フリーランスは企業に属さず仕事をフリーで請け負う人を指します。会社員の場合は所属先の企業が給与や賞与、年末調整などを行い所得税を納めてくれますが、フリーランスは所属している企業がありません。そのため、自身で確定申告を行い所得税を納める手続きが必要です。
この記事では、フリーランスの確定申告の概要や手順、おすすめのソフトなどを紹介します。
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確定申告とは?
確定申告とは、1年間で得た所得から所得税額を確定させることです。1年間とは開始日が「1月1日」で終了日が「12月31日」となります。この間に得た所得が所得税額の対象で、売上から経費を引いた金額を指します。
確定申告は2種類の方法から選ぶことができ、「白色申告」と「青色申告」です。両者の違いは、作成する帳簿と控除額になります。
白色申告
白色申告は、簡易的な帳簿を使用することで経理作業を単純化できる方法です。経理の知識が必要となる「貸借対照表(B/S)」や「損益計算書(P/L)」は、提出する必要はありません。収支の内訳が記載された資料で十分となります。また確定申告に伴う事前手続きも不要です。
■収支の内訳表(例)
以下は、収支の内訳表の例です。収入は「売上」と「雑収入等」に分けて記載します。支出は「仕入」と「経費」に分ける方法です。さらに「経費」は、事業内容に合わせて勘定科目を設定し細かく分類します。
20xx年 | 摘要 | 売上 | 雑収入等 | 仕入 | 経費 | ||||||||
月 | 日 | 給料 | 外注費 | 賃倒金 | 地代家賃 | 租税公課 | 光熱費 | ・・・ | 雑費 | ||||
8 | 1 | 現金小売 | 25,500 | ||||||||||
8 | 2 | 現金仕入 | 13,600 | ||||||||||
8月計 | 508,000 | 214,000 | |||||||||||
累計 |
このように白色申告の帳簿は、収入と経費が正確に記載されていれば書式は自由です。ただし青色申告は最大65万円の特別控除が受けられますが、白色申告は受けられる特別控除はありません。この点が白色申告のデメリットと言えるでしょう。
出典:国税庁
青色申告
青色申告は、帳簿の作成時に複式簿記で記入する方法です。複式簿記とは、取引を「借方」「貸方」に分けて複数の科目で記載する方法となります。借金や現金の残高など、財政状況が把握できることが利点です。
複式簿記では、売上や経費から「仕訳帳」や「総勘定元帳」を作成していきます。仕訳帳とは、すべての取引を日付順に記載した帳簿のことです。
■仕訳帳(例)
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
3月5日 | 現金 | 5,000円 | 売上 | 5,000円 | シューズ |
総勘定元帳とは、すべての取引を勘定科目ごとに記載した帳簿になります。仕訳帳に記載した内容を写して作成するものです。
■総勘定元帳<現金>(例)
日付 | 相手勘定科目 | 摘要 | 借方 | 貸方 | 残高 |
前月繰越 | 10,000 | ||||
3月5日 | 売上 | シューズ | 5,000 | 15,000 |
確定申告を行うときには、総勘定元帳の情報から「貸借対照表」「損益計算書」の作成が必要です。このように青色申告では、白色申告とは異なり複雑な仕訳や資料の作成が必要なことから経理の専門知識が必要となります。
また青色申告には税制の優遇措置があり、特別控除が可能です。青色申告では、最大で65万円の控除を受けることができます。
確定申告を青色申告で行う場合、事前に申請を出しておくことが必要です。その年の3月15日までに、税務署へ「開業届」「青色申告承認申請書」を提出します。
出典:国税庁
確定申告する人は?
