XMLは独自にタグや属性を指定できるマークアップ言語であり、特定のプラットフォームに依存しない形式でデータを変換できるのが強みです。Excelで作成したデータもXML化しておけば、別のプラットフォームやシステムで活用できるのでチェックしておきましょう。

今回は、Excelで簡単にXMLに変換する方法を解説します。変換したデータを確認する方法や前準備のやり方にも触れるのでご参考ください。

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XMLとは何か?

excel xml 変換

XML(Extensible Markup Language)とは「拡張可能なマークアップ言語」を意味する用語であり、文章の見た目や構造を記述するためのマークアップ言語として活用されています。インターネット上で使用される各種技術の標準化推進団体であるW3C(World Wide Web Consortium)が定めたマークアップ言語であり、特定の企業が提供しているわけではないため、オープンなマークアップ言語のひとつです。

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XMLの構造と特徴

XMLは主に「要素」「属性」「テキスト」の3要素で構成されます。

<client_information year=”20XX”>

〇〇株式会社

</client_information>

例えば上記のようなXMLの場合、「client_information」と記述されている部分が「要素(またはタグ)」に該当します。今回はクライアント情報を記載するXMLであり、何の情報についてまとめているのかを「要素」で完結に示します。

「year」 の部分が「属性」、「〇〇株式会社」の部分が「テキスト」と呼ばれます。「属性」の部分には、他にも「name」や「varsion」などさまざまな項目を使えます。前述した「要素(またはタグ)」のなかで、具体的にどんなものをまとめているのか示すとわかりやすくなります。

「テキスト」では、データの末端を担う具体的な情報を記述します。最後は「/(スラッシュ)」をつけた「要素(またはタグ)」を記述しなおし、どこからどこまでがXMLなのかわかりやすくしています。

XMLを使うメリット

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ここでは、XMLを使うメリットを解説します。なぜ通常通りExcelファイルとして保存するのではなく、手間をかけてまでXMLにする必要があるのか理解していきましょう。

独自のタグや属性を指定できてさまざまなデータに対応できる

XMLは「要素」「属性」「テキスト」の3要素を自由に設定できるため、さまざまなデータに対応できるのが強みです。

例えば同じマークアップ言語のHTMLの場合、Webサイト制作など特定のシーンでは非常に役立ちますが、事前に定義されたタグセットを知らないと扱いづらいのが難点です。「<table>」「<form>」「<img>」など専門用語に近い単語が多く、それぞれが何を意味していて、どんな用途のときに便利なのか知っておく必要があります。

一方、XMLは自分で独自のタグや属性を定義できるため、用途に合わせて柔軟にデータ構造を定義できます。HTMLでは使いづらいときや、自由なデータ作成をしたいときに活用しましょう。

互換性が高い

XMLの互換性は非常に高く、例えばWebサービスのSOAP、ドキュメントシステムのOffice製品各種、構造化データの表現に便利なRSSなどありとあらゆる場所で活用されています。特定のプラットフォームに依存しない形式だからこそ異なるシステム間でもXMLを活用することができ、情報共有や別プラットフォームでの情報活用に役立ちます。

また、プログラミング言語との相性もよく、例えばJava・Python・C#などの言語でXMLデータを読み込んで処理をすることも可能です。相互運用性の高いデータにしたいときこそ、XMLを活用しましょう。

ExcelからXMLへの変換準備

ExcelからXMLへの変換をする際は、「開発」タブを使います。既に「開発」タブが表示されていれば次のステップへ進んで問題ありませんが、「開発」タブがないときは事前準備として以下の手順に沿って設定していきましょう。

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【1】ExcelからXMLへ変換する場合、リボンに開発タブを追加する必要があります。Excelの「ファイル」タブから設定していきます。

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【2】左のタブにある「その他」から「オプション」をクリックします。

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【3】「その他のオプション」ウインドウが開くので、「リボンのユーザー設定」から「開発」のチェックボックスを入れて「OK」を選択します。

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【4】「開発」タブが表示されます。

Excelを使用してXMLに変換する手順

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【1】XMLに変換したいExcelファイルを開き、「ファイル」→「名前を付けて保存」をクリックします。

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【2】「名前を付けて保存」ダイアログから「ファイルの種類」プルダウンを開き、「XMLデータ」を選択します。今回はExcel2021で実行していますが、Excel2007以前のバージョンでは更新プログラムを適用しないと「XMLデータ」は表示されないので注意しましょう。

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【3】メモ帳アプリなどXMLに対応したテキストエディタで開くことで、データを確認できます。XMLで保存されているため、タグや構文が自動で整理されている状態で表示されます。

変換したXMLファイルの開き方

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【1】Excelの「開発」タブから、「インポート」をクリックします。

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【2】開きたいXMLファイルを選択し、「インポート」をクリックして完了です。

変換したXMLファイルの修正方法

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【1】「データ」タブから「データの取得」→「ファイルから」→「XMLから」を選択します。なお、一度XMLにした複数のファイルを同時に確認したいときも、ここで複数ファイル選択すると便利です。

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【2】開きたいXMLファイルを選択し、「インポート」をクリックします。

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【3】インポートする内容を確認されるため、対象が間違っていないか確認して「データの変換」をクリックします。

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【4】右上のボタンから、展開したい項目名をクリックします。

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【5】選択した項目だけがXMLからインポートされ、Excelで閲覧できるようになります。

よくある質問

ExcelにおけるXML変換に関して「よくある質問」を紹介します。

ExcelでXMLを使うと何ができるの?

ExcelでXMLを使うことにより、データの構造を自由に定義できるため、自由にデータの構造を表現できるようになります。別プラットフォームとの互換性も高いためさまざまな場面で応用しやすく、汎用性や拡張性を大きく上げられます。

ExcelでXMLを使うデメリットはある?

XMLのデメリットは、XML形式のままではタグを含む非常に長い記述になってしまうため、直接の編集・変更が難しい点にあります。XML変換後に修正が必要になった場合、元データにインポートして修正し、再度XML形式でエクスポートするのが近道です。

まとめ

XMLはアプリケーション間のデータ交換手段として使われることの多い、便利なマークアップ言語です。Excelで作成したデータもXML形式でエクスポートできる他、別のプラットフォームで作成したXMLデータをExcel上で展開することも可能です。

特に、商品在庫・顧客情報など同じ項目で大量のデータを管理するような用途で使われているので活用してみましょう。

Excel xml変換に関する重要用語

用語説明
XML「Extensible Markup Language」の略称。「拡張可能なマークアップ言語」を意味する用語で、文章の見た目や構造を記述するためのマークアップ言語のひとつ。
W3Cインターネット上で使用される各種技術の標準化推進団体。
HTML「HyperText Markup Language」の略称。Webサイトを作成する際に、コンピューターへ構成指示を出す用途でよく使われているマークアップ言語のひとつ。