確定申告には白色申告と青色申告があります。青色申告は必要書類が増えますが、控除額が最大65万円となるため効果的な節税対策です。
手作業で書類をすべて準備するのは大変ですが、青色申告ソフトを活用すると経理の知識がなくてもスムーズな確定申告が可能です。この記事では、青色申告に必要なことや青色申告ソフトを紹介します。
青色申告とは
青色申告とは、開業届や青白申告承認申請書を税務署に出し、確定申告時に仕訳帳や売掛帳などを提示することで最大で65万円控除を受けることができる申告方法です。
確定申告をする場合、青色申告以外に白色申告がありそれぞれ必要書類と控除金額が異なります。また、青色申告でも10万円控除と65万円控除があります。
青色申告と白色申告の違い
青色申告と白色申告では確定申告時に税務署に提出する必要書類が異なります。青色申告が65万円まで控除できるのに対して、白色申告に特別控除はありません。
簿記の種類 | 確定申告に必要な書類 | 特別控除額 | |
白色申告 | 単式簿記 | 簡単な帳簿 | 0円 |
青色申告10万円控除 | 単式簿記 | 確定申告書B 青色申告決算書 | 10万円 |
青色申告65万円控除 | 複式簿記 | 確定申告書B 青色申告決算書 | 65万円 |
上記のように、青色申告を申請するためには確定申告Bと青色申告決算書が必要になります。さらに、複式簿記にすることで65万円控除の対象になります。これらの書類は自分で準備するのには手間がかかりますが、青色申告ソフトを活用することで、手間を減らすことが可能です。
青色申告ソフトを導入する3つのメリット
青色申告ソフトを導入する場合次の3つのメリットが挙げられます。
- 簿記の知識がなくても書類作成が可能
- 記帳や仕訳の作業を効率化できる
- 電子申告に対応している
それでは、それぞれのメリットについて詳しく説明していきます。
1.簿記の知識がなくても書類作成が可能
青色申告ソフトを導入することで、簿記の知識がなくても書類作成が可能です。必要書類を簡単に作成できるようにシンプルに設計されており、必要事項はすべて含まれています。そのため、簿記の知識がなくても確定申告をスムーズに進めることが可能です。
2.記帳や仕訳の作業を効率化できる
青色申告ソフトは、クレジットカードと連携したりレシートをスキャンしたり自動仕分け機能など、記帳や仕分けの作業を効率化できる機能が充実しています。
そのため、紙の領収書を人の手で仕分けする作業や金額を入力する作業などが必要ありません。記帳や仕分けの作業を効率化することから、コア業務に集中できるなどさまざまなメリットがあります。
3.電子申告に対応している
青色申告ソフトには、一般的にWebで確定申告ができる電子申告(e-Tax)とよばれる機能が含まれています。そのため、Web上のみで確定申告を終わらせることができます。
青色申告ソフトを選ぶ際の3つのポイント
青色申告ソフトを選ぶ際には次の3つのポイントが挙げられます。
- クラウド型とインストール型のどちらを導入するか
- コストは見合っているか
- 無料のお試し期間はあるか
1.クラウド型とインストール型のどちらを導入するか
青色申告ソフトにはクラウド型とインストール型があります。クラウド型はオンラインで確定申告を進め、インストール型はオフラインでの作業となります。
クラウド型の方が一般的に安く、インストールが不要です。インストール型は、専門的な処理をできるため用途に合わせて選ぶ必要があります。さらに、インストール型は一度購入すると、クラウド型のように毎月のランニングコストは不要です。
2.コストは見合っているか
青色申告ソフトによってプランや費用が異なります。特に、クラウド型とオンプレミス型では料金体系が異なるため、コストが見合っているかどうかを確認することが重要です。
クラウド型は初期費用が安価ですが、毎月のランニングコストが必要です。オンプレミス型は初期費用がクラウド型に比べて高額ですが、一度購入するとランニングコストはかかりません。
3.無料のお試し期間はあるか
機能を確認したとしても、実際に使ってみないとわからないことがあります。そのため、無料のお試し期間のある青色申告ソフトを選ぶことがおすすめです。
おすすめの青色申告ソフト10選
青色申告ソフトにはさまざまな種類と特徴があります。ここでは、おすすめの青色申告ソフトを10種類紹介します。
青色申告ソフト | 特徴 | 価格 |
freee会計 | クラウド会計ソフトにおいてシェア率No.1 | スターター 月額1,298円 スタンダード 月額2,618円 |
マネーフォワードクラウド | 業界シェア率2位と実績豊富 | パーソナルミニ 月額1,078円 パーソナル 月額1,408円 |