確定申告の実施は、人により分けられます。1年間の所得が48万円を超えるフリーランスや本業以外からの収入が20万円を超える場合などは確定申告が必要です。
事業で一定額の利益がある
フリーランスや自営業など1年間の所得(売上から経費を引いた金額)が48万円を超える場合、確定申告が必要です。また1年間の所得が48万円未満の場合でも、年間の収入証明が必要な場合は確定申告を行います。収入証明は住宅ローンやフリーローンを組む際など、提出が求められるからです。フリーランスや自営業などの個人事業主の場合、確定申告しておくのが良いと言えるでしょう。
関連記事:【初心者必見】フリーランスと個人事業主の違いについてわかりやすく解説
本業以外の収入がある
本業以外による所得(売上から必要経費)が1年間で20万円を超える場合、確定申告が必要です。必要経費とは、副業を行うために購入した書籍の代金や、取材のための移動(交通費)などです。
売上から必要経費を引き20万円以下になる場合は、確定申告の必要はありません。必要経費を証明するためにレシートや領収書は、捨てずに保管しておきましょう。
副業で収入源が複数ある場合、すべての支払元から支払調書をもらうことが必要です。基本的には、1月頃になると支払元から前年度の支払調書が送られてきます。支払調書が届かない状況であった場合は、支払元に問い合わせが必要です。
株式投資をしている
株式投資で利益を得た場合、基本的に確定申告を行う必要があります。株式投資の利益に課せられる税金は次の2つです。
課せられる税金 | 説明 |
譲渡益課税 | 株の売買によってでた利益に課せられる税金 |
配当課税 | 株の配当金に課せられる税金 |
このうち、配当課税に関しては源泉徴収で税金が引かれているため確定申告は不要です。しかし譲渡益課税に関しては、確定申告で税額を決定する必要があります。
ただし以下の条件のいずれかを満たした場合は、確定申告をする必要はありません。
- 株式投資利益が20万円未満
- NISA口座を利用している
- 特定口座で源泉徴収されている
*特定口座・・・源泉徴収口座とも言われている源泉徴収ありの口座を指します。株の売買による損益が出るたびに、税金の徴収や返還が行われる特徴の口座です。
不動産投資をしている
土地や家、マンション、アパートなどの賃貸収入や売却収入があり、所得が20万円を超えている場合は確定申告が必要です。不動産投資の収入から必要経費を引いた金額が所得となります。必要経費とは、減価償却費、管理委託費、建物保険料、固定資産税などです。
確定申告が不要な人は?
企業から給与を取得している人や公的年金の受給者などは、確定申告が不要です。
会社で年末調整している
企業に所属して給与を取得している人は、確定申告が不要です。理由としては、所属先の企業が年末調整という形で1年間の税金を確定してくれるからです。
会社員の場合、毎月の給与は源泉徴収という形で「概算の所得税」が引かれた後の金額となります。「概算の所得税」というのは、毎月の給与取得時には1年間の収入額はまだ確定していないため、予測された税額のことです。
1年間の収入額が確定し正確な所得税額が算出された後に、引かれた「概算の所得税」との差を調整するのが年末調整となります。
例えば概算の所得税が毎月「2,500円」で引かれていた場合、12ヵ月で合計「30,000円」の納税額です。1年間の収入額が確定し正確な所得税額を計算した結果「29,160円」だった場合、年末調整により差額である「840円」が還付されます。
関連記事:フリーランスが知っておくべき源泉徴収の基本! 計算方法も紹介
公的年金を受給している
公的年金を受給している人で収入の金額が400万円以下の場合、確定申告は不要です。企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金(iDeCo)厚生年金など、2つ以上の公的年金を組み合わせて受け取っている場合は、合計した金額で計算します。
また公的年金の収入が400万円以下であっても、公的年金以外の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要となるので注意が必要です。例えば、会社で働いていたり不動産の家賃収入があったり、株式での収入があったりする場合、所得が20万円を超えていると該当します。
