Excelで資料を作成する際、グラフや表を使って相手にわかりやすく資料を作成するときがあるでしょう。全体における割合を示したいときは、円グラフが便利です。円グラフの場合、実数ではなくパーセントを表示することで割合がわかりやすくなるので試してみましょう。
この記事では、Excelで円グラフを作成する際にパーセントで表示する方法を解説します。円グラフを作成する手順や資料を分かりやすくまとめる方法にも触れるので、参考にしてください。(本記事では、Microsoft Excel 2021を利用)
Excelで円グラフを作成する手順
まずは、Excelで円グラフを作成する手順を解説します。
円グラフにしたいデータを準備する
円グラフにしたいデータを準備します。円グラフは、全体に占める割合をわかりやすく示すグラフのため、市場におけるシェア率や人口比率などを示したいときに最適です。
今回は、地域別の人口を示したデータを用意しています。
円グラフを作成する
下記の手順に沿って、円グラフを作成します。
【1】円グラフにしたい範囲を選択します。
【2】「挿入」タブ内にある「データ」から「円グラフ」を選択し、「2-D円」をクリックします。他に、円グラフを傾けて立体的に割合を示せる「3-D円」や、中央部分にグラフタイトルや補足情報を追加できる「ドーナツ」も選択できるので、用途に合わせて使い分けましょう。
円グラフに凡例を追加する
円グラフの凡例やタイトルを変更します。
【1】凡例は、円グラフの下に表示されます。位置を変更したいときは凡例部分をダブルクリックし、「凡例の書式設定」から変更します。「凡例をグラフに重ねずに表示する」にクリックを入れると、凡例の文字数が長い場合でも円グラフに影響を与えません。
【2】タイトルを変更したい場合は、タイトル部分をダブルクリックして文字を変更できます。右側に「グラフタイトルの書式設定」が開くので、位置・フォント・大きさを変更したいときに活用しましょう。
割合(パーセント)を表示させる
作成した円グラフに割合(パーセント)を表示させる手法を解説します。
【1】作成した円グラフをダブルクリックすると、「グラフのデザイン」が開きます。「クイックレイアウト」の左上にある「レイアウト1」を選択すると、自動でパーセントが表示されます。
人口比率など大きな数値を扱う場合、実数だけでは割合がイメージできないことが多いのでパーセント表記に切り替えるのがおすすめです。
【2】「レイアウト2」を使うと、パーセント表記と凡例とを分けられます。凡例を円グラフ内に含めたいかで選択しましょう。
割合(パーセント)を小数点で表示する方法
小数点以下にも数字が続く場合、合計で100%の円グラフではないように見えてしまう可能性があります。その場合、下記の方法で小数点以下を表示します。
【1】円グラフ上で右クリックし、「データラベルの書式設定」を選択します。
【2】表示形式のカテゴリから「パーセンテージ」を選択し小数点以下の桁数を設定します。
【3】小数点以下の桁数を「1」に設定すると、小数点第1位まで表示されます。
円グラフの大きさを調整する
円グラフの大きさを調整したいときは、下記の手順で進めます。
【1】グラフのプロットエリアをクリックします。円グラフをクリックしてしまうと「データ系列の書式設定」が開いてしまいます。また、それ以外の白い背景の部分(グラフエリア)をクリックすると「グラフエリアの書式設定」が開いてしまうので注意しましょう。円グラフの縁あたりにあるプロットエリアを選択することがポイントです。
【2】円グラフの四隅にマーカーが表示されるので、ドラッグして拡大します。
【3】円グラフを拡大できます。タイトルなども同じ方法で拡大・縮小・移動できます。
円グラフをわかりやすくする方法
ここでは、円グラフをわかりやすく表示する方法を解説します。円グラフを一目見ただけでどこに着目すべきかわかるので、上手に活用していきましょう。
強調したい項目を切り離す
【1】強調したい項目(今回は「関東」の部分)を2回クリックし、マーカーを表示させます。ダブルクリックではなく2回クリックする必要がある点に注意しましょう。
【2】マーカーをドラッグすると、選択した項目だけ切り離されます。特定部分だけに着目してほしいときに便利です。
項目を分割する
【1】項目数が少ないときは、項目を分割して目立たせるのも有効です。円グラフを1度だけクリックし、項目ごとのマーカーを表示します。
【2】マーカーをドラッグすることで、項目を分割できます。
ExcelのVBAを活用して円グラフにパーセントを表示させる方法
VBA(Visual Basic for Applications)はExcelなどMicrosoft Officeアプリケーションの機能拡張に利用するプログラミング言語です。円グラフの数が多く、ひとつずつ表示設定をしなおすのが手間なときに便利です。
ExcelのVBAを活用し、円グラフにパーセントを表示する場合は下記を実行します。
Sub UsePercentage()
ActiveSheet.ChartObjects(1).Activate
アクティブシートのチャート(グラフ)を取得する
ActiveChart.SeriesCollection(1) _
クイックレイアウト内のレイアウト1を取得する
.DataLabels.ShowPercentage = True
データラベル上にパーセンテージを表示する
End Sub
よくある質問
最後に、Excelの円グラフ作成に関して「よくある質問」を紹介します。
小数点第2位までを円グラフで表示させるには?
小数点第2位まで円グラフで表示させたいときは、「データラベルの書式設定」から表示形式のカテゴリから「パーセンテージ」を選択します。小数点以下の桁数を「2」に設定すると、小数点第2位まで表示されます。
円グラフでパーセントを大きい順に並べて表示させるには?
円グラフを作成する際の元データを変更すると、円グラフにも自動で変更内容が反映されます。パーセントを大きい順に並び替えたいときは、元データの順番を並び替えます。
【1】表のヘッダーを選択し、「ホーム」→「編集」→「並び替えとフィルター」を設定します。
【2】「人口」の右にあるボックスをクリックし、「降順」を選択します。
【3】表が人口の多い順に並び替えられ、円グラフの順番も表の内容通りに変わっています。
まとめ
Excelでわかりやすい円グラフを作れば、表でデータを示すより視覚情報を増やせます。一目で見てどこに着目すべきかわかりやすい資料にするためにも、円グラフの作成やパーセントの表示を意識してみましょう。
本記事で紹介した内容をもとに凡例の表示やタイトルの位置も調整していけば、より見やすいデータとして提示できます。
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Excel円グラフに関する重要用語
用語 | 意味 |
凡例 | 対象のデータがどの項目か示すための表示。基本的にはグラフの要素と同じ色の線・データ名で示されます。 |
プロットエリア | グラフエリア内において、グラフ本体が表示される領域。 |
グラフエリア | プロットエリアや凡例などが含まれるグラフ全体の領域。 |
VBA | 「Visual Basic for Applications」の略語。ExcelなどMicrosoft Officeアプリケーションの機能拡張に利用するプログラミング言語のこと。 |
フィルタ機能 | 指定行における特定のキーワードに合致するデータだけを抽出・並び替える機能です。「編集」→「並び替えとフィルター」→「フィルター」から使えます。 |