やよいの青色申告オンライン | 確定申告に必要な機能が揃っている | フリープラン 0円 ベーシックプラン 初年度4,400円 初年度以降8,800円 |
HANJO会計 | スマホだけで確定申告を進められる | 月額1,078円 |
ネットde記帳 | 日本商工会が推奨 | 要問い合わせ |
ツカエル青色申告オンライン | スムーズな操作性 | 年間12,000円 |
クラウド円簿 | メールでのサポートあり | 基本的に無料 |
ジョブカン青色申告 | e-Taxや電子帳簿保存法に対応 | パッケージ版7,400円ダウンロード版5,000円 |
Macの青色申告 | Macで使用できる | Macの青色申告11 10,800円 Macの青色申告FY2021 ダウンロード限定版 6,000円 |
かんたん!青色申告 | 専門知識が不要な青色申告ソフト | MJSかんたん!青色申告13 7,200円 |
1.freee会計
引用:freee会計
freee会計は、クラウド会計ソフトにおいてシェア率No.1です。専門用語がほとんどなく操作性もスムーズであることから、経理知識がなくても手間をかけずに確定申告を進めることができます。さらに、損益状況の把握やキャッシュフローの確認なども可能です。
2.マネーフォワードクラウド
引用:マネーフォワードクラウド
マネーフォワードクラウドは、業界シェア2位と実績豊富な青色申告ソフトです。クラウド型で導入費用が安価でありながら、機能が充実しているのが特徴です。マネーフォワードクラウドは、確定申告など従来の会計業務以外にも勤怠管理や給与計算などもできます。
3.やよいの青色申告オンライン
やよいの青色申告オンラインは、累計ユーザー数が280万人を超えている青色申告ソフトです。フリープランは1年間無料で利用可能です。
4.HANJO会計
引用:HANJO会計
HANJO会計は、カシオ計算機が運営しておりスマホだけで確定申告をできる青色申告ソフトです。飲食店に特化した青色申告ソフトであることから、売り上げ管理や仕入れのコスト管理など飲食店に必要な機能が豊富に揃っています。さらに、月額料金が安いことから個人事業主にもおすすめです。
5.ネットde記帳
引用:ネットde記帳
ネットde記帳は、日本商工会が推奨しているインターネットを活用した青色申告ソフトです。全国38県で導入されており、入力したデータは商工会連合会が一元管理していることからセキュリティ面でも安心です。
6.ツカエル青色申告オンライン
ツカエル青色申告オンラインは、ジョブカン会計が提供しておりスムーズな操作性が特徴の青色申告ソフトです。年間12,000円(税抜)と安価で、複数人数で同時操作が可能です。そのため、テレワークを導入する企業におすすめです。
7.クラウド円簿
引用:クラウド円簿
クラウド円簿は、基本的に無料で利用できるクラウド型の青色申告ソフトです。広告収益があるソフトのため、基本料金は無料であることが大きな特徴です。無料でありながら、メールでのサポートがあります。
8.ジョブカン青色申告
引用:ジョブカン青色申告
ジョブカン青色申告は、65万円控除のほかにe-Taxや電子帳簿保存法に対応しています。前もって自動設定しておくことで、スムーズに確定申告を進めることが可能です。クレジットカードの明細情報の取り込みや仕分け、通帳の明細など検索しやすいのも特徴です。パッケージ版とダウンロード版の2種類あります。
9.Macの青色申告
引用:Macの青色申告
Macの青色申告は、Macで活用できる青色申告ソフトです。Windows専用の青色申告ソフトが多いなか貴重です。入力補助機能が充実していることから、経理業務に慣れていない人でも安心して活用できます。専用iPhoneアプリと連携することによって、レシートを自動で読み取ることも可能です。
10.かんたん!青色申告
引用:かんたん!青色申告
かんたん!青色申告は、専門知識不要で帳簿付けが簡単な青色申告ソフトです。勘定科目は自動的に表示されるため、あとは選択するだけです。
さらに、クレジットカードや銀行口座と連携することにより入出金明細を自動で取り込むこともできます。入力し終えた後データは自動的にバックアップされるので急に電源が落ちた場合でも安心です。
まとめ
確定申告には青色申告と白色申告がありますが、余分に書類を提出するだけで控除額が最大65万円となる青色申告をすることが一般的です。手作業で書類をそろえるのは容易でなくても、青色申告ソフトを活用することで手間をかけることなく確定申告を進めることができます。多くの青色申告ソフトにおいて経理の知識がなくてもスムーズな作業が可能です。
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