確定申告の流れ
確定申告は、1年間の所得に対する税額を確定することです。1年間の所得(1月1日〜12月31日)を次の年の2月16日〜3月15日の間に、税務署や確定申告会場または、自宅でインターネットから確定申告の手続きを行うのが原則です。ここでは、確定申告のおおまかな流れを説明します。
帳簿の作成
1年間の収入や支出を、帳簿に記録する必要があります。帳簿には、収入や支出が発生した日付や内容などを記録します。また収入や支出を証明するための領収書などの書類も保管が必要です。
帳簿のつけ方には、「単式簿記」と「複式簿記」の2種類の方式があります。単式簿記は白色申告で使われる簡易的な記録方法で、初心者向けと言えるでしょう。
白色申告の場合、特別控除は受けられません。
一方青色申告にも、単式簿記を使用することができます。その場合、10万円の特別控除を受けることが可能です。青色申告で複式簿記を使用した場合は、最大65万円の控除を受けることができます。
必要書類の準備
確定申告を行う場合、必要書類を準備します。確定申告の必要書類は次の3つです。
- 決算書
- 確定申告書
- 添付書類台紙
これらの必要書類は、国税庁のホームページからデータをダウンロードできたり、税務署で受け取ることが可能です。
出典:国税庁
1年間の帳簿をもとに、必要書類に必要事項を記入していきます。下表は、それぞれの必要書類についての説明です。
必要書類 | 説明 |
決算書 | 1年間の所得を明らかにする書類です。白色申告をする場合は「収支内訳書」、青色申告をする場合は「青色申告決算書」を作成します。 |
確定申告書 | 1年間の所得と所得税額を明らかにする書類です。 |
添付書類台紙 | 確定申告の内容を証明するための書類を添付する場合、この台紙に貼り付けます。 |
提出
確定申告は2月16日〜3月15日の間に実施され、開始日と終了日が土日や祝日となった場合は、次の平日へ繰り越します。申告する方法は2通りあり、税務署に書類を提出する方法とインターネットからe-taxで提出する方法です。
税務署での提出方法
税務署へ確定申告の必要書類を提出する場合、直接税務署に出向く方法と郵送する方法があります。直接税務署に出向く場合、注意しないといけないのが税務署の開いている時間帯です。税務署は、平日の8時30分〜17時までとなります。ただし期間中は特別に日曜日も開いている場合もあるので、事前に確認しておくのが良いでしょう。また確定申告に関しての相談がある場合は、相談受付時間が決まっていることもあるため注意が必要です。
一方確定申告の必要書類を郵送する場合は、郵送の消印が期間内であれば問題ありません。例えば確定申告の期間が「2月16日〜3月15日」の場合、「3月15日」の消印であれば期間内での提出扱いです。
必要書類は「信書便物」か「郵便物」として、郵送する必要があります。信書便物は民間事業者が郵送し、郵便物は日本郵便株式会社が郵送する方法です。仮に「荷物」扱いで送ってしまうと、書類と判断されない場合があるので注意が必要です。
e-taxでの提出方法
インターネットを利用して、「e-tax(イータックス)」と呼ばれるシステムから確定申告を行うことができます。e-taxで確定申告を行うことを電子申告と言い、紙の書類は基本的には必要ありません。Webページ上のフォームにデータを入力していくか、市販の会計ソフトから出力されるデータを利用する方法です。
e-taxを使用する場合、事前に税務署職員と対面するかマイナンバーカードを取得して本人確認をする必要があります。
出典:国税庁「e-tax」
納税
確定申告を行い納税額が決定したら、期限までに納税します。納税の期限は、確定申告の期限と同じ3月15日です。納税方法は、次の3通りあります。
納税方法 | 説明 |
納付書 | 銀行や税務署などの金融機関で納税する方法です。窓口に置かれている納付書を使用します。納付書に税額などを記入して、窓口で現金を支払います。また30万円以下の税額であれば、コンビニでも納税が可能です。その場合はバーコード付の納付書が必要となるため、確定申告時に申し出る必要があります。 |
