スプレッドシートは共有してプロジェクトをすすめることが多いもの。
しかし、万が一オーナー権限をもつアカウントが削除されてしまうと、共有しているファイル・フォルダの元データは消えてしまいます。
この記事では自身やメンバーの脱退などで、スプレッドシートのオーナー権限を譲渡する必要があるときに備え、確認しておきたい注意点や具体的な操作について触れていきます。
チームでスプレッドシートを使用する方、スプレッドシートを使いこなしたい方必見です!
スプレッドシートのオーナー権限を変更・譲渡する方法
はじめに基本的なことですが、スプレッドシートでは、ファイルの作成者がオーナー権限をもちます。
オーナー権限の所有者はファイルを共有するとき、ほかのユーザーに「閲覧のみ」、「編集者」などの制限を設定できますが、ここでは「オーナー権限」を変更・譲渡する方法について解説します。
スプレッドシートの共有や編集権限については、こちらの記事をお確かめください。
オーナー権限が可能な条件
まずはスプレッドシートでオーナー権限を譲渡するために、必要な条件を確認します。
条件は次のとおりです。
- 当該ファイルが共有されていること
- 共有ユーザーに「編集者」の権限が付与されていること
スプレッドシートのオーナー権限を譲渡する
スプレッドシートのオーナー権限を譲渡する方法は以下の操作をお試しください。
- Googleドライブから該当のファイルを右クリックして「+共有」を選択する。または該当のスプレッドシートを開き、画面右上の「共有」ボタンを押す。
- オーナー権限を譲渡したいユーザー名の右側にある「▼」マークをクリック、「オーナーにする」を選ぶ。
- 確認画面が表示されたら、「招待メールを送信」ボタンを押す。※招待メールを受け取ったユーザーがオーナー権限の譲渡を承諾するまでは、オーナーは譲渡されません。
オーナー権限の「譲渡リクエスト」を承諾する
自身が「オーナー権限の譲渡リクエスト」を受け取り、該当ファイルのオーナーになるときは、次の操作を行ってください。
- Googleドライブから該当のファイルを右クリックして「+共有」を選択する。または該当のスプレッドシートを開き、画面右上の「共有」ボタンを押す。
- 「オーナー権限の譲渡を承諾しますか?」の画面で「承諾」・「拒否」をクリックする。
共有情報から元のオーナーアカウントを削除する
共有してあるファイルから、元のオーナーアカウントを削除する方法は以下のとおりです。
- Googleドライブから該当のファイルを右クリックして「+共有」を選択する。または該当のスプレッドシートを開き、画面右上の「共有」ボタンを押す。
- 削除したいユーザー名の右側にある「▼」マークをクリック、「削除」を選ぶ。
「自分がオーナー」のファイル・フォルダを検索する
Googleドライブではファイルを絞り込んで表示する機能があります。操作は次の内容を参考にしてください。
- Googleドライブにアクセスし、画面上の「ドライブで検索」欄の右側にある「スライドバーアイコン(検索オプション)」をクリックする。
- 検索オプション画面が表示される。次の項目でそれぞれの選択肢を選ぶ。その他の項目についても希望にあわせ必要な項目を絞り込む。
- オーナー欄のプルダウンで「自分がオーナー」を選択する。
- 場所欄のプルダウンで「共有アイテム」を選択する。
- 「検索」ボタンを押す。
一括でファイル・フォルダのオーナー権限を変更する
Googleドライブから複数のファイル・フォルダをまとめて選択し、一括でオーナー権限を変更することもできます。オーナー権限を変更する操作は「スプレッドシートのオーナー権限を譲渡する」と同様です。
また、複数のファイル・フォルダをまとめて選択する方法は、Windows・Macでそれぞれ次の操作を試してください。
Windowsの操作
- Shiftキーを押しながらファイル・フォルダをクリック:連続して選択できる
- Ctrlキーを押しながらファイル・フォルダをクリック:個別に選択できる
Macの操作
- Shiftキーを押しながらファイル・フォルダをクリック:連続して選択できる
- commandキーを押しながらファイル・フォルダをクリック:個別に選択できる
スマートフォン・タブレットでオーナー権限を変更する方法
取り急ぎスマートフォン等のアプリから、スプレッドシートのオーナー権限を譲渡したいときがあるかもしれません。このような場合、アプリからオーナー権限の操作が可能か調べてみました。
アプリではオーナー権限を譲渡できない
残念ながら、現時点でアプリ版のスプレッドシートからはオーナー権限を譲渡することはできません。
どんなに急いでいても、パソコンからブラウザ版のスプレッドシートにアクセスしなければならないため注意が必要です。なお、スプレッドシートをアプリで使う方法については次のページで詳しく解説しています。
ブラウザ版ならオーナー権限を譲渡できる
スプレッドシートのオーナー権限を譲渡したいときは、パソコンからブラウザ版のスプレッドシートにアクセスする必要があります。
補足ですがスプレッドシートの共有設定であれば、アプリからの変更も可能です。
オーナー権限の変更・譲渡に関する注意やポイント
スプレッドシートのオーナー権限を変更・譲渡するときの、注意やポイントをお伝えします。
Google Workspaceではドメインが違うとオーナー権限を譲渡できない
Googleではビジネス向け有料サービスGoogle Workspace(旧G Suite)を提供しています。このGoogle Workspaceでは、同じドメイン間(同じ組織)でなければ、共有しているファイルのオーナー権限を譲渡できません。
どうしてもドメインの異なるアカウントへ、ファイルのオーナー権限を譲渡しなければならないときは、別の方法を検討する必要があります。
たとえば該当ファイルを複製して新しいファイルを作成するかたちで、オーナー権限を付与するなどの対応が必要です。
ただし、個人アカウント間におけるオーナー権限の譲渡では、ドメインに対する制限はなく、基本的なオーナー権限の譲渡が可能です。
オーナー変更でGoogleドライブの容量は変わる?
スプレッドシートのオーナー権限が譲渡されたとき、Googleドライブの容量が変わるかは、個人アカウント・有料アカウントのどちらを利用しているかによります。
有料アカウント「Google Workspace(旧G Suite)」を使用しているときは、基本的にGoogleドライブの容量は変わりません。
個人アカウントを使用しているときは、オーナー権限の譲渡でファイルが増えるぶんだけ、Googleドライブの容量が減ることになります。
参考:「このアイテムのオーナーは変更できません。」のエラーが出る
Googleドライブ上でオーナー権限を譲渡しようとしたとき、「このアイテムのオーナーは変更できません。」のメッセージが表示されることがあります。
この表示はオーナー権限を譲渡しようと指定したファイルが、Microsoft Word、Microsoft Excel 等というように、Googleファイルではないときに発生する現象です。
オーナー変更ができる・できないファイルについては、以下の例を参考にしてください。
オーナー変更ができるファイルの例
- Googleスプレッドシート
- Googleドキュメント
- Googleフォーム
- Googleスライド
- Googleマイマップ等
オーナー変更ができないファイルの例
- Microsoft Word
- Microsoft Excel
- Microsoft PowerPoint等
またどうしてもGoogleドライブ上で、Microsoftファイル等のオーナー権限を譲渡したいときは、元ファイルを複製するとよいでしょう。
複製したファイルは、ファイルの作成者がオーナー権限を得ることとなり、オーナー権限を譲渡することもできます。ファイルを複製した後は、元ファイルは不要となるため削除して構いません。
このようなスプレッドシートに対する各種操作方法やトラブルシュートは、当サイトにてほかにも記事を公開しています。こちらもぜひご覧ください!