつの場合のみ使え、SUMIFS関数は複数条件の場合でも使えるという点で違いがあります。

条件指定したい項目がひとつであればSUMIF関数を、複数あればSUMIFS関数を使いましょう。

関連記事:Excel合計活用術!SUM関数で効率アップ

いつSUMIF関数を使うべきですか?

SUMIF関数を使うのは、条件指定して数値を合計したいときです。特定範囲を指定して合計するだけであれば、シンプルにSUM関数を使うとよいでしょう。反対に、範囲だけでなく「〇〇県に該当する数値」「平日の来場者数」など、指定範囲からさらに特定部分だけを指定したいときにはSUMIF関数が便利です。

まとめ

SUMIF関数は、SUM関数に対して条件を追加できる関数です。指定範囲において更に条件指定した部分だけの数値を合算したいときは、SUMIF関数を使いましょう。

さらに指定したい条件が増えるときは、SUMIFS関数を使います。用途に応じて使い分けられれば、面倒な手計算なく瞬時に数値を表示できます。

Excel SUMIF関数に関する重要用語

用語説明
SUMIF関数関数とは、指定した条件を満たす範囲内の値を合計する関数。基本構文は「=SUMIF(範囲, 検索条件, 合計範囲)」。
SUMIFS関数複数の検索条件に一致するすべての引数を合計する関数。基本構文は「=SUMIFS(合計対象範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, …)」。
SUM関数引数で指定したセルもしくはセルの範囲内にある数値の合計を計算する関数。基本構文は「=SUM(範囲)」。
比較演算子「<(しょうなり)」「>(だいなり)」「=(イコール)」などを使って条件を指定する手法。
ワイルドカード抽出したい文字を検索するときに使う文字列。「*(アスタリスク)」「?」「~」の3パターンがある。
#VALUE!入力した数式に問題があるか、参照先のセルに問題があるときに表示されるエラー表示。
#NAME?数式名に入力ミスがあるときに表示されるエラー表示。