口座振替 | 銀行の口座から自動で引き落としてもらい、納税することが可能です。引き落とし日は、令和5年の場合4月24日となります。この方法を利用する場合、3月15日までに税務署か金融機関に依頼書を提出することが必要です。 国税庁「納付書送付依頼書ダウンロード」 |
電子納税 | インターネットを利用して納税することが可能です。e-taxを利用して確定申告した場合は、e-tax上で手続きします。またそれ以外にも、スマホアプリを利用する方法や専用サイトからクレジットカードを利用する方法も可能です。 国税庁「スマホアプリ納付手続」 国税庁「クレジットカード納付手続」 |
帳簿の保管
確定申告が終わった後、関連書類や帳簿は整理して保管しておきます。保管の期間は決められており、帳簿や決算書類、現金預金取引書類が「7年」、それ以外の書類が「5年」です。長く保管しておく分には問題はないので、統一して「7年」保管しておけば良いでしょう。
また保存する方法としては「電子保存」と「紙媒体保存」があります。書類によってはスキャナで取り込んでデータで保存することが認められていないものもあるため、電子保存は注意が必要です。例えば仕訳帳や勘定元帳、損益計算書、貸借対照表は、スキャナでのデータ保存が認められていません。一方契約書や領収書、請求書、納品書などは、スキャナでのデータ保存が認められています。
過去の申告内容に関して税務署から調査される場合があるため、正しい方法で保存しておくことが必要です。
フリーランスで経費化できる?
フリーランスは会社員と違って、さまざまなことに自身で対応する必要があります。例えば家賃や電話代、備品代などです。これらは経費として計上できるものと、できないものに分かれます。経費にできるものは、計上した方が良いと言えるでしょう。
理由としては、納める税金を減額できる場合があるためです。ここでは経費計上できるもの、できないものについて説明します。
経費計上できるもの
経費とは、事業を行う上で必要となった費用のことです。例えば事業でパソコンを使用する場合、パソコンの購入費や各種使用するソフトウエアの購入費、インターネットの通信料などが該当します。事務所の家賃や光熱費、事業に必要となる研修費用なども経費です。
このように、多くのものが経費として計上が可能となります。経費として計上することで所得税の減額が可能です。そのため経費に関して正しい知識を持っておくことが必要と言えるでしょう。
ただし不正に経費を計上していた場合は、脱税と判断され追加課税を支払う必要がでてきます。場合によっては罰金や懲役などの刑事罰を受けることも考えられるため、注意が必要です。
■例
- 所得を少なく見えるようにし、納めるべき税金を少なく申告した場合、未納となっている税金に10%加算して請求される。
- 架空の領収書に経費を計上した場合、滞納分の税金に40%加算して請求される。
- 納める必要のある税金を納めていなかった場合、50万円までは15%の加算、50万以上なら20%加算して請求される。
参考サイト:個人事業主の経費の扱いとは?条件から項目、節税対策まで解説
経費計上できないもの
経費計上できないものとしては、事業に関係のない費用です。例えば、住宅ローンや事業主の健康保険料、住民税、所得税などです。これらは事業を行わなくても発生する費用となるため、経費計上はできません。また事業主への給与支払いや福利厚生なども、経費計上はできないことになっています。
フリーランスや個人事業主はプライベートと事業が混在している場合が多いため、経費計上には注意が必要です。例えばスポーツクラブの会費や、メガネやコンタクトレンズ代、スーツ代などはプライベートでも使用するため、経費計上は難しいと言えるでしょう。
確定申告で役立つソフト3選
帳簿記録や確定申告のための必要書類の作成など、慣れない人にとっては一苦労です。そのような場合、会計ソフトを使用することで会計に関する作業を効率化することができます。日々の仕分け作業や決算書の作成など、会計作業を自動化できる会計ソフトの導入がおすすめです。
ただし会計ソフトには多くの種類が存在しているため、ここではおすすめのソフトを3つ紹介します。
freee会計
freee会計は、freee株式会社が運営しているクラウド型の会計ソフトです。対応している金融サービス数がNo.1となっています。画面の操作がわかりやすく設計されており、専門用語も少ないため、会計や簿記の知識がない人でも簡単に操作が可能です。またレポート機能が充実しており、損益の状況やキャッシュフローが簡単に確認が可能です。
ただし初心者向けにしていることで、会計や簿記の知識がある人にとっては使いにくい部分があります。一番安いプランは次の通りです。
ソフトの種類 | プラン |
個人向け 白色申告 | ミニマムプラン 年間23,760円(30日間無料) |
個人向け 青色申告 | ミニマムプラン 年間23,760円(30日間無料) |
公式サイト:freee
マネーフォワードクラウド
マネーフォワードクラウドは、株式会社マネーフォワードが運営しているクラウド型の会計ソフトです。豊富な機能や安価な料金プランが特徴となっています。マネーフォワードクラウドでは会計業務以外にも、勤怠管理や給与計算などの事務作業についてもサポートが可能です。マイナンバーカードの管理や社会保険、年末調整などの機能もあるため、従業員がいる法人企業でも使用できます。
マネーフォワードクラウドは多機能となっていますが、使い勝手が悪いと感じる部分もあるのでこの点がデメリットと言えるでしょう。例えば売掛金がマイナスになったり、口座の残高がずれてしまったり初歩的なミスが起きやすい環境です。マネーフォワードクラウドはプランによって使用できる機能が変わるので、必要な機能を見定めた上でプランを検討するのが良いと言えます。一番安いプランは次の通りです。
ソフトの種類 | プラン |
個人向け 白色申告 | パーソナルミニプラン 年間9,600円(初月無料) |
個人向け 青色申告 | パーソナルミニプラン 年間9,600円(初月無料) |
公式サイト:マネーフォワードクラウド
やよいソフト(白色・青色)
やよいソフトは、弥生株式会社が運営しているクラウド型の会計ソフトです。「やよいの白色申告オンライン」と「やよいの青色申告オンライン」の2種類があります。やよいソフトは24年連続売上実績がナンバーワンで、簿記や会計の知識があまりない方におすすめのソフトです。「やよいの白色申告オンライン」のフリープランは、無料で使い続けることができます。やよいソフトは初年度と次年度以降は、料金が変わってくるので確認が必要です。電話サポートが必要な場合は、ベーシックプラン以上が必要となるので用途に応じたプランを選択する必要があります。一番安いプランは次の通りです。
ソフトの種類 | プラン |
個人向け 白色申告 | フリープラン 無料 |
個人向け 青色申告 | セルフプラン 年間8,800円(1年間無料) |
公式サイト:やよいソフト
まとめ
この記事ではフリーランスの確定申告の概要や手順、おすすめのソフトなどを紹介しました。フリーランスで一定条件を満たした場合、確定申告は義務です。日程が決まっているので、期間内に実施するようにしましょう。
また白色申告や青色申告など、確定申告の方法によって必要書類や受けられる優遇措置が異なります。どちらの方法で申告を行うのか、決めておく必要があるでしょう。会計ソフトを利用すれば、簿記や会計の知識がなくても書類の作成が可能です。会計ソフトの導入を検討するのも一つの方法となります。
よくある質問
ここでは、確定申告に関してのよくある質問について解説します。
確定申告が初めてで不安ですが、一人でもできますか?
フリーランスにとって初めての確定申告は不安ですが、仕組みを理解しておけば一人で対応は可能です。確定申告の流れは、次のようになります。
- 帳簿を作成
- 必要書類を準備
- 必要書類の提出
- 納税
- 帳簿や必要書類の保管
帳簿のつけ方や必要な書類、提出方法、納税方法を理解していれば、難しくはありません。帳簿の記入方法には「単式簿記」と「複式簿記」の2種類あり、「単式簿記」なら初心者でも簡単に記録ができます。必要書類の準備は、国税庁のホームページなどでフォーマットをダウンロードすることが可能です。
出典:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等」
必要書類の提出は直接国税庁に出向くか、インターネットで提出する方法があります。納税もインターネットで支払う方法と、銀行などの金融機関で支払う方法などを選ぶことが可能です。帳簿や必要書類の保管は、7年間保管しておけば問題ありません。
フリーランスで年間を通して赤字なのですが、確定申告が必要ですか?
赤字の場合、所得が無いので納税する所得税が発生しません。そのため確定申告は不要です。ただし次のような場合は、確定申告した方が良いと言えるでしょう。
確定申告した方が良いケース | 説明 |
支払った源泉徴収がある場合 | 弁護士や公認会計士などに原稿料や講演料などを支払った場合、確定申告することで源泉徴収した税金分が還付されます。 |
株式投資で損失がある場合 | 株式投資の譲渡損失がある場合、確定申告をすることで配当所得や利子所得から損失分を減額ができます。譲渡損失は3年間繰越すことができるため、利益が出た年に所得の減額が可能です。 |
確定申告の資料をExcelで作りたいのですが、フォーマットはありますか?
確定申告の資料をExcelで作成する場合、国税庁のホームページに作成例が掲載されています。フォーマットのダウンロードも可能です。このフォーマットは、同じ取引先との取引内容を1レコードに12件まで記録することができます。
出典:東京国税局「エクセルを利用した作成例(標準様式)」
フリーランスの確定申告に関する用語集
ここでは、フリーランスの確定申告に関連する用語について説明します。
用語 | 説明 |
確定申告 | 1年間に得た所得から所得税額を確定させることです。 |
白色申告 | 簡易的な帳簿を使用することで経理作業を単純化できる方法です。 |
青色申告 | 帳簿の作成時に複式簿記で記入する方法です。売上や経費などから「仕訳帳」や「総勘定元帳」を作成します。 |
仕訳帳 | 事業で実施したすべての取引を、日付の順番に記載した帳簿のことです。 |
総勘定元帳 | 事業で実施したすべての取引を、勘定科目ごとに記録した帳簿のことです。 |
貸借対照表(B/S) | 財政状況を示す書類のことです。バランスシートとも呼ばれています。 |
損益計算書(P/L) | 事業での収益と費用を対比して利益を示した書類のことです。 |
年末調整 | 源泉徴収で引かれた所得税と実際の所得税の差を調整することです。 |
帳簿 | 事業での収入や支出などのお金の流れを記録した帳面のことです。 |
単式簿記 | 事業で実施した取引を収入と支出に着目して記載する方法です。収入の合計から支出の合計を引くことで、手元の現金が計算できます。借金や現金の残高がわからないため、財政の状態が把握できません。 |
複式簿記 | 事業で実施した取引を複数の科目で記載する方法です。「借方」「貸方」にわけて記載していく方法となります。借金や現金の残高など、財政状況を把握することが可能です。 |
決算書 | 経営成績や財政の状態を示す書類のことです。 |
e-tax | インターネットを利用して国税に関する手続きが電子的に行えるシステムのことです。 |
収入 | 事業で得た金額のことです。 |
経費 | 事業を行うために支払った金額のことです。 |
所得 | 収入から経費を引いた金額のことです。所得は10種類に分けることができ、次のものがあります。雑所得、一時所得、譲渡所得、山林所得、退職所得、給与所得、事業所得、不動産所得、配当所得、利子所得 |
所得税 | 所得に対して納税する税金のことです。 |
減価償却費 | 固定資産の購入費を耐用年数に合わせて分割し、毎年費用として計上する勘定科目のことです。固定資産を購入した年に全額を費用計上しないというルールに基づき行われています。例えば、普通自動車を60万円で購入した場合は、耐用年数6年で割り算し、毎年10万円ずつ費用計上します。 |
管理委託費 | マンションを所有しており管理をマンション管理会社に任せている場合、管理会社に支払う費用のことです。 |
建物保険料 | 建物にかかる火災保険料や地震保険料のことです。 |
固定資産税 | 住宅や土地、工場の機械などの固定資産にかかる税金のことです